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2012年07月の記事
バスの重大事故を無くすシンポ
2012/07/06
交通運輸労働者が悲鳴
改善告示の法制化急げ
西日本バス労働者連絡会(濱田卓司会長)は6月24日、淀川区内の建交労会館で、関西大学教授・安部誠治氏を講師に招き「バスの重大事故を無くすシンポジウム」(100人)を開催。自交総連から松下書記次長がパネラーとして参加し、4月29日に関越道で死傷者46人を出した「高速ツアーバス」事故の背景を指摘し、今後の方向性を検討しました。
安部教授は「規制緩和とバス輸送の安全確保をめざして」と題した講義の冒頭「国土交通省に対して2010年9月総務省行政評価局が行った『勧告』を1つでも、2つでも、先取りして対策をとっていれば今回の事故は防げたかもしれない、国交省の対応に問題があった」と指摘しました。
つづけて再発防止策とし7項目※を挙げ、「社会的規制と言うが、監査で質を担保することには無理がある、入口規制でハードルを上げなくてはならない」と力説しました。
パネルディスカッションでは、建交労兵庫合同支部委員長・橋口逸雄氏がコーディネーターを務め、パネラーとして行政書士・武部宗春氏、国交労組中央執行委員長・越戸直氏、元大阪市会議員・下田敏人氏、建交労大阪運輸振興分会長・坂本治史氏と、自交総連大阪地連から松下末宏書記次長が参加し、規制緩和後のバス職場の実態を述べました。
休息期間の改善
過労の蓄積防げ
松下書記次長は、「高速乗合バスはバス会社が直接運営し、バス停で乗降して定期運行する。高速ツアーバスは旅行業者が企画・集客後、バスをチャーターし運行する」と、運行形態の違いを説明後、「今回の事故は、2000年に行われた規制緩和が背景にあり、同時に過当競争から運転者の労働条件悪化が急速に進んだことも原因」と指摘。
また、各氏は「適正運賃の授受が不可欠で入口規制の強化」「悪質業者・旅行業者の排除、そのための監査・罰則強化」「交代運転者の配置基準1日500キロ(一般道2倍換算)以下、夜行運行の2人乗務など急ぐべきだ」と指摘し、とくに8時間睡眠をとるためにも「改善基準(厚労省)の休息期間を8時間から11時間に改定し、法制化を急ぐべき」「バスだけでなく交通運輸労働者が悲鳴を上げている」との意見が相次ぎました。実現するには、組織の枠を超えた大きな運動が必要です。
※=再発防止策7項目
(1)高速ツアーバスの廃止
(2)入口規制の強化
(3)悪質不良業者の参入阻止
(4)1人運行距離の大幅短縮
(5)日雇い運転者の排除
(6)夜間の運行管理者配置
(7)旅行業者の発注者責任の明確化