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2019年03月の記事

本流逆流(3月25日付コラムより)
2019/03/25

 いまや地域のインフラとして私たちの生活に欠かせないコンビニ。しかし近年ではフランチャイズ(FC)本部と加盟店との力関係に起因する問題が続出している。恵方巻きにみられるような過剰発注の事実上の強制、期限切れ直前の食品の値引き販売が許されない、そして店主の長時間労働。
 セブンイレブンのFC本部は2月、時短営業に踏み切った東大阪市の加盟店に対して契約解除と違約金1700万円を突きつけて24時間営業に戻すよう求めた。コンビニ店主はまさしく「名ばかり自営業者」だ。
 加盟店店主で組織する「コンビニ加盟店ユニオン」は各FC本部に団体交渉を申し入れてきたが本部側は「労働者ではない」として応じていない。3月15日には中央労働委員会が「ユニオン」の救済申し立てを棄却した。
 各紙の「首相動静」によるとその10日前にあたる3月5日、井阪隆一セブン&アイ・ホールディングス社長が他の財界人2人とともに安倍首相と会食している。いったい何が話し合われたのだろうか。
 安倍政権が推進する「雇用によらない働き方」は、労働者を雇用される者ではなく請負や委託など「名ばかり自営業者」にすることで労働者保護法制を無効化する企(たくら)みにほかならない。いわば“労働者奴隷化計画”である。私たちがいま全力で反対している白タク・ライドシェアも問題の核心はそこにある。
 オール歩合制、リース制、企業内個人タクシーなどと非労働者化を率先してきたタクシー業界が社会から信頼される公共交通として生き残るためにいま何をすべきかが問われている。

維新政治に終止符を「3・3春をよぶ府民のつどい」での訴え
2019/03/15

不幸招くカジノ誘致するな


あかん!カジノ女性アピール呼びかけ人
山口美和子さん(大阪いちょうの会幹事)


 私の父と弟、元の夫がギャンブル依存症というとても怖い病気に罹患(りかん)しました。私は幼少期からずっと苦しい人生を歩まされましたので、このような子どもをこれから先は一切、1人たりとも出さない、ということで、ギャンブル依存症にかかっていたり、生活困窮している方々の支援に入っております。今年で12年目になります。
 私には子どもが5人いるんですけれども、双子が生まれて生後6か月の時に離婚いたしました。無一文で家を後にしたんですけれども、母子家庭になって二次被害、三次被害もございます。ギャンブル依存の父は働くべき時に働いていませんので年金保険料も納めるべき時に納めていないんですよ。無年金なので私が扶養しなければならないのですが、私には5人の子どもがいます。うち2人は障害者です。父を扶養することはできないので生活保護を利用させてもらっております。私が32で離婚するまでの間、父は私にウソにウソを重ねてお金の無心をずっと続けてまいりました。このクソジジイ、いい加減にしろ、とか、もう自分の親を尊敬できない、殺したいという気持ちが常につきまとう、しかしながら父なんですね。そういう切るに切れない血というんですかね、自分の中の葛藤もあり、そこに耐えられず自死を選ぶ方もおられます。
 私の幼い頃には、ヤミ金もサラ金もかなり卑怯な手を使って家の中にも踏み込んでまいりました。その時の光景はいまだにトラウマになっております。母は苦労に苦労を重ねて亡くなっていきました。私は母に何もしてあげられなかったという、父に“何でアンタが死ななかったんだ”というような、本当に複雑な心をずうっと持ったまま、現在に至っております。
 本当に私は、父の情けない姿をずっと見てきました。しかしながら見捨てることもできません。もうね、73になったんですよ。いろいろな制度を使うことによって私はやっと父から解放されました。父のウソからも解放されました。いまは他の方々の支援に入ることもできるようになりましたけれども、やはり、不幸な子どもをつくってはなりません。父はパチンコ依存症でしたけれども、私の人生は本当に、進学はできませんでしたし、好きな職に就くこともできませんでしたし、だいたい夢を持つということがなかったなと思います。よく笑ったという記憶も本当にまったくございません。
 パチンコだけでもこうですので、カジノなんか誘致すると家庭が崩壊する速度が全然違います。本当に甚大な被害です。いまでもすでに520万人のギャンブル依存の方がいらっしゃいます。本人は何も考えずパチンコを一生懸命してるだけで、しんどいのは家族です。本人よりも家族の方が首を吊るんです。

懸命の訴えに背を向け強行採決

 私は去年の7月3日、カジノ実施法が成立する前に、参議院内閣委員会でギャンブル等依存症対策法案の参考人として、主に父のことをお話しさせていただきました。カジノを誘致しないでくれと、既存のギャンブルだけでもこれだけの被害が出て、子どもたちの成長過程に甚大な影響を与えるんだということを訴えてまいりました。委員会が終わると与党の委員が“僕も(カジノ実施法には)個人的には反対なんだ、しかし組織になると”ということを仰いました。私、子どもをおいて東京まで行って一生懸命に話したんですけれども、慎重な議論も何もされずに強行採決という手段だったんですよ。権力で押さえつけて、人の話も聞かずにね。じゃあ、あの会は何だったんだと。ならば今後、カジノを止める手段というのは大阪府知事選挙、大阪市長選挙であると私は思いますので、どうか皆さん、もう維新には投票しないということでよろしくお願いします。
(文責=編集部)

統一地方選・W首長選せまる 3・3春をよぶ府民のつどい
2019/03/15

統一地方選・W首長選せまる 3・3春をよぶ府民のつどい 集会の最後に手をつなぎ連帯を示す各界・各政党・主催者代表(3月3日、大阪市北区・中央公会堂で)

都構想に執着する松井大阪府知事・吉村大阪市長
大義なきダブル辞職


 「明るい民主大阪府政をつくる会」(明るい会)と「大阪市をよくする会」(よくする会)は3月3日、維新政治に終止符を打ち、誰もが安心して生活できる大阪をつくろうと「春をよぶ府民のつどい」を中之島・中央公会堂で開き、1千人を超える参加者が決意を固めあいました。

 主催者あいさつと基調報告を行った明るい会・荒田功事務局長は、松井大阪府知事と吉村大阪市長が辞職して「ダブル選挙」を行う動きについて、「維新がカジノ利権にしがみつく、そのために今回ダブル選挙に打って出る」「(府議会・市議会で)単独過半数を確保して大阪都構想やカジノを強引に進めていくためにダブル選挙をそのテコにしようとしている、そこに彼らの罪がある」と指弾。「万博開催にともなう公共事業費が際限なく膨らんで市民のくらしを圧迫するようなことがあってはならない」「都構想は、カジノや万博にかこつけた大型公共事業を巨額の税金で推(お)し進めていく布石になる」と警鐘を鳴らしました。
 さらに荒田氏は2015年の都構想住民投票について「もうあんな住民投票はしたくない。都構想の説明会では市民同士がヤジを飛ばし合う、街なかでは賛成派と反対派がいがみ合う、あの殺伐とした大阪の街をもう見たくはない」と振り返り、「必ず維新政治を終わらせなくてはならない」と訴えました。
 地域住民に欠かせない市民病院を二重行政だと決めつけて廃止し、地域にギャンブル依存症をもたらすカジノ誘致に前のめりになる維新政治について「住吉市民病院の医療機能を求めるママの会」事務局長の海道智紀氏、「あかん!カジノ女性アピール」呼びかけ人の山口美和子氏がそれぞれ告発(山口氏=左に別掲)。
 平松邦夫氏(公共政策ラボ代表、元大阪市長)、服部良一氏(社会民主党大阪府連代表・元衆院議員)、渡辺義彦氏(自由党大阪府連代表・元衆院議員)、山下芳生氏(日本共産党副委員長・参院議員)ら各界・各政党代表6氏があいさつ。平松氏は「“金さえ儲けたらええ”という維新政治の大阪では子育てできない」「(選挙は)維新を止めるチャンス。維新を止めたらカジノは止まる」と力を込めました。

辺野古新基地「反対」が圧倒的多数
2019/03/05

民意無視許さない


 沖縄県名護市・辺野古沖への米軍新基地建設にともなう埋め立ての賛否を問う県民投票が2月24日に行われた結果、「反対」が得票率72・15%を占め、沖縄の民意が改めて明確に示されました。

県民投票阻止へ圧力


 県民投票をめぐっては、自民党・宮崎政久衆院議員が県内保守系市議らの勉強会で、県民投票に関わる予算案を否決するよう促す資料を配布するなど、県民投票つぶしに暗躍。
 1月に浦添市内で開かれた保守系団体主催の演説会では、自民党県議・市議らが県民投票阻止をあけすけに掲げました。
 さらに保守系首長グループ「チーム沖縄」の5市長(宜野湾市、沖縄市、うるま市、石垣市、宮古島市)が“「賛成」「反対」の2択では民意が正確に反映されない”などとして不参加を表明、有権者の3割が投票できなくなるところでしたが、「『辺野古』県民投票の会」の元山仁士郎代表がハンガーストライキを行うなど、幅広い市民から「参政権を奪うな」と抗議が広がり、選択肢に「どちらでもない」を加えることで全県実施が実現しました。
 さまざまな投票阻止の圧力にも関わらず投票率は50%を超え、結果は全市町村で「反対」が圧勝。当初不参加を表明していた5市でも「反対」の得票率は66・8%(宜野湾市)〜72・1%(宮古島市)を占めました。

利権当事者負け惜しみ

 日本維新の会・下地幹郎衆院議員はツイッターで「知事選挙の投票率64%、玉城知事が獲得した39万票を超えるか超えないかが大きなポイント」(2月23日)とし、投票率が大きく下回ったので「軍配をどちらに上げることもできない」(25日)と論評していますが、「反対」(43・4万票)は玉城氏の得票に4万票近く積み増しており、投票率が下がったのは「反対」以外が少なかったことの反映でしかありません。ちなみに下地氏の父は辺野古の埋め立て受注企業の一つ、大米(だいよね)建設の創業者であり、実兄は現会長です。
 安倍政権寄りの識者などから、「『反対』は有権者総数の37・6%にすぎない」などと矮小化(わいしょうか)する声があがっていますが、その論法でいえば2017年の総選挙比例代表における自民党の得票率は33・28%、棄権者も含めた絶対得票率は17・49%にすぎません。

「民主主義」口先だけ

 菅官房長官は県民投票で反対が多数となった場合でも新基地建設を進める方針を表明。県民投票から一夜明けた25日も辺野古沿岸部に土砂を投入し、座り込み抗議の人たちを強制排除しました。
 外交では「民主主義という価値を共有する」などと標榜する安倍首相ですが、もはや民主主義の敵といわざるを得ません。