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2016年07月の記事

重大事故繰り返すな!!──大阪交運共闘が統一宣伝行動
2016/07/26

重大事故繰り返すな!!──大阪交運共闘が統一宣伝行動 「陸・海・空・港湾」の職場で発生している事故など規制緩和の弊害を告発する八釼副議長(右)と南議長

労働者保護の観点抜け落ちた行政


「改善基準」の改正・規制強化急げ

 「陸・海・空・港湾」の官民労働者で組織する大阪交通運輸労働組合共闘会議(南修三議長)は7月14日、規制緩和以降、交通運輸で繰り返される重大事故の多発を受け必要な規制強化を急げとした宣伝行動を難波・高島屋前で展開。軽井沢スキーツアーバス転落事故を受け国交省が打ち出した施策について、根本的に労働者保護の目線が抜け落ちているとしたビラを組合員30人が配り実態を告発しました。

犀川事故後31年
活かされぬ教訓


 南議長(全港湾阪神)は、「死者15人、重軽傷者27人を出した軽井沢スキーツアーバス転落事故から半年が経過しました。国交省は5月20日、貸切バスの事業許可に更新制を導入する方針を決めましたが、その期間は5年程度としています。スキーバスの重大事故といえば、長野県・犀川ダムに転落して日本福祉大学の学生22人と教員1人、運転者2人の計25人が犠牲になった大事故を思い起こします。『31年経過しても教訓が活かされていない』とご遺族が現状を指摘していますが、まったく同感です。規制緩和を改め、安全規制を強化する交通政策が必要です」と訴えました。
 八釼秀明副議長(国労)は、規制緩和以降の鉄道職場で生じている実態について「JR、私鉄とも駅構内の人員削減や無人化が進められ、車いすなどを使う障がい者の方や体調が急変した利用者への迅速な対応ができない事態が生じています。事業者は営利最優先の経営を追求し安全施策が二の次になっています」と指摘、「最優先すべきは安全施策」と訴えました。

運賃値下げ競争
トラック業界も


 中村旨晶幹事(建交労)は、「国民生活に直結する物流の90%を占めるトラック業界は規制緩和以降、事業者が激増するとともに交通事故も急増し、現在も高止まりしたままです。また過当競争から運賃競争が起こり、歩合制に比重をおいた賃金体系のため年収は下がる一方です」と実態を述べ、「普通に働き暮らせる賃金を得ることができる運賃に適正化しなければなりません」と訴えました。

国交省・厚労省
根本に踏み込め


 自交総連大阪地連の松下書記次長は、国交省が貸切バスの事業許可に5年の更新制を導入する方針を決めたことについて「新規参入事業者だけではなく既存の事業者も含めて、安全に事業を遂行する能力をチェックするため『安全投資計画』と『収支見積書』の作成が義務づけられましたが、その策定期間は更新期間とリンクさせて5年とされています」と報告、「ドライブレコーダーの導入義務化など安全規制・対策を年内に講じる方針も決定するなど一定の前進が見られるものの、小手先の施策から抜け出せてはいません」と指摘。
 続けて「今回もそうですが、なぜか国交省・厚労省ともに『改善基準告示』には一切、手を付けようとしません。安心・安全を第一線で守る労働者を保護する観点がまったく抜け落ちています。根本問題を変えない限り重大事故は後を絶ちません」と語気を強めて警鐘を鳴らし、市民に運動への理解と協力を求めました。