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2008年10月の記事

本流・逆流
2008/10/27

 解散・総選挙の時期はきわめて流動的な状況にあるが、今度の総選挙は私たちが要求で連帯して、政治の中身を変えるチャンスだ。自公政権は大企業・アメリカべったりで、国民に犠牲を強い続けている▼タクシー労働者にとっても今回の総選挙は重要だ。規制緩和が実施され6年余りが経過した。00年5月19日、道路運送法の改悪に賛成した政党は自民、公明、民主の各党だった。今度の総選挙では規制緩和に賛成した政党に対して、タクシー労働者として怒りの一票を行使することが強く求められる▼9月3日の「大阪タクシー業界危機突破総決起集会」には全政党から十数人の国会議員が参加した。規制緩和を強行し、全国的にも評価の高かった大阪のタクシー事業を壊した政党の代表者から、お詫びや反省のあいさつでもあるのかと注目していたが、彼らの厚顔無恥ぶりには呆れ果ててしまった▼一方、規制緩和に一貫して反対を貫き、私たちと共にたたかっている日本共産党議員のあいさつに対しては2800人の参加者から大きな拍手が湧き起こったことは当然の結果だと思った▼総選挙の足音がすぐ近くに聞こえている。選挙でタクシー労働者の声が反映する国会になるよう頑張ろう。(ご)

大阪労連・関西勤労協「第7回役員セミナー」
2008/10/06

大阪労連・関西勤労協「第7回役員セミナー」 「いまを生きる労働組合論」と題して基調講演する関西勤労協・槙野氏(9月20日)

みんなのくらし守る政治闘争強化しよう


 「歴史に学び歴史をつくる」――大阪労連・関西勤労者教育協会主催の「第7回役員セミナー」が9月20〜21日、東大阪市のホテルセイリュウで開かれ、約100人が参加。大阪地連からも5人が参加して「労働組合の社会的役割とは何か」「世論の理解と支持を得るにはどうすればいいのか」などを講演や分散会を通じて考えました。

 主催者あいさつで、大阪労連の川辺議長は「日本の労働運動は企業内組合を軸に前進してきましたが、いま多くの非正規雇用労働者が処遇の低い劣悪な環境におかれながら組織化されていません。行動範囲を制約された労働者を組織していくためにも、地域を軸にした網の目の労働組合を作っていくことが必要です」と指摘。

 また、今日の政治の状況について「2代続けて首相が政権を投げ出し、非常に混沌としています。総選挙では労働組合が企業や組織の枠を越え、すべての労働者・国民の生活を守る先頭に立つことが求められています」と強調しました。

教科書より古典を

 続けて「いまを生きる労働組合論」と題して基調講演を行なった関西勤労協講師の槙野理啓(みちひろ)氏は、「激動の時代に運動を拡げる立場の人に必要なのは現実問題での判断力です。“教科書”から学ぶのも結構ですが、事件は“教科書”どおりに起こるわけではありません。奥深く豊かな内容をもった古典から直接、情勢の求めに応じたテーマを自分で引っ張り出すことが必要です」と前置きし、マルクスが1866年に著した文書「労働組合―その過去、現在、未来」を紹介しました。

 同文書は1860年代を「現在」として、それまでの約100年にわたる労働運動を総括し、「現在」の分析と「未来」に向けた課題を示した労働組合論です。

 槙野氏は同文書の「労働組合は、資本にたいする局地的な、当面の闘争にあまりにも没頭しきっていて、賃金奴隷制そのものに反対して行動する自分の力をまだ十分に理解していない」との記述を私たちの現在に当てはめ、「現代でも労働組合運動は経済闘争にくらべて政治闘争が弱くなる傾向を持たざるをえません」と指摘しました。

 そして「経済闘争こそ出発点」「職場を基礎にした活動」といった“教科書”に書いてあるような教訓が、政治闘争や地域的運動を忌避する理屈になり、労働組合本来のはたらきを抑えてしまう、と指摘したうえで、役員が組合員からの疑問の声に対して適切に答えるためにも、古典から学ぶことの重要性を重ねて強調しました。

世論に発信しよう

 「労働組合は、その努力が狭い、利己的なものとは無縁であり、ふみにじられた幾百万の大衆の解放を目標とするものだということを、世界中の人びとに納得させなければならない」

 槙野氏は「未来」への課題を示したこの記述を解説するにあたり、橋下大阪府知事による労組バッシングと、4年前のプロ野球選手会によるストライキを例に挙げ、「世論がバッシングを許さない状況を私たちの側からつくっていかなければなりません。選手会のストが成功したのは“12球団体制を守る”意義を世論が理解・支持したからですが、同じような状況を私たちがつくることは不可能ではありません。70年代ぐらいまでは労組がストをうつことを世論は支持していました」と述べ、運動の意義を世論に向けて発信していく必要性を説きました。

 講演が終わると参加者は6班の「分散会」に分かれて討論を行ないました。

 槙野氏の講演の感想や各職場での取組みや悩みを出しあい、大阪地連のなかまも利用者の「安心・安全」を守るための政策闘争の取り組みなどを報告しました。