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2006年09月の記事
安全置き去りあきらか
2006/09/15
あ然!!ツアーバスの業務実態
バス部会は9月1日、自交会館で2006年度総括学習会を開催。午前の第一部で1年間の運動を総括し単組報告後、議論を深めました。午後の学習会では近畿運輸局監査指導部の木村主席監察官らを講師に招き監査行政の現状を学習後、大阪地連の権田委員長が組合の役割について講義しました。
バス部会の松尾会長は冒頭あいさつで、「しんぶん赤旗」が追及し、最近メディアで話題の高速路線バスまがいのツアーバス(大阪〜ディズニー間など)に自らが乗務した労働実態を報告しました。
初めから間に合わない行程にあせり
松尾会長は「新宿などで途中下車し、終点のディズニーでは客が1人も乗っていないばかりか、高速道路を100キロ以上で走行しても到底間に合わないダイヤが初めから組まれていて誰でも“あせり”が生じ、結果的に1時間遅れた。このようなツアーバスが氾濫する業界では、『安心・安全』が守られているとはとても思えない」と指摘し、「今後とも行政追及を強化し、観光バス業界の将来を見据えた運動をともに進めていきましょう」と訴えました。 その後、各単組の現状(労働条件向上や権利回復)や少数だが組織拡大が進んでいることが報告されました。
第2部の学習会では近畿運輸局の木村主席自動車監査官・阪部旅客第一課長補佐を講師に招き、6月30日付で、旅行業社に出された『「ツアーバス」に係る募集型企画旅行の適正化について』と、公示「一般貸切旅客自動車運送事業者に対する行政処分等の基準について」「一般貸切旅客自動車運送事業者に対する違反条項ごとの行政基準について講義を受けました。
根本問題置き去りの対処法
罰則強化まい進の交通行政
行政は、許可の取消しも含む新たな罰則強化を打ち出し厳格に対処していく。監査方法も大きく改正され、事故・法令違反を起こした事業者に対しては特別監査し、巡回監査などは原則無通告で実施。新たに呼び出し監査(書類などを持参させた)が追加され、指導事項があった場合、改善指示書を交付し、行政処分の基準に従って処分した上で、改善報告を提出させ3か月以内に改善確認(フォローアップ監査)がなされていなければ、認可取消しを含めた厳しいを処分を科すとし、悪質事業者(再犯)には、この8月から事業停止7日間が追加され、一律3倍の処分を科すとしています。
現在、運行管理制度による安全確保だが、この制度では、経営者が運行管理者任せで、安全への意識も薄く見直しの方向。10月に運輸規則が改正され、路線バスも届出制に変わる予定だということでした。
大本を議論せず業界実態を顧みない、政府・国交省の無策ぶりには呆れるばかりです。(松下事務局長)