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ハイヤー・タクシー・観光バス労働者の新聞
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2007年03月の記事
大阪交運共闘交通運輸シンポジウム
2007/03/23
人にやさしい交通政策を提言
大阪交通運輸共闘会議(仲議長)は10日、「交通運輸シンポジウム」と「07春闘勝利決起集会」を大阪市中央区内で開き、大阪地連のなかまを含む75人が参加しました。
シンポジウムではまず、大阪市立大学大学院の西村弘教授が「人にやさしい未来 大阪」と題して記念講演を行ないました。
「交通のあり方が都市のあり方を決める」とする同教授は、「実利よりも精神文化の発展」を標榜して生活基盤の整備を優先した昭和初期の大阪市長・関一(せきはじめ)による市政を高く評価する一方、戦後から現在にいたる経済優先・イベント依存型の交通政策を「どんな都市にするのか考えず、場当たり的」と批判しました。
同教授は都市政策の好例として、バス会社を改編するなど公共交通の利便性を改善して自動車の通行量を削減したソウルの交通政策を紹介。大阪のように都市の中に高速道路をはりめぐらせるのは「世界的に例外」としたうえで、「大阪もどんな”都市格”を目指すのかというビジョンを持って、徒歩、自転車、公共交通、自動車などを総合的にとらえ、位置づけ直すことが必要」と説きました。
続いて、滝口副議長が大阪交通圏構想検討委員会(働く者の立場で大阪の交通を考える研究会)による政策提言『明るい未来マップ大阪(素案)』を発表。夏をメドに「交通施設のバリアフリー化」「(交通運輸の)規制緩和を止めさせる」など総合的な政策マップをまとめあげたいと述べました。
また、自交総連は庭和田専従が、規制緩和による過当競争で「安心・安全」が蝕まれているタクシー・観光バスの実態を訴え、特にあずみ野観光バス事故で明るみになった旅行会社の低運賃押しつけ、行政の事後チェックや相互通報制度の限界などを指摘しました。
大阪労連・春闘共闘会議統一行動
2007/03/23
「最低賃金・ベア引き上げ」などを訴えるビラを通勤中の市民に配布するなかま(15日、合同庁舎4号館前で)
大企業はボロ儲けをはきだせ!!
「なくそう格差と貧困」「つくろう安心・安全な社会」――15日、大阪労連・春闘共闘会議は春闘勝利のための統一行動を大阪府内各所で展開しました。大阪地連のなかまも交運共闘のなかまとともに早朝宣伝行動・デモ・集会などに取り組み、奮闘しました。
春闘で生活できる賃金を
交運共闘のなかまは早朝、近畿運輸支局などが入っている合同庁舎4号館前で街頭宣伝・ビラ配布を開始。宣伝カーの上からは各産別の代表が「最低賃金は1000円に引き上げを」「誰でも1万円、時給100円以上の賃金底上げを」と訴えました。
自交総連を代表して市民に訴えた権田委員長は、死亡衝突事故(2月18日)を起こした『あずみ野観光バス』に長野運輸支局が事故の2週間前に監査に入り、改善指導を行なっていた事実を紹介し、「この時点で是正をきっちりやっていればあんな事故は起らなかったのでは」として「法律違反をきっちり取り締まらない労働行政や運輸行政にも大きな責任がある」と指摘しました。
大阪地連のなかまは午後、大阪市役所前までのデモに参加。「規制緩和はあきまへん」と大書した横断幕を手に(写真右下)、「大企業はボロ儲けをはきだせ!」とシュプレヒコールを繰り返しました。
3・6中央行動 総決起集会
2007/03/15
どこが美しい国なのか安倍首相は答えよ!
「日本はいつからこんな国になってしまったのでしょうか」。午後、日比谷野外音楽堂で開かれた「3・6中央行動総決起集会」で主催者あいさつに立った全労連の坂内(ばんない)三夫議長は言葉を重ねるごとに語調を強めていきました。「人を減らして儲けを増やし、正規を減らして派遣に換えて、それすらイヤだと偽装請負」。さらにちからを込めて「これのどこが”美しい国”なのか、どこが”希望の国”なのか、安倍首相、御手洗(みたらい)経団連会長はまともに答えよ!」と声を張り上げると、場内に詰めかけた3800人のなかまが「そうだ!」「答えよ!」と呼応しました。
交運共闘を代表して決意表明を行なった自交総連本部の小林書記次長は、規制緩和に対するマスコミの論調が批判的に変化してきたことを「私たち働く労働者、労働組合にとって追い風」と評価し、「この追い風を、ひとりひとりの労働者に成果として戻さなければならない」と07春闘にかける意気込みを述べました。
また集会では「わたしたちの切実な要求実現のたたかいと統一地方選挙と参議院選挙の”二つの選挙”を結び、政治革新にむけて奮闘しましょう」との集会アピールが大きな拍手で採択されました。
07国民春闘 第28回トヨタ総行動
2007/03/02
(上)デモコースの一部には歩道橋や地下道も(2月12日)
(右下)トヨタ本社ビル前を行進するデモ隊
労働者・下請踏み台に純利益2兆円
徹底した人件費抑制と下請けいじめで利益を拡大し、経団連の中心的企業として「構造改革」「労働ビッグバン」を推進し続けているトヨタ自動車への反撃として2月12日、「第28回トヨタ総行動」(全労連・愛労連など実行委員会主催)が愛知県豊田市内で開催されました。集会やデモに全国から1600人が参加し、大阪地連のなかまも奮闘しました。
違法事例が続出
年々利益を増大させ06年度通期連結決算では営業利益を2兆2千億円と見込んでいる(各紙報道)トヨタグループ。しかしその影で、高利益構造を下支えするのは、製造現場の3分の1を占める期間工従業員など非正規雇用労働者の増加です。彼らの賃金は正社員の3分の1、ボーナスや退職金はありません。また、正社員も長時間労働を強要され、過労死や過労自殺が発生しています。
さらにトヨタは下請企業に対して、徹底したコスト削減を要求。その結果、下請企業でも非正規雇用労働者が増大したうえ、「偽装請負」「労災隠し」「ベトナム人研修生の違法雇用」など違法事例が続発。また、豊田市内の中小零細企業の7割が赤字に陥っています。
近年のトヨタの利益倍増は、派遣労働の製造業への解禁など、労働市場の規制緩和と軌を一にしています。規制緩和推進の原動力になっていたのは経団連であり、昨年までトヨタの奥田碩前会長が会長を務めていました。
歩道橋渡るデモ
経団連は、企業献金をエサにホワイトカラーエグゼンプションなどの人件費抑制策や偽装請負の正当化、さらなる大企業減税とそれを担保する消費税増税・社会保障改悪など、政府・与党に大企業本位・労働者無視の要求を強めています。
集会では、夫の過労死の労災認定裁判をたたかっている女性や、自動車の排ガスによる大気汚染公害裁判の原告団が支援を訴え、社会的責任を果たそうとしないトヨタに対する怒りが会場全体に満ちていました。
集会後のデモ行進では、歩道橋を渡ったり地下道をくぐったりと、まるで警察がトヨタに配慮したかのようなコース設定。また本社周辺では、警備員が建物の撮影を控えるよう求めてくるなど、異様な雰囲気に包まれていました。