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2020年01月の記事
大阪労連第51回評議員会・2020年国民春闘方針を確立
2020/01/27
ガンバロー三唱で評議員会を締めくくる大阪労連のなかま(1月18日、大阪市中央区のシティプラザ大阪で)
私物化政治終結を
大阪労連(菅(かん)義人議長)は1月18日、第51回評議員会を大阪市中央区で開き、「誰もが8時間働けば人間らしく暮らせる社会の実現」「安倍政権を退陣に追い込み、改憲策動と戦争する国づくりをストップさせる」などとする「2020年国民春闘方針」を確立しました。
あいさつを行なった菅議長は安倍政権と維新の会について「桜を見る会の問題、カジノ汚職の問題など、政治の私物化、国会軽視、主権者無視の実態が誰の目にも明らかとなった。果たして日本は先進国といえるのか、世界からも大きく問われている」と批判。「劣化が甚だしい政治と苦しい生活や労働実態の中で、もっと怒りの声が高まってしかるべきだが、不満や怒りがあっても声に出せない人々が多くいる。“声に出していいんだ、声をあげていこう”という働きかけを今春闘時にこそ大きく追求したい」との考えを示しました。
議案提案を行なった嘉満(かま)事務局長は維新府政について、「“身を切る改革”の名のもとに住民施策を切り捨ててきた」「都構想はカジノなど大規模開発を推し進めるためのもの。利益を得るのは財界だけであり、住民不在の政策を強行するのは強権政治そのもの」と指摘。「住民投票を強行する場合は広範な共同の力で大阪市の廃止・解体を許さず、大阪労連の総力をあげてたたかう」と力を込めました。
本流逆流(1月5日付コラムより)
2020/01/08
11月29日に中曽根康弘元首相が世を去った。国鉄分割民営化の目的が総評・国労つぶしにあったことは故人が生前、テレビや雑誌で語った通りである。民営化を「功績」とする評伝が大半だが、現実には国労組合員200人が自殺に追い込まれた。以後、労働運動は衰退の一途をたどることになる。
〈「昔の国鉄はひどかった」という時に真っ先に出てくるのが「ストをやっていた」というのだからわが国で労働者の給料は上がらない〉(ツイッター@marxindo、12月1日)──1990年代以降、日本の賃金はほとんど上昇していない。国税庁の「民間給与実態統計調査」によると2017年の平均年収は90年のそれを7万円上回っているにすぎない(東洋経済オンライン/経済ジャーナリスト・岩崎博充氏)。厚労省の賃金センサスから推計すると、タクシー運転者の年収は全産業の平均を200万円以上も下回る。
労働者は組織に団結しなければ経営者と対等にわたりあえない。新たに労働者をバラバラにする企(たくら)みがギグ・エコノミー=安倍政権が推進する「雇用によらない働き方」である。ライドシェアもこれに該当する。労働者は経営者に雇われるのではなく個人事業主として扱われ、労働法による保護や規制の対象外となる。過重労働も低賃金も自己責任。労働条件改善を要求しようにも経営者は「雇用関係がない」との理由で交渉をはねつける。
B型賃金やリース制で労働者分断の流れに棹をさしてきたタクシー業界。そこに身を置く我々だからこそ、ギグ・エコノミーに対する闘いでは先頭に立たなければならない。組織も産業の枠も越え、デモもストも盛大に行おう。2020年は労働者奴隷化を食い止められるか否かの分水嶺、決戦の年だ。