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2014年10月の記事

本部第37回定期大会・大阪の発言−維新政治を終わらせる<バス>
2014/10/27

本部第37回定期大会・大阪の発言−維新政治を終わらせる<バス>  10月15〜16日に開かれた自交総連第37回定期大会では、大阪地連からは松下末宏書記次長と山本雅弘バス部会事務局長が討論に参加しました。

睡眠不足常態化する
改善基準が問題の根


山本雅弘中央委員
(大阪地連常任執行委員・バス部会事務局長)

深刻な“健康破壊”


 長距離バスの新しい「交替運転者の配置基準」が施行され1年余が経ちました。新基準におけるワンマン運転可能距離には回送距離が含まれていません。私たちは「新基準はワンマン可能距離の延長であり、夜行ワンマン化にお墨付きを与えるようなものだ」と指摘し、本部とともに運動をしてきました。
 バス運転者は不規則勤務と年間2500時間以上の長時間労働による睡眠不足が常態化するとともに、深刻な健康破壊が発生しています。私たちは、乗務員の健康に関する情報を事業者間で共有し、出庫時に血圧検査を行うように、健康診断は航空・鉄道と同じく一般検査と特別検査を行うように求めています。
 3月に北陸道・小矢部PAで追突事故を起こした宮城交通の運転者は事故当日まで11日連続で勤務しており、過労が急性疾患を引き起こした可能性もあります。同社は宮城県では大手の事業者で、路線拡大による人手不足で連続勤務をしないと回らない状況にあった、と宮城地連のなかまから聞きました。大手でこのような実態ですから中小事業者ではもっと劣悪な労働実態が横行しているであろうことは皆さんも想像されることと思います。11日連続勤務でも違反にならない改善基準告示にも問題があります。
 バス事業者が運転者の非正規化を進め、賃金・労働条件が大幅に低下し、貸切バス業界は「新3K」(きつい・厳しい・給料が安い)と呼ばれる産業になってしまいました。結果として運転者が集まらなくなり、大型車の経験がなくても採用する事業者が増えています。皆さんも知らないうちに経験不足の運転者に命を預けていることがあるかもしれません。先週、千葉〜大阪間の夜行バスの運転士が覚醒剤を使っていたということで報道されましたが、昔では考えられないようなことが現実に起こっているということを申し上げたいと思います。

新運賃もなし崩し

 規制緩和でバス事業者数が激増、競争が激化する中でバス事業者の足もとを見た旅行業者が値下げ要求→運賃ダンピングが横行→人件費削減→無理な運行が重大事故の根源となっていたことから、抜本的な改善を図るために国交省が4月から運賃制度改正を行い、新しい運賃が貸切バス事業者に公示されました。
 新しい公示運賃は従来の1.5〜2倍の価格で、これがきちんと守られたら労働条件改善につながります。バス部会も期待と評価をしてきました。しかしながら旅行業者への手数料バックという形でなし崩しにされようとしています。現場で利用者から「運賃が高くなったな」と言われることもありますが、安心安全を守るためにはコストが必要であることに理解を示される利用者もおられます。公示からまだ半年余りですが、今後も注意深く動向を監視していきます。
 今年6月に国交省交渉と全国バス労働者交流会を本部が主催しました。かねてよりバス労働者の組織拡大が目的です。「バスのリーフレット・ポスターなどを作成して活用したらどうか」などなかまからの意見、職場の問題点、現状など大変参考になりました。自交総連の基本政策にもあるように、全国バス部会創設と予算組みを本部にお願いしたい。タクシー会社が運営するバス会社が多いのでまずそこから扉を開き、各地連でバス部会をつくり、オルグの充実で組織拡大を図って欲しいと思います。
 先日の台風19号で大阪ではJR西日本が前日に16時以降の運行中止を決めました。経済的損失が大きいとの報道もありましたが、このように経済効率より安心安全が優先される社会をめざして、タクシー・観光バスともに公共交通としての役割を果たしていきたいと思います。

一日往復540キロ 余裕のない運行実態
2014/10/06

一日往復540キロ 余裕のない運行実態 待機中の乗務員にリーフレットを渡すバス部会のなかま(9月30日)

〈バス部会〉新大阪駅で宣伝行動


 大阪地連バス部会(服部一弘会長)は9月30日、毎月定例のバス乗務員に向けての早朝宣伝行動を新大阪駅で行いました。
 駐車中の観光バスのほとんどが、会員募集のツアーバスと、温泉宿泊地の定期送迎バスでした。定期送迎のバス乗務員は「一日往復540キロ走っているが、遅れが生じると現地着発で食事もとれない」と昨年8月から実施されたワンマン運転の上限ぎりぎりでの業務で、余裕のない運行実態が明らかになりました。
 これは氷山の一角で、日帰りツアーでは1日の拘束時間が16時間ぎりぎりで、渋滞などがあれば「改善基準」の制限を超える行程が多く組まれています。
 バス部会は「改善基準」の問題について解説し運動への参加を呼びかけるリーフレットを作成し、この日も配布しました。