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2010年10月の記事

大阪地連・バス部会 近畿運輸局交渉
2010/10/25

大阪地連・バス部会 近畿運輸局交渉 近運局・田村旅客一課長(右)に要請書を提出する岡田委員長

旅行業者の運賃違反押しつけ
「何らかの方針立てなければ」


 総務省が国土交通省に「貸切バス事業における安全確保対策の徹底」「旅行業者への指導・監督強化」などを勧告(9月10日)したのをふまえ、大阪地連および同バス部会は10月14日に近畿運輸局と交渉を行い、「勧告」に基づき適切な対応を速やかに行うよう要請しました。

 交渉に臨んだのは組合側が大阪地連・岡田委員長、同バス部会・伊藤会長ら10人、局側は自交部旅客一課・田村課長、自動車監査指導部・滝口首席自動車監査官ら7人。

 組合側は、旅行業者がバス事業者に対して、公示を下回る運賃≠竍改善基準告示違反となる長時間運転≠ェ前提の行程を押しつけている実態について、「近運局はどんな具体的措置を取ったのか」「観光庁への通報件数は何件か」、「区域外営業の実態を把握しているのか」「旅行業者がそれを承知で発注しているのが明らかになった場合に対処(観光庁への通報)しているのか」と質問。

 局側は運賃違反について「処分の対象はバス事業者となるが、利用者や旅行業者の要請に(やむなく)応じる形が多々見られるので、近畿では運賃違反で処分した事例はない。観光庁への通報に関しては事故が起こった場合や、無謀な速度での運行指示が発覚した時に通報することになっており、過去に通報した事例はない」としながらも、「公示運賃に関してほとんどのバス事業者が違反している状態であり、何らかの方針を立てなければならない」との認識を示しました。

 また、区域外営業については「実態は承知している。事業計画を変えるべきではないか≠ニ指導することになる。旅行業者が区域外違反を強要した場合、通報する制度になっていないので、今後検討されるのではないか」と回答しました。

 さらに組合側がアルバイトやパート、1年・半年契約、派遣など法違反の非正規雇用が増大し、安心・安全を担保する雇用形態が破壊されている、として改善・指導を求めると、局側は「運輸規則36条で@日々雇い入れられるもの、A2か月以内の期間を定めて使用される者、B試み試用期間中の者、C14日未満の期間ごとに賃金の支払を受ける者については選任してはいけないことになっているので、これに該当するのであれば監査でも具体的に指摘している」と回答しました。

バス乗務員に向け勧告内容を宣伝
2010/10/05

バス乗務員に向け勧告内容を宣伝 本紙を配布しながら乗務員と対話するバス部会のなかま(9月29日)

総務省勧告をテコにしてバス業界の是正進めよう


 バス部会は9月29日、総務省が国土交通省に「貸切バス事業における安全確保対策の徹底」「旅行業者への指導・監査の強化」を勧告(9月10日)した内容を貸切バス労働者に広く伝えるため、本紙9月下旬号を名神桂川PA・草津SA・清水寺・平安神宮・嵐山で配布。対話した乗務員の中には「月200時間以上の残業を行い睡眠時間もままならない」と訴える人もいました。

 バス部会は規制緩和以降の事業者急増による運賃ダンピング競争、長時間労働、それらを強要する旅行業者の実態を国交省などに告発し是正を求めてきましたが、同省は東京〜大阪のワンマン運行を可能にする乗務距離規制・1日670`の指針など、安心・安全に逆行する施策を取ってきました。

 「あずみ野観光事故」(07年2月)など事故や法違反の急増を背景に総務省行政評価局は2年前より貸切バスの実態調査に乗り出し、バス部会も同局と数度の懇談を行い具体的な資料を示して協力してきました。今回の勧告は同部会が求めてきた内容のほとんどを網羅するもので評価できます。

 バス部会はこの勧告を踏まえ、国交省に対して実効性のある対応を求めていきます。