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ハイヤー・タクシー・観光バス労働者の新聞
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2012年04月の記事
ダイキン工業「有期間社員」雇い止め撤回闘争
2012/04/17
偽装請負ばれた途端に使い捨て
司法は非正規労働者の権利守れ
2010年8月に200人以上の労働者の首のすげ替えを行なったダイキン工業(大阪市)に対し、雇い止めされた4人の労働者が雇用の継続などを求めた裁判の第1回証人尋問が4月5日に大阪地裁でありました。今回、原告側から証言台に立ったJMIUダイキン工業支部・Sさんの事件経過を紹介します。
Sさんは請負会社(伸和工業)に登録し、2002年秋頃からダイキンエ業で働き始めました。職場では「支援従業員」と呼ばれ、請負会社社員と一緒にダイキンの組長、チーフ、リーダーを含む正社員も混在して働いていました。仕事の内容や作業服も正社員とまったく同じ、請負会社社員との区別は「名札」だけで、まったくダイキンの正社員と変わりなく働いていました。作業指示はもちろん、残業の指示もダイキン正社員のリーダーからされました。
06年末頃に大阪労働局から偽装請負の是正指導が入り、請負会社社員から、作業服に刺繍(ししゅう)された「ダイキン」の文字を切り取るよう指示されましたが一体何のためかは説明がありませんでした。その後、一時的に請負社員と正社員の作業ラインが分けられました。
07年12月に会社から「直接雇用」に切り替えると通知されました。しかし正社員ではなく、雇用期限が6か月、1年、1年で最長2年6か月で契約期間満了となる「有期間社員」としての雇用でした。2年半で打ち切られることに大きな不安と疑問を感じましたが、正社員登用の機会もあるとの話に希望を持ち働き続けることにしました。
しかし、登用試験を受験しましたが結果は公表されず、合格者の顔ぶれから職場上司による恣意的な選別が行われたのではないかと感じました。そして、10年8月末、期間満了で雇い止めとなりました。不合理な雇い止めに怒りと疑問を感じ、裁判もたたかう決意で青山委員長らと4人でJMIUに加入しました。
偽装請負の是正指導を受けると、同じ職場で5年以上働いてきたSさんに対し「期限の定めのない労働者」にならないよう「有期」の選択肢しか与えなかったダイキン工業。非正規労働者を“雇用の調整弁”としてモノ扱いする、こんなやり方がまかり通れば労働者は安心して働けません。大企業が果たすべき社会的責任、司法の良識が問われています。
悪質事業者放置するな 監査体制の早期拡充を 大阪交運共闘が近畿運輸局に要請
2012/04/17
近畿運輸局に要請する大阪交運共闘のなかま(こちら向き、3月22日)
専門性有する監査官必要
過労運転防ぐ規制強化を
大阪交通運輸労働組合共闘会議(大阪交運共闘)は3月22日、近畿運輸局と交渉を行い、交通運輸労働者の労働条件を改善するために実効性のある措置、監査基準・体制の強化、「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準(改善基準告示)」の抜本改正及び法制化を要請しました。
交渉に局側からは旅客1課、監査指導部、鉄道部など担当部局から9人、組合側からは山本和義議長ほか11人が出席。組合側は「規制緩和を境に長時間労働と低賃金構造がまん延し、国全体では交通事故件数が減少に転じているのに交運労働者が第1当事者となる事故は高止まりを続けている」「道路運送業に従事する労働者の過労死認定率は全産業平均の4.5〜6.4倍」と指摘。さらに「各産業の規制緩和以降、法令遵守姿勢を欠く事業者が増加する傾向が顕著」として、「専門性を有する職員や自動車監査官など人員の早期拡充」を要請しました。
各産別からは「(国際海上コンテナの重量問題で)シャーシに適合しないトラックヘッドの取り締まりが必要。排ガス規制でも真面目にコンプライアンスに取り組む企業がバカを見る実態が散見されるので改善すること」(全港湾)、「駅構内での人身事故が後を絶たない。監督行政として可動式ホーム柵の設置、ホームへの人員の配置を強く指導してほしい」(国労)、「あずみの観光バス事故(07年2月)が起こった原因はワンマン運行を繰り返したことによる過労運転。生理学的影響をふまえ深夜運行は完全2人制に、乗務距離規制を1日500キロ以下にすること」(自交総連)などと要請しました。
公務員採用抑制が影響
局側が「監査や交通行政に足りていないのはマンパワー。管内に50人の自動車監査官がいるが、事業者数に照らしてもとても足りない。違法があれば指導・処分するが、よく言われるのが“知らなかった”、つまり指導がいきわたっていない。24年度は2人の増員が実現したが、現場が必要としている人員には程遠い。公務員の新規採用の抑制も影響している」と現状を明かすと、組合側は「体制拡充ができない結果、市民、利用者が不利益をこうむることになる。このことを本省にもしっかり伝えてほしい」と要請。局側は「行政として、安全を守るため違法は許さない。悪質な事業者がのさばると真面目な事業者がしわ寄せを受ける、それは許されない」と応じました。
司法の反動化、不当判決相次ぐ
2012/04/05
《日本航空》 不当解雇撤回闘争
東京地裁が請求棄却
2010年12月31日に不当解雇された日本航空のパイロット76人と客室乗務員72人が解雇撤回を求めて起こした裁判の判決言い渡しが3月29日(パイロット)と同30日(客室乗務員)に東京地裁であり、両法廷とも整理解雇は有効とし、請求を棄却しました。
判決は、ことごとく会社側の主張をうのみにして、整理解雇4要件をすべて満たしており「解雇権乱用とは認められない」としています。
原告側弁護団が29日に出した「声明」では、判決について「倒産、事業再編時に経営側を整理解雇4要件から開放しようとする財界や管財人弁護士らの目論みに手を貸すもので、絶対に容認することができません」と指弾し、「首切り自由を許さない社会、安全最優先の真の再建に1日でも早く踏み出すために、原告全員が職場復帰を勝ち取るまで全力で闘う」と表明しています。
府議会・教育基本条例、職員基本条例両案を採決
2012/04/05
2条例案成立を阻止しようとパレード出発点の大阪市役所・女神像前広場に1500人が集結
公教育破壊と首長への絶対服従を課す悪法
維新、公明、自民が強行
政治介入によって公教育を破壊し、自治体職員・教職員に首長への絶対服従を強いる「教育基本条例案」「職員基本条例案」(大阪府・大阪市)。3月18日には2条例案の成立を阻止しようと1500人が大阪市役所から難波までパレードを行い、大阪地連のなかまも奮闘しました。
パレードから5日後の23日、大阪府議会本会議で「大阪維新の会」と公明党、自民党などが、民主党、日本共産党の反対を押し切って2条例案の採決を強行、成立させました。一方、大阪市議会では今議会での採決を見送り、継続審議になっています。
大阪地連は今後も公務労働者と連帯し、大阪府で2条例の具体化を許さず、大阪市議会の2条例案を廃案に追い込むたたかいに全力を挙げます。