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2013年06月の記事

バス部会、近運局に実効性ある規制強化要請
2013/06/05

ワンマン600キロ容認
実質無制限の規制


 大阪地連バス部会(伊藤文男会長)は5月22日に近畿運輸局への要請行動に取り組み、8月1日から施行されるワンマン運行上限規制について「事実上長時間・長距離運転を容認しており、過去に発生した重大事故の教訓を踏まえたものになっていない」と指摘、「1人乗務の最高走行距離は1日500キロ以内(出入庫、一般道は2倍に換算)とすること」などを要請しました。(大阪地連書記次長・松下)

 昨年4月の関越道事故を受けて設置された「高速ツアーバス等の過労運転防止のための検討会」が高速乗合バスおよび貸切バスのワンマン運行上限規制を今年3月26日に取りまとめたのを受けて国交省は関係通達の一部を改正、5月15日に公表しました。
 貸切バスの新しい規制で一定の条件(運転時間、休憩時間や車両の仮眠設備、デジタルタコメーターの装備など)を満たした場合、ワンマンの上限距離は1運行夜間500キロ、昼間600キロ。いずれも回送距離を含まない実車距離です。1日2運行乗務の合計では「週2回まで600キロ超が可」で、回送距離を含めたら実質無制限の長距離運転が可能になり、規制強化どころか規制緩和になっています。

保安要員 昼も必要

 交渉で組合側は、「上限適用の一定の条件が貸切・高速乗合・貸切委託でバラバラになっているが、事業者によっては1人の運転者が複数のカテゴリーで乗務することも想定される」、「運転時間の算出は出庫〜入庫までの間から休憩時間を除いて算出するのが基本ではあっても、実態として一律には決まっていない」などの問題点を指摘しました。
 伊藤会長はトンネル内でトラックに追突されたなかまの事例を紹介し、運転者1人では利用者の安全確保や警察・消防など事故対応が困難な実態を説明、昼間でも保安要員(車掌・バスガイド)が必要であることを強調。改めて1日のワンマン運行距離500キロ(出入庫、一般道は2倍に換算)規制、夜間は距離に関係なくツーマン運行とすること、「改善基準」を過労死認定基準以下に改定し法制化することを求めました。