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2011年04月の記事

INAXメンテナンス事件 最高裁判決・組合側が逆転勝訴
2011/04/25

団結権奪う非労働者化を断罪


 住宅設備会社INAX(現リクシル)の子会社で働くCE(カスタマーエンジニア)が、労働組合法によって保護されるべき労働者かどうかが争われていた訴訟の上告審判決が12日にあり、最高裁判所第3小法廷(那須弘平裁判長)はCEを「労働者」と明確に認定、団体交渉拒否は不当労働行為にあたるとしました。

 2004年9月、株式会社INAXメンテナンス(=尾藤和彦取締役社長・愛知県常滑市)と「業務委託契約」を結び、住宅設備機器の修理補修に従事していたCE労働者9人が建交労大阪府本部の分会として組合を結成、最低所得保障や委託契約の一方的な解除の禁止などを求め、団交の申し入れを数回行いましたが、会社は形式的な契約を盾に「CEは個人事業主であり労組法上の労働者ではない」として労組を否認、団交拒否しました。

 組合は労働委員会に救済を申し立て、大阪府労働委員会、中央労働委員会ともにCEの労働者性を認定、団交拒否を不当労働行為とする組合側勝利の命令を出しました。

 会社は命令の取り消しを求めて提訴。09年4月の一審・東京地裁は会社の請求を棄却しましたが、同年9月の二審・東京高裁は形式的な契約を重視し、労組法上の労働者範囲を狭く解釈、中労委命令を取り消しました。

 東京高裁は証人調べを行わず、たった1回、わずか5分の弁論で結審した末の不当判決です。同高裁は昨年8月のJMIUビクターアフターサービス争議・控訴審でも同様の不当判決を下しています。

 今回の上告審で最高裁はCEの労働実態をつぶさに検証したうえで「事業の遂行に不可欠な労働力として(会社の)組織に組み入れられていた」「(会社が)契約内容を一方的に決定していた」「CEは(会社の)指揮監督の下に労務の提供を行っており、かつ、その業務について場所的にも時間的にも一定の拘束を受けていた」と判断、「労働組合法上の労働者に当たる」と結論づけました。

 弱い立場である労働者から、労働契約書の書面だけで権利を奪う企業の横暴はもう通用しません。大阪地連は今後も「名ばかり事業主」の権利闘争を全力で支援していきます。

第一陣救援物資 埼玉経由して岩手へ
2011/04/15

第一陣救援物資  埼玉経由して岩手へ 寄せられた救援物資トラックで運ぶ(30日)

被災者の辛苦つづく


 大阪労連(川辺議長)は3月30日早朝、単産・地域から寄せられた救援物資(自交=粉ミルクやサランラップ)を第一陣として、建交労府本部の協力を得て、4トントラックに物資を積み込み被災地に向け送りました。

 物資は、全労連が全国災対連(災害被災者支援と災害対策改善を求める全国連絡会)との共同センターで確保した埼玉県草加市の集積地に届けられ、現地で必要とされるものをそこから別便で送ります。今回のものは岩手県に送りました。

飯沼中央委員長  宮城・福島へ

 全労連・大阪労連では、引き続き、岩手はもちろん宮城や福島など被災地へ救援物資を送るため、全国に物資提供の協力を呼びかけています。

 本部は7日、中央闘争委員会で飯沼中央委員長と宮竹書記次長を宮城・福島地連に11日〜12日に派遣し、救援物資を届けるとともに直接被災した組合員を激励することを決めました。

 大阪地連は8日、組合員や呼びかけに応えた各職場の職員からも子供用おむつ、生理用品、乾麺、タオル、バスタオル、靴下、ラップなどが寄せられ、走り回って買ったペットボトル10箱とともに第二陣の救援物資として本部に発送しました。

第24回自交労働学校・第2講義
2011/04/05

第24回自交労働学校・第2講義 講義に聴き入る大阪地連のなかま(3月22日、自交会館で) 衆議院・比例定数削減問題

狙いは民主主義の排除
虚構の多数で独裁政治


 3月22日に大阪地連が開いた「第24回自交労働学校」の第2講義では、きづがわ共同法律事務所の横山精一弁護士が、国会・衆議院の比例定数削減問題について講義を行い、民主・自民両党の狙いが「国民多数の声の排除」にあることなどをわかりやすく解説しました。

 現制度では、衆議院の総定数480のうち300は小選挙区で選び、残りの180は全国を11に分けた比例ブロックで選びます。小選挙区では1選挙区から選ばれるのは1人だけですから、多くの投票が議席に結びつかない「死に票」になります。民主党はこんどの通常国会で比例ブロックの議席を80削減し、定数100にする法案の上程をめざしています。

 横山氏は「最終的には選挙制度を小選挙区だけにしてしまおう、というのが民主党の考えです」と指摘し、そのことによって「国民の声が国会に届かなくなってしまいます。それも少数ではなく、多数の声が」と強調。09年総選挙の結果を元にしたシミュレーションを紹介しました。

 仮に09年総選挙が、完全比例代表制だったらどうでしょう。各政党の比例代表得票率に応じて議席を割り振り、現議席と比較します。

 民主党204(104減)
 自民党128(9増)
 民主・自民両党の議席占有率=69.2%
 公明党55(34増)
 共産党34(25増)
 社民党21(14増)
 以下略

 現状でもこれだけ民意が歪められているのに、比例定数を80減らせばどうなるか。09年総選挙を小選挙区300、比例100として計算し直すと──

 ( )は議席占有率
 民主党274(68.5%)
 自民党94(23.5%)
 民主・自民両党の議席占有率=92.0%
 公明党10(2.5%)
 共産党4(1.0%)
 社民党3(0.75%)
 以下略

 第3党以下はなくなったも同然。完全小選挙区制なら2大政党の占有率はさらに100%に近づきます。

 横山氏は、民主・自民が「新自由主義」「対米従属」「憲法改悪」などで共通していることや、昨年の参院選で民主・自民の得票が有権者全体の31%(両党の得票率×投票率)にすぎなかったことを指摘し、「比例定数削減の狙いは虚構の多数による強権国家づくり≠ノあります」と警鐘を鳴らしました。

3・24交運共闘  被災者支援 一人ひとりができることを
2011/04/05

3・24交運共闘  被災者支援 一人ひとりができることを 義援金への協力を呼びかける大阪交運共闘のなかま(3月24日、難波・高島屋前で)

被害甚大  継続した募金必至


 東北関東大震災の被災者が1日も早く復興できるように今できることを考え大阪交運共闘会議(山本和義議長)は3月24日夕、南海なんば駅高島屋前で、組合員23人が市民に対し義援金への協力を呼びかけました。

 大阪交運共闘会議は24日、JAL不当解雇事件支援宣伝行動を延期し、東北関東大震災の義援金への協力を呼びかけました。23人の組合員らは、市民に募金への協力を呼びかけながらポケットティッシュ(同事件への支援求めるビラ内包)1000個を配布しました。

 山本議長、八釼副議長らは、「3月17日にみなさんからご協力いただいた義援金84594円も含め、粉ミルクやミネラルウォーター、おむつ、マスクなど今必要な物資を購入し、被災地に送るとともに、私どもの各職場でも義援金カンパと救援物資を集めています」とお礼と報告をしたうえで、「一人ひとりができることを考えて行動しましょう」と呼びかけました。

 この日、外国人の一人は「地震?オーケー」と言いながら財布から1万円を出し“グッドサイン”で立ち去ったり、また自転車で通りかかった年配の労働者は「わし今4千円しかないねん」と財布の中身を見せ、「半分の2千円寄付するわちゃんと届けてや頼んどくで」などと託された募金総額は69140円でした。