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2017年02月の記事
2017年最低賃金署名スタート
2017/02/28
普通に暮らせる賃金を
大阪労連は今年も「全国一律の最低賃金制度」「時給1千円以上」の実現などを求める国会請願署名を推進。2月10日には「2017年最低賃金署名スタート学習会」を国労会館で開催し、埼労連(埼玉県労働組合連合会)の宍戸出(いずる)事務局長が「埼玉における最賃闘争の実践―展望と課題」と題して講演しました。
宍戸氏は埼労連が毎年4月に取り組んでいる「募集時給調査」によって、「自治体に非正規が増え、民間よりも最低賃金に張り付いている」「中小よりも大手チェーンほど最賃に張り付き、地域水準より低い」などの実態や、最賃の引き上げにともなって地域の賃金分布も上がっていることが明らかになったことを紹介。
署名や宣伝、対話を通じて“最賃による底上げ”がどの職場にも影響することを共通認識にして、「多くの仲間が運動に参加することが大切」と語りました。
生計費をもとに議論を
今年改選される大阪地方最低賃金審議会の労働者委員に、大阪労連から立候補する6氏(自治労連、生協労連、全国一般、福祉保育労、医労連、自交総連=大阪地連・松下書記次長)が登壇。代表して決意表明を行なった大阪自治労連・仁木将さんは「誰もが普通に働き、普通に暮らせる賃金額は一体いくらなのか、生計費原則に基づいた議論を通して最賃額を引き上げなければならない」と訴えました。
行動提起では、最低賃金審議会委員の公正任命を求める運動や宣伝行動を旺盛に取り組み、「すみやかに全国一律1000円以上の最低賃金実現を求める」請願署名を各組織が目標を持って取り組んでいこうと意思統一を行いました。
大阪市庁舎内の組合事務所使用不許可撤回闘争 最高裁が上告棄却、大阪高裁の不当判決が確定
2017/02/28
「憲法の番人」不在
大阪市役所労働組合(大阪市労組)など市庁舎内に事務所を構える労働組合に対し、大阪市が事務所を使用不許可として明け渡しを求めてきたことから組合側がその不当・不法性を訴えた裁判闘争は、最高裁が2月1日に組合側の上告を棄却。組合側に事務所明け渡しを命じた二審判決が確定しました。橋下前市長と大阪市による憲法違反・労働組合排除を擁護する不当な決定です。
2014年9月の一審・大阪地裁(中垣内健治裁判長)は、自治体労働組合における庁舎内事務所の必要性や、橋下市長(当時)の組合嫌悪の意思を実態に即して明確に認定した上で、「便宜供与は行わない」とした大阪市労使関係条例12条の適用が「労組法7条に違反(不当労働行為)したり、憲法28条に違反(団結権侵害)すると評価される場合には、無効となる」として不許可処分取り消しと損害賠償を市側に命じました。
ところが二審・大阪高裁(志田博文裁判長)は組合攻撃の実態を無視。組合排除を狙う橋下氏の意図を認定せず、労使関係条例の適用は憲法や労組法に「違反するものではないから、無効とはいえない」として組合側に事務所明け渡しを命じました(15年6月)。
同年11月、中央労働委員会が大阪市の不当労働行為を認定。謝罪文の手交を大阪市に命じる救済命令を出し、市側もこれを受け入れましたが、最高裁は今回、何の判断も示さず組合側の上告を棄却しました。
最高裁は政権の番犬か
最高裁決定についての「報告集会」が2月8日に大阪市北区で開かれました。
主催者あいさつで大阪労連・川辺議長は「最高裁は(憲法判断から)逃げた。いまの司法のありようが問われる」と指弾。
原告・大阪市労働組合総連合の実森之行委員長、大阪市労組の田所賢治委員長は5年に及んだ裁判闘争への支援に謝辞を述べるとともに、「憲法の番人が政権の番犬であっていいのか」「不当労働行為、団結権侵害を許さないという声を引き続き発していきたい」と決意表明しました。