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ハンドルおおさか
ハイヤー・タクシー・観光バス労働者の新聞
月別バックナンバー
2014年03月の記事
さよなら原発3・9関西行動に7千人
2014/03/25
福島を決して忘れない
東日本大震災・福島第一原発事故の3周年を2日後に控えた3月9日、「さよなら原発・関西行動」が大阪市北区内で取り組まれ、「原発なくせ」の一点で共同する7千人以上の人々が集会・デモなどに参加しました。
扇町公園で開かれた集会でゲストアピールに立った京都大学原子炉研究所・小出裕章助教は「自民党は原発を再稼働、新設、輸出するために福島の事故をなかったことにするつもりだ。それに対抗するのはただ一つ、私たちが決して忘れないことだ」と強調。「自民党政権はオリンピックを持ち出して、福島の事故は収束したかのように言っている。オリンピックに反対すると“非国民”であるかのような論調も含まれているように見える。しかし、福島の人たちを苦難のどん底に落としながら何がオリンピックなんだろうと私は思う。こんな国であるなら私は喜んで“非国民”になってたたかいたい」と語気を強めると参加者は「そうだ!」の声と拍手で応えました。
14春闘ヤマ場へ 3・13大阪総行動
2014/03/25
消費税増税中止せよ
賃上げで景気回復を
4月に迫った消費税増税の中止など国民的諸要求を掲げて「くらし、営業、雇用守れ!国民大行動」が3月13日に全国各地で繰り広げられ、36万人が参加。大阪府内でも集会やデモ、宣伝、自治体・業界団体への申し入れなど「春闘勝利!くらし守れ!大阪総行動」に2万人が参加しました。
大阪労連と大阪春闘共闘が大阪市役所南側広場で開いた「大阪春闘総決起集会」には900人が集結。大阪自治労連の前田委員長は、「出直し大阪市長選」を自作自演した橋下徹氏について「市民生活にかかわる新年度予算案を論議するもっとも大事な時期に責任を投げ出し、選挙制度をもてあそんで6億円もの税金を自分の小遣いのように浪費する橋下氏に首長としての資格はない」と指弾。「大阪都構想、維新政治に終止符をうつため全力をあげてたたかう」と決意表明しました。集会が終わるとデモ行進に出発。雨足が強まる中、なかまはずぶ濡れになりながらも「賃上げで景気回復を図れ!」などと声を張りあげました。
自交総連大阪地連は同日午前、産別独自の行動として大阪タクシー協会(藤原悟朗会長)との交渉に取り組み、「タクシー労働者の労働条件改善を求める要請書」を提出。「タクシー事業の再生をめざしイニシアチブを発揮してほしい」と要請しました。
「大阪都」構想破たんに逆ギレ 反対派排除もくろみ「出直し選挙」
2014/03/17
「出直し選挙に怒る市民のつどい」に集まった参加者(3月6日、中央公会堂で)
多数決=民主主義にあらず
「僕が民意」で独裁に突き進む橋下氏
法定協議会の議論が頓挫し、もはや破たんが明らかになった「大阪都」構想。橋下大阪市長が逆ギレ辞任したことから大阪市長選挙が3月23日に行われます。橋下氏は「(市長選は)法定協のメンバーを代えるかどうかの大戦だ」と発言し、自民、民主、共産3党の委員6人を締め出すことを争点にすると言い出しました。3月6日に中之島公会堂で開かれた「『出直し選挙』に怒る市民のつどい」で、社会学者の薬師院仁志さんは、橋下氏の「僕が民意だ」との主張は民主主義ではないと、次のように喝破しました。
“民主主義とは多数決だ、選挙でたくさん票をとった人が勝ちだ”というふうに誤解してしまうと“直接選挙で僕が選ばれたのだから僕が民意だ”という主張が通ってしまうことになります。そして、それに対して何も言えない状況が生まれてしまいます。
民主主義=多数決ではありません。民主主義の基本定義は“全員による統治”です。ハンス・ケルゼン(高名な法学者)はこう言っています。「議会制民主主義の国家は、その本質上、複数の党派の存在に基礎を置く国家であり、政党を構成する様々な利益集団の自由な活動を通じて共同の意思が形成される。だからこそ、対立する集団の利害を調整して、妥協させることができなければ民主制は成立しえない。このような妥協のない民主制はその正反対のもの、つまり独裁制に転化する恐れがある」…つまり民主主義の本質は、共同の意思を形成する、合意形成なんです。
自民党も民主党も共産党も議会に議席を持っていて、それぞれの支持者の主張を背負って議会に行く、そこで様々な主張の人たちが話し合って、対立する集団の利害を調整して、みんなが協力して意見を一致させようと努力する、その活動が民主主義なんです。
今回の市長選挙がなぜおかしいか、それは“勝ち負けを決めようじゃないか”という態度なんですよ。大阪市長は、維新の会の支持者だけの意見を背負っているのではなく、大阪市民全員の市長なんです。全員の意見を聞かなくてはいけないんです。それを“選挙の勝ち負けが民主主義だ”と勘違いしてしまうと、“じゃあ大阪都構想に賛成か反対か選挙で決めよう、勝ったほうの意見を通すんだ”という主張になってしまうんです。それは全く民主主義ではありません。
いろんな主張の人がいます。ここにいない人もまた全然違う主張を持っていると思います。けれども、それを“敵だ、許せない”と思っていたらこの状況は変わりません。大阪市民は、喧嘩するために同じ街に住んでいるんじゃないんです。みんなの大阪市なんですよ。
民主主義は“全員による統治”なんです。だから、ここでその原点に立ち返って、大阪市を良くするために、全ての大阪市民を代表する市長を選んでいこう、勝ち負けじゃない街にしていこうと、その状況が生まれつつあります。いろんな党が協力しています。それを僕は大事にしたいと思います。みんな気がついたんですね、誰かのおかげで。これはある意味で希望だと思います。
民法協が2014年権利討論集会ひらく
2014/03/05
集会には弁護士・学者・活動家ら250人が参加(2月8日、淀川区内で)
規制緩和やめろ!
いまこそ反撃の時
弁護士・学者・労働組合・市民団体で組織する民主法律協会は2月8日、2014年権利討論集会を大阪市淀川区内で開催。労働法学者・西谷敏氏(大阪市立大学名誉教授)が「労働法はどこへ―全面的規制緩和攻撃と労働法の危機」と題して講演を行いました。自交総連大阪地連からは秋山委員長・松下書記次長が参加しました。
権利討論集会では記念講演のほか、「組合活動への妨害をはねのけ、どう闘うか」など7つの分科会に分かれ、盛んな議論が行われました。
記念講演で西谷氏は「労働時間の短縮は労働運動の力であった。運動の力に支えられた社会的規制(労働法)がなかったら労働条件は生存ギリギリの水準まで低下する」と指摘。
また政治闘争について「安倍首相は“日本を企業が最も活動しやすい国にする”と言っているが、そうなると周辺諸国も規制を緩めて底なしの競争になる。これに危機感を持ってG20では“生産的でより質の高い雇用の創出は各国の政策の核である”と言っている。今春闘で労働組合がストライキも行わずにソコソコで終わってしまったら、労働組合の威信は地に落ちる。とりわけ非正規の賃金引上げが大事。格差を是正する絶好のチャンス」と分析し、「安倍政権は“賃金を引き上げなくてはいけない”と言いながら、他方で賃下げにつながる規制緩和を行なっており、明らかに矛盾している。労働組合は“賃金上げろ”と同時に“規制緩和をやめろ”と言わなければならない」と強調しました。
ストで社会変わる
さらに西谷氏は労働組合に向けて「何でもいいからストライキをしてほしい。これだけのことをされて労働者が何もしない日本は他国から異常な国と見られている。ストが全くないわけではないが、きわめて少ない。労働組合の存在意義がなくなるかもしれない。ストの一つも打てないで組合員は何のために組合費を払っているのか。どんなストであっても労働者が自分たちの行動で少しは何かを変えることができる経験になる」と力を込め、「このまま社会経済がどんどん悪い方向に行ってしまうのか、歯止めをかけるのか、日本社会を形成している一人ひとりに問われている。個人個人がもう一度問題をしっかり考えて行動に移していただきたい」と叱咤激励しました。
また、集会では「泉南アスベスト国賠訴訟の大阪高裁判決に対する国の上告に抗議し早期解決を求める決議」「団結権と政治活動の自由を否定する大阪府・大阪市条例の撤回を求める決議」「安倍内閣による全面的な労働法制規制緩和に反対する決議」「自民党と安倍内閣の憲法を破壊する策動に反対する決議」が全会一致で採択されました。