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2013年03月の記事

バス基本政策を議論
2013/03/25

バス基本政策を議論 問題点を出し合う参加者(4日、都内)

“保安要員”としてのスキルアップ
バスも登録制度必要


 自交総連本部(高城委員長)は3月4日、バスの基本政策を議論し、「旅行業者への規制」「参入や公示運賃問題」「労働時間に関するILO勧告」「資格制度(登録)問題の創設」なども盛り込み、4月の常任執行委員会に基本方針を示すことを決めました。

 基本政策の考え方として、菊池書記次長は「個別に対応する基本政策でなく、長期にわたって活用できるもの。全体の構成は大きく3つの分野(経営者、国、自治体)に対し、『働くルールの確立』『仕事を増やす、規制の強化』『労働者の地位向上、将来展望』をめざせるものを創りたい」とし意見を求めました。
 宮城地連は、標題について「観光バスでよいのか、バス事業として路線も入れるのか」と質問し、同書記次長は、「路線バスも組織されているが、関越道事故を契機に高速乗合バスの規制緩和が進み一般観光バスが参入するなど、路線と乗合の差がなくなってきているが、当面観光バスを考えている」と返答しました。
 大阪地連は「労働時間などを考える上でもILO勧告を何らかの形で政策化すべきで、また旅行業者への規制や参入規制、公示運賃規定などを具体的事例に則して盛り込むべきである」と意見しました。また、宮城地連は、利用者の安心・安全を担保しスキルアップを目指すうえで運転者・運行保安要員(バスガイド・車掌)の資格制度(登録制)の確立を政策として示すべきではないかとの意見が出ました。
 長期的な政策提案も必要だが、現状の問題点に対するアピールも同時に必要ではないか、との意見も出され、バス基本政策(案)を4月までにまとめることを決めました。

重大事故の教訓はどこへ 貸切バスのワンマン走行距離規制・600キロ
2013/03/18

重大事故の教訓はどこへ 貸切バスのワンマン走行距離規制・600キロ


 各報道によると、貸切バスが昼間1人で運行できる距離について、原則500キロまでとする方針を国土交通省が固めました。しかし「特別な安全措置」や1時間以上のまとまった休憩があれば600キロまで認めるという“ただし書き”のついた規制です。

 国交省は07年の「あずみ野観光バス」事故を受けて翌年、ワンマン乗務可能距離の上限を1日(9時間)あたり670キロとする「指針」を策定。しかし同事故が発生したのは出発地から約500キロの地点でした。
 昨年には関越道で高速ツアーバス事故が発生(4月)したのを受けて、夜行(午前2〜4時に少しでもかかる)の高速ツアーバスの交替運転者配置基準を策定(7月適用)。(1)回送距離を含まない「実車距離400キロ」までをワンマン可能とした上、(2)「特別な安全措置を講じている場合は500キロ」としました。また、スキーバスを念頭に冬期多客期の対策として、夜行の貸切バスの配置基準も策定(12月適用)、(1)(2)に加えて「運行途中1時間以上の仮眠休憩をとる場合には500キロ」までをワンマン可能としました。
 大阪地連は関越道事故の以前から「深夜労働が身体に与える負担は大きく、深夜の疲れが積み重なれば日中の事故につながる。過労運転防止は24時間トータルで考えるべき」として、深夜のワンマン運行禁止を求めてきました。
 今年2月の有識者検討会で同省が提示した、新高速乗合バス(高速路線バスと高速ツアーバスの一本化)の配置基準でも「特別な安全措置を講じている場合は夜間500キロ、昼間600キロ」に。
 今回の配置基準策定は「670キロ」のままだった昼行の貸切バスについてワンマン可能距離を短縮したものですが、規制強化を望まない旅行業界の圧力が働いている疑いはぬぐえません。