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2012年09月の記事

ハンドル5の日行動
2012/09/25

ハンドル5の日行動 新大阪駅正面口脇のバス待機場で乗務員と対話する大阪地連のなかま

現場の声反映させよう


 大阪地連は9月18日、「ハンドル5の日行動」として新大阪駅での宣伝行動に取り組み、タクシー、観光バス労働者に本紙を配布しました。
 バス部会のなかまは観光バス乗務員と対話し、国交省が7月に出した「交替運転者の配置基準」(=実車距離500キロ超は交替運転者が必要)について「回送距離を含んでいないために規制強化になっていない。現場の声が無視されている。私たちは安全運行のための規制強化、法令遵守、労働条件改善を今後も行政、バス会社、旅行会社に求めていく。ともにたたかおう」と呼びかけました。

交替運転者の配置基準に疑問
2012/09/05

交替運転者の配置基準に疑問 事故の一報を伝えるNHKニュース

午前4時台に重大事故多発


読者投稿・尾崎博明氏

他の夜勤と比較できない重圧


 「これで良いのか国土交通行政」――。7人が死亡した関越道バス事故から4カ月。しんぶん赤旗が8月29日、「魔の午前4時台」の見出しで、体温と眠気を誘う時間帯、そして事故との関係について専門家(労働科学研究所・松元俊氏)の意見を掲載しました。
 記事は、人間の「体温と眠気」には密接な関係があること。体温(直腸温)は24時間周期をもち、一番高いとき(頂点)が13時。一番低いとき(底点)は午前4時ごろ。最も体温が下がった時が一番眠りに適した時で、強い眠気の襲う時刻だと指摘し、関越道事故も東北道事故(8月2日)も4時頃で、共通している点をあげていました。

夜勤の明け方は
酔った状態と同じ


 そういえば、私も何百回も走ったスキーの深夜運行のなかで、「一番眠いのは夜明け前」(4時から5時頃)―と言う実感と、なかまの声が圧倒的に多かったことを思い出しました。
 また、夜勤が安全上どれだけ危険かについてオーストラリアの実験データをもとに「夜勤の朝方は、かなり酔った状態と同じ活動水準にある」。「乗客を乗せて深夜に走行するバスは長時間、長距離、一人勤務であり、運転中まったく気が抜けない。夜勤のなかでも負担の大きな仕事」―と指摘しています。さらに、夜勤が発がんリスクを高めるとの研究報告もあることや、夜勤がもたらす健康への影響を広く知らせていく必要があるとのべています。
 バスの深夜運行は長時間、長距離、そして危険を伴う業務であることなど、他の夜勤とは比較できないほどの重圧があります。とりわけ貸切バスの乗務員は、慢性的な「長時間労働と疲労」がベースにあることを、知らせることが大事です。

生理学的な面を
検証していない基準


 こうしたバス労働者の厳しい状況のなかで、国交省は7月17日、「交替運転者の配置基準」=実車500キロなどについて、公示しましたが、その中身は、運転者の労働実態や健康面、そして生理学的な面からの検討はなされていません。
 安全とそのための労働条件は、後ろ向きな行政の姿勢や仕組みを変えるたたかいにあることを「記事」も「公示」も示しています。
 大阪地連バス部会の今後の奮闘に期待しています。