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ハンドルおおさか
ハイヤー・タクシー・観光バス労働者の新聞
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2009年01月の記事
本流・逆流
2009/01/06
昨年12月5日、交政審のタクシー問題WGが答申案を了承して審議を終了した▼答申案はこれまでの自由化推進路線にブレーキをかけ、供給過剰や過度な運賃競争への対策を打ち出した。しかし、最大の課題である減車については「自主的、協調的な取組みが推進されるスキームを導入すべき」としたものの、行政による総量規制や協調減車に対する独禁法適用除外は否定した▼タクシー事業者のシンクタンクである「タクシー問題懇談会」の事務局長、豊川博圭氏は自身のブログでこう批判した。「事業者のために減車するわけでも労働者のために減車するわけでもありません。利用者のために減車するのです」「国土交通省は、自分たちのそもそもの目的を間違えて『事業者や乗務員の利益のために減車する』などと不純なことを考えているから公取や裁判所が怖いのです」▼私たち労働組合は、自分たちだけではなくすべての労働者・国民の利益を代表してたたかっている。だからこそ憲法第28条は団結権を保障し、団体交渉権など特別な権利を認めている。利用者の安心・安全を守るための運動は、公共交通の労組にとって最大の使命だ▼だが、悪質事業者は私たちを「抵抗勢力」に仕立て上げ、利用者と対立させようと画策している。リース制で乗務員から経費と利益を先取りしたうえで価格破壊と増車を繰り返してきたMKグループ。利用者本位を装っているが、その本質は徹底した利己主義だ▼「抵抗勢力」との「対決」を演出する手法は大阪府の橋下知事もかなりの手練(てだれ)だ。モデルはおそらく小泉元首相だろう。もはや「構造改革」の破たんは明白だ。09年は悪質事業者や悪政の分裂工作をはね返し、反撃する年だ。(う)