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2011年05月の記事

5・19争議支援総行動──大阪地裁前で抗議宣伝
2011/05/25

5・19争議支援総行動──大阪地裁前で抗議宣伝 大阪地裁前で抗議の拳を突き上げる大阪労連のなかま(5月19日)

労組の宣伝行動禁止する仮処分決定
憲法を擁護すべき裁判所の自殺行為


 大阪地裁第1民事部(横田典子裁判官)は5月10日、建交労大阪府本部の北港観光バスに対する抗議宣伝行動を禁止する仮処分を決定。これを受け、5月19日の争議支援総行動で大阪労連のなかまは、朝8時から大阪地裁前で抗議宣伝行動に取り組みました。

 北港観光バス(大阪市旭区)はこの間、建交労組合員に対して不当な解雇(雇い止め)や配置転換、バス運行でのクレームを口実にした賃金差別、さらに今年2月には通勤途上災害で休業していた組合員を「職場復帰の見込みがない」と決めつけ一方的に退職扱いにするなど、組合つぶしの攻撃を行なってきました。

 3月に建交労大阪府本部は、北港観光バス本社と柱本営業所(高槻市)付近で4日間、宣伝行動に取り組みました。宣伝カーで事実に基づいて訴え、宣伝時間は約15分という短いものです。会社は大阪地裁に宣伝禁止の仮処分を申し立てましたが、宣伝は労働組合として正当な活動であり、社会的に批判されるものではありません。

 ところが、大阪地裁第1民事部の横田裁判官は会社の言い分を鵜呑みにし、「街頭宣伝車等の車両で徘徊し、街頭宣伝車等を利用して演説を行い、あるいは放送を流すなど、債権者の業務を妨害したり、債権者の名誉、信用を毀損する一切の行為」「名誉及び信用を毀損する内容を記載したビラを配布する行為」を禁止するという仮処分決定を行いました。同「決定」は、何が名誉や信用を毀損し、何が業務を妨害するのか、判断理由を一切明らかにしていません。しかも配布していないビラまで禁止しています。

 5月19日・大阪地裁前での抗議宣伝行動で、建交労大阪府本部の松澤書記長は「こんなことがまかり通るならば、いま起こっている首切りや合理化、賃下げなどの問題を我々が社会的に訴えて、やめさせる運動ができなくなる」「建交労だけではなく、すべての労働組合運動の根幹に関わる重大な問題だ」と強調し、支援を訴えました。

大阪春闘共闘・大阪労連「争議支援総行動」に500人
2011/05/25

大阪春闘共闘・大阪労連「争議支援総行動」に500人 「ダイキン工業は労働者を物扱いするな!」と声を張りあげる大阪労連のなかま(大阪市北区のダイキン前で)

企業は法を守れ!!人権侵害やめろ!!


なかまの怒りの声 類設計室にも

 2011大阪春闘共闘委員会と大阪労連は5月19日、大阪府内で労働争議をかかえる企業や親会社、背景資本に対する抗議・要請行動に取り組み、全体で500人が参加。大阪地連のなかまも30人が「企業は法を守れ!人権侵害をやめろ!」と拳を突き上げました。


 行動は朝8時、大阪地裁に対する抗議宣伝行動から始まりました。そして中央区内で全港湾阪神支部の争議支援として郵便事業梶E日本郵便輸送鰍ノ対する抗議・要請行動に取り組んだ後、3班に分かれて合計17使用者を巡り、抗議の声を上げました。

 大阪地連・類グループ労組がたたかっている類設計室(大阪市淀川区、岡田淳三郎社長)社前でも、各産別のなかまが「組合つぶしをやめろ!」とシュプレヒコールに声を張り上げました。同社は一時金不払いや陰湿な嫌がらせで組合つぶしを図り、賃下げを一方的に強行。それを提訴した類労組・藤本委員長に不当処分で報復、現在も乗務外しの攻撃を続けています。

 参加者は最後に北区のダイキン工業本社前に集結。同社は215人もの非正規労働者を昨年8月末で雇い止めにし、新たに200人以上を雇い入れるという首のすげ替えを強行しました。JMIU大阪地本の久松書記長は「多くの大企業で労働者がまるで物のように簡単に使い捨てにされている。このたたかいはダイキンの労働者だけの問題ではない」と強調しました。

原発依存からの転換を
2011/05/16

原発依存からの転換を 熱弁を振るう日本共産党・吉井英勝衆院議員

日本共産党・吉井英勝衆院議員が力説

 大阪メーデー

 5月1日の「第82回大阪メーデー」で、日本共産党・吉井英勝衆院議員が連帯あいさつで福島第一原発事故の問題について指摘した部分を抜粋して紹介します。


 今回の原発災害は明確な人災です。2つの内容があります。

 あの原発災害は、決して想定外の事態ではありません。スマトラ沖地震の後、私は国会で2005、6年の頃からずっと繰り返し、「核燃料を冷やすために必要な外部電源が地震で失われ、津波によってバックアップ電源が破壊されたら炉心溶融に至ってしまう」と何度も指摘してきたんです。ところが、さっぱり耳を傾けようとしなかったのが、東京電力であり、自公政権でした。まずその点で人災です。

 2つ目には3月11〜12日にかけて、全電源が失われて炉心が溶けるという危機的状況を判っていたのに、東電は海水を使って冷却すれば廃炉にしなければならない、大きな損失だ≠ニ、国民の安全よりも企業利益を優先しました。しかし、菅総理・政府には国民の安全を守るという最も大事な役割があります。東電に真水がなければ海水をぶち込んででも原子炉を空焚きにしてはならない≠ニ命令する責任があったんです。法律上の根拠もあります。ところが、その責任を一切果たしませんでした。ですからこれは、菅政権による人災でもあります。

 いま何をなすべきなのか、それは何といっても東電にあらゆるデータを全部出させて、どういう科学的・技術的知見を結集すれば、本当に現実的に速やかにいまの危機を収束させることができるのか、このことに全力を注ぐべきではないでしょうか。

 もうひとつは、加害者である東電に全面的に補償させなければなりません。東電・清水社長は国民の税金で面倒見てもらいたい≠ネどという厚かましいことを加害者でありながら口にしております。こんなことは許される話ではありません。

 そして今度の問題を通じてはっきりしてきたことは、再生可能な自然エネルギーをもっと活用して、原発に頼らなくてもやっていけるようにすべきだということです。

 自然エネルギー関連の仕事を中小企業の皆さんに請け負ってもらって、地域に雇用と所得、消費を生み出していく、文字通り地域から経済の立て直しを図っていく、そのためにも、原発依存症に冒された自治体の行財政を転換させる必要があります。

 私たち日本共産党は本当の意味での復興を実現するために、何よりも被災地の人々の声を大事にして、被災地の人々が主人公となって復興に立ち上がっていけるように応援していきたい、そのために全力を挙げてがんばる決意です。

第82回大阪メーデー
2011/05/16

第82回大阪メーデー 「大企業は社会的責任を果たせ!」とシュプレヒコールする大阪地連のなかま(5月1日、扇町公園で)

国民本位の政治経済に転換
被災者救援・復興に全力を


 5月1日、「東日本大震災被災者救援・復興支援」を掲げて「第82回大阪メーデー」が大阪市北区の扇町公園で開かれ、時折雨がぱらつくあいにくの天候の中、1万人が結集しました。大阪地連のなかまも120人が参加して、デモ行進に奮闘。「大企業の内部留保を復興に回せ!」と拳を突き上げました。

原発事故原因は政財官癒着


 主催者あいさつで川辺和宏実行委員長(大阪労連議長)は、冒頭に大震災犠牲者への黙とうを呼びかけ、参加者全員で犠牲者を悼みました。川辺氏は福島第一原発の問題について、「東京電力からの自民党や民主党への政治献金、経済産業省から東電への天下り問題など、自公政治から民主党政権に引き継がれた政財官癒着による安全軽視・利益優先の原発運営が大きな被害に結びついた。財界・大企業の思うままにされている政治のあり方を大きく転換させることが強く求められる」と指摘。

 また、被災地復興を名目にした消費税増税について「もともと疲弊している労働者・国民に負担を強いることは、いっそうの生活・経済崩壊につながるものであり、とうてい許すことはできない。いまこそ大企業の内部留保を社会的に還元させることや、一部の者に富が集中する政策を改めて財源をつくりだすことが求められている」と強調。「たたかう労働組合と民主勢力が復興支援を集中するとともに、社会変革のための闘争を前進させよう」と呼びかけました。

憲法25条に基づいた復興を

 続けて、被災地で救援・復興に全力をあげている、いわて労連の中里勤副議長が支援の謝辞を述べ、被災地の現状を報告。「私たちは、東北はひとつ、全国はひとつ、という熱い連帯の思いを共有しあって困難を乗り越えていかなくてはならない。いま復興に向けて必要なのは、憲法25条(生存権)に基づいて被災地住民の生活再建を最優先に位置づけた復興対策だ」と訴えました。

被災地公務員の奮闘に共感

 各産別からの決意表明では、大阪自治労連の前田副委員長が、支援活動で訪れた陸前高田市について「300人の市職員のうち約100人が流された。残された職員がプレハブの仮庁舎で元気に、地域住民を励ましながらがんばっている姿に共感を覚えた」「大阪府の橋下知事はWTCに府庁を移転しようとしているが、低層部分が津波にのまれたら、高い所から府民を見下ろすだけで、何の災害対策にもならないことは明らかだ。東大阪市長選、大阪市長選、府知事選では地域住民の生活と安全を守れる人を押し上げ、自治労連としても真に安心・安全な街づくりに奮闘したい」と力を込めました。

 日本航空の不当解雇とたたかっている日本航空乗員組合の久村雅明氏は支援の謝辞を述べるとともに、「史上最高の営業利益を達成し、更正手続が完了した日航がいま、行うべきは儲け優先の姿勢を改め、安全と公共性の確保という利用者・国民の期待する真の再建をめざすことだ。私たちは何としても現場に復帰し、長年培った航空の技術を被災地復興支援のために役立てたい」と述べ、いっそうの闘争支援を訴えました。

福知山線脱線事故から6年──「近畿安全集会」
2011/05/06

福知山線脱線事故から6年──「近畿安全集会」 「JRが安心安全を追求する企業になるよう利用者と力を合わせて奮闘したい」とあいさつする国労近畿地本・居川委員長(4月26日、国労会館で)

公共交通の安心・安全
利用者と力合わせ守ろう


 107人が死亡したJR福知山線脱線事故(2005年4月25日)から丸6年。国労近畿地方本部と(財)国鉄労働会館近畿地方部が4月26日に「近畿安全集会」を国労大阪会館(大阪市北区)で開き、関西大学の安部誠治教授が講義を、近畿車掌協議会の伊瀬知修身事務局長が「検証報告」を行いました。

 主催者あいさつで国労近畿地本の居川正仁委員長は、「福知山線脱線事故を決して忘れず風化させない、そしてJRが利益優先ではなく国民の足を守り、鉄道輸送の安心安全を追求する企業になるように、私たちも利用者と力を合わせて職場・地域で奮闘したい」と決意を述べました。

関空の津波想定は1.5M

 交通をめぐる動向について講義を行なった関西大学・安部誠治教授は、まず東日本大震災について「政府は震災対策の費用・人員の半分以上を原発に投入せざるを得ない状況。菅首相の関心も原発に向いているので被災地対策が遅れている」と指摘。被災地の交通・ライフラインについて「流された車は40万台と言われているが、東北地方の登録台数の5%にあたる」「沿岸のローカル線が壊滅的被害を受けた」「燃料と小型車が不足しており、救援活動・物資配送が停滞している」などの状況を紹介しました。

 そして東南海・南海地震が今後発生する可能性が高いとされていることをふまえ、関西の交通における津波対策について「紀勢線は3分の1が海岸沿いを走っている。地震を検知して列車を止め、乗務員による利用者の避難誘導をいかに早く行うのかが課題。また、関西空港は1.5bの津波しか想定していないので見直しが必要だ」と指摘しました。

 安部教授は続けて、交通の憲法≠ニして注目されながらも震災で国会審議が停滞している交通基本法案について解説。同法案(政府案)の問題として「移動権が盛り込まれていない」「安全≠ェ強調されていない。フランスの交通基本法のように労働条件に踏み込むべき。日本の事業法は交通労働に配慮していない」と指摘。そのうえで「交通問題を改善し、望ましい交通体系を形成していく上で基礎となる法律であり、早期の成立が望まれる。ただし国会審議の過程で移動権を復活させないと何のための交通基本法かわからない」と強調しました。

JRの安全対策不足が招いた舞子駅事故


 「検証報告」では近畿車掌協議会の伊瀬知事務局長が、昨年12月17日夜にJR神戸線舞子駅で、利用者が転落した直後に列車が動き出して起きた死亡事故について、車掌の目線から背景を解説。

 「車掌は列車全体の乗降をモニターで確認するが、死角がある」「夜間はホームの屋根がある部分とない部分で照明の明暗差が生じ、暗い方への視認が困難になる」「ホームに複数配置してある非常報知灯が、非常ボタンを押した地点しか作動しない仕組みだった」などの問題点を挙げ、「ホーム要員の配置を要求しているが会社は腰を上げない。利用者と声をひとつにして、安心・安全・快適な鉄道になるよう奮闘していきたい」とちからを込めました。

労働者の観点で問題を検証

 まとめで国労近畿地本・井戸敏光書記長は「福知山線脱線事故ではJR西日本と遺族が共同で問題点を検証する作業が始まり、事故原因の解明に向けて一歩前進した。利用者の安全をどう守っていくのか、労働者の観点から検証を行いながら、JRを本当に安全第一の企業に変えていきたい」と締めくくりました。