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2016年03月の記事

全国バス部会が軽井沢バス事故受け対行政交渉
2016/03/28

全国バス部会が軽井沢バス事故受け対行政交渉 国交省に緊急要請を行う石垣全国バス部会長(左)

詭弁を弄すな両省
改めろ“人柱行政”


 自交総連(全国)バス部会(石垣敦部会長)は3月8日、軽井沢スキーバス事故を受けて国土交通省、厚生労働省交渉を行い、悲惨な事故を繰り返さない規制強化や公示運賃違反を惹起させる旅行業者の実態調査とともに改善基準を改正するよう求めました。

国土交通省交渉

公示運賃違反の実態調査
旅行業者への監督強化を


 国交省交渉に組合側は石垣部会長ほか12人(本部1、宮城3、大阪3、福岡3、鹿児島2)が参加。同省からは自動車局旅客課・バス産業活性化対策室の黒岩勉課長補佐ほか3人が応対しました。
 組合側は同省に、バス事業の規制緩和を根本的に見直し、規制強化を行うよう求めたほか、緊急に講じるべき対策として(1)公示運賃違反の実態調査・是正、旅行業者への監督強化・罰則規定創設、(2)監査体制強化、参入規制強化、(3)ワンマン距離規制の再改正、夜行の無条件ツーマン化、長距離運行時の保安要員同乗義務づけ、(4)「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準」(改善基準)の改正・法制化などを要請しました。
 省側は規制強化の要請に対して「(軽井沢スキーバス事故)対策検討委員会での議論をふまえて対策していく」としたほか、改善基準については「(旧)労働省の委員会で労使で検討して決められたものと承知しており、実情を踏まえたものと考えている」「見直しの必要性について労使で雰囲気を醸成していくことが必要ではないか」と述べました。
 また「規制緩和によってサービスが向上した。安全が重要なのはもちろんだが需給調整規制に戻しても変わらないのではないか」との認識を省側が示したのに対し、組合側は「事故で死者が出るまで対策がとられない。規制緩和の反省が必要だ」と強調しました。

厚生労働省交渉

過労死防げない改善基準
現状放置は行政の不作為


 厚労省交渉に組合側は石垣部会長ほか11人が参加。同省は労働条件確保改善対策室の片倉和弘室長補佐ほか2人が応対しました。
 要請事項は(1)「バス事業者に対する労働関係法令違反の監督・指導強化」、(2)「改善基準の改正・法制化」。省側は「要請の趣旨は、省内の関係者で共有していきたい」と応じました。
 組合側は改善基準について、「過労死認定基準の月100時間以上の残業を容認しているのはおかしい」「休息期間8時間では睡眠時間が確保できない。運転者は乗務中、眠たくて仕方がないのが実態だ」「改善基準を決めるにあたって行政が主導して労使を集めて協議した。行政が関与しなければ労使で機運を醸成することなどありえない」と指摘し、改正・法制化を重ねて要請しました。

国交省 厚労省 人命奪う愚策改めろ
2016/03/08

 2月16日、軽井沢スキーバス事故等について自交総連と日本共産党議員団が懇談、意見交換を行いました。穀田恵二、本村伸子、清水ただし各衆院議員、辰已孝太郎参院議員と秘書らが参加、大阪地連からは2氏(庭和田、山本)が上京し本部の菊池書記次長や東京地連の3氏と共に意見交換しました。

 懇談を前に国交省・観光庁・厚労省の担当者から事故後の対応などについて説明を受けました。
 国交省は、事故対策委員会をこの間2回行い、(1)監査の実効性向上、(2)運転者の運転技術チェックの強化、(3)旅行業者を含めた安全確保のための対策強化、(4)ハード面の安全対策の強化などを議論していると説明。庭和田氏は「それだけで本当に重大事故が防げると思っているのか」と語気を強めました。菊池氏が「規制緩和が間違っていたとの認識はあるのか」と質すと、「良い点もある」などとして反省の姿勢は見られませんでした。
 また、観光庁に「下限割れ運賃の押し付けで旅行会社が処分された例はあるのか」と質すと「強要した証拠がなければ処分できない。実際の処分例はない」との回答で、実効性が伴う規制で無いことは明らかです。
 懇談では、関越道事故後の対策で交替運転者の配置基準が改正されたものの内容が不十分であること、公示運賃改正を機に旅行会社が手数料をバックさせていることなどの実態を議員に説明、「個別対策だけではなく規制緩和自体の誤りを政府に認めさせなければならない」との点で一致。また、改善基準の改正・法制化が必要なのに厚労省が動こうとしないことから「運動を強めていくことが必要だ」と話し合いました。

スキーバス事故 日本共産党清水ただし衆院議員が質問
2016/03/08

規制緩和による構造的な問題
改善基準の法制化、改正必要


 日本共産党の清水ただし衆院議員は2月22日、予算委員会で質問に立ち、軽井沢スキーバス事故の背景にある規制緩和に切り込み、政府を追及しました。
 清水議員は「悪質事業者の参入を許し、退出させることができず、事故を防ぐことができなかったのは関越道事故後の対策では不十分だったということだ」と指摘、「規制緩和による構造的な問題があるのではないか」と追及。「事業者が倍増し、安値競争が行われ、運転者の賃金が下がっている」とデータを示して迫りました。
 しかし石井国土交通大臣は、「規制緩和でサービスが多様化した」などとして規制緩和が生み出したひずみを認めず、「改めて課題を精査して抜本的な対策を講じなければいけないと考えている」と言うにとどまりました。

「再発防止望めない消極的回答に終始

 労働時間規制の問題について清水議員は、運転者の過労死の多さを挙げて自動車運転者の改善基準の不十分さを指摘。「過労死ラインを超える残業を認める基準は実態に合わないのではないか」と質しました。
 塩崎厚生労働大臣は、「改善基準は労使で話し合いをして決まったことで、組合から告示の法制化と基準の厳格化の要望があるが、法定すると自動車運転者にのみ労基法を上回る罰則付きの義務付けを行うことになるため、関係労使の合意を図ることが難しい」と消極的な答えに終始。石井国交大臣も「まずは基準の遵守に努めたい」としか答えず、安全確保を真剣に考えているとは思えない姿勢でした。
 清水議員は、二人の大臣の答弁からは「まったく本気度がうかがえない」と抗議して、「労使が決めることだと言うが、政治がイニシアチブを発揮して改善基準告示の見直し、法制化をやらないと、今回の事故の再発防止はできない」として実効ある対策を強く求めました。