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2021年07月の記事

〈改善基準告示見直し〉自交総連の意見書 労政審専門委全委員に送付
2021/07/05

過労死防止に本気出せ


 自交総連本部(高城政利委員長)は6月18日、自動車運転者の労働時間等の改善のための基準(改善基準告示)の改正について「意見」を提出しました。

 改善基準告示見直しのための厚労省・労働政策審議会労働条件分科会自動車運転者労働時間等専門委員会(専門委員会)は、分野別に検討をすすめるため、5月26日にハイヤー・タクシー作業部会の第1回会合をひらき、今年11月頃には改善基準告示見直し案をほぼ固め、2022年2月には報告書を作成、専門委員会の確認を経て同年中に告示改正を公布する予定となっています。
 自交総連は、タクシー・ハイヤー、バスの労働者1万2000人以上を組織する全国産業別労働組合として、専門委員会の委員への選任を求めてきましたが、委員には選任されていません。審議の際は自交総連の代表が可能な限り傍聴していますが、その場で意見を述べることはできません。
 専門委員会の審議の結果は、すべてのハイタク労働者、バス労働者の労働条件に重大な影響を与えるものです。自交総連としての意見がこの先の審議に反映されるよう、専門委員会の全18人の委員へ「改善基準告示改正についての意見」を書面で郵送しました。

法制化で罰則設けよ

 「意見」では改善基準告示について、「基準が緩すぎ、労働者の健康と安全運転を担保するには不十分」「(現行の内容では)過労死を引き起こすリスクを上回る長時間労働を認めているということになってしまう」と指摘し、次のとおり改正するよう求めています。
 〈拘束時間〉
・タクシー(日勤勤務)=1か月238時間以内、1日最大13時間
・タクシー(隔日勤務)=1か月228時間以内
・バス=1か月240時間以内、1日最大13時間
 〈休息期間=乗務終了後、次の乗務までの時間〉
・タクシー(日勤勤務)=継続11時間以上
・タクシー(隔日勤務)=継続24時間以上
・バス=継続11時間以上
 〈バスの運転時間、連続運転時間〉
・運転=1日7時間、連続2時間以内(運転中断は1回連続15分以上の休憩)
 さらに、告示は法律ではないことから「法的な強制力が伴わない」「罰則がないので、確信犯的に違反をしている使用者に対しては無力」として、改善基準告示および関連する通達の主要な部分について法制化を行うよう求めています。