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2015年04月の記事
橋下徹大阪市長が行なった演説・問題部分の文字起こし
2015/04/27
橋下徹大阪市長が行なった演説・問題部分の文字起こし
(4月9日・大阪市浪速区)
「浪速区は今度、中央区、それから西区、天王寺区、それから西成区と合わせて新しい新中央区になります。大阪のど真ん中、大阪の顔です。(略)浪速区の人が大阪都構想に反対してる理由は、(略)僕は敬老パスの改革をやった、町内会の補助金の改革をやった、それと同時に、どうも大阪都構想ってよくわからないから、(略)そういうことで不安になってるって理由もあるでしょう。もう一つは西成問題です。西成と一緒になるということで嫌だという人も多いんです」
「でも皆さんよく考えてください。いまも別に大阪市内で西成は隣にあるんですよ。大阪都構想になって中央区になって一緒になるのと、いま一緒になってるのと差はありません。何でそんなに西成のこと嫌だ嫌だっていうのか僕はよくわかりません。もう一つ、大阪都構想になるとおそらく西成という名前はなくなります。これは大阪都構想の手続きなんですけども、西成という名前を消すことができる手続きにしてるんです。で僕、西成でずっと説明会していますとね、99%の方がもう西成の名前を消したいと言ってます。多分そうなるでしょう。(略)大阪都中央区岸里1丁目とかね(略)えらい格好良くなるんです」
「西成が嫌だ嫌だって西成と一緒になるのが嫌、僕はそういう差別的な考え方は嫌いですけども、でもそういうことで心配されてる方が天王寺や浪速の中にいらっしゃることもまた事実。確かに地名にもし、こだわりがあるんだったら西成という名前はもう多分消えると思います。だからそういうことで、嫌だ嫌だとは言ってほしくない。むしろ浪速区は大阪の中心、新中央区の顔になるんです。(略)中央区の中で本当にこのど真ん中になって浪速区が変わる大きな一歩になると僕は思ってるんです」
「西成はね、まず大きく変わります。だからいま西成は大阪都構想、沸きに沸いてます。だって中央区になってしまうんです。東京で言ったら銀座とか擁(よう)してる所です。(略)西成が今度中央区になるということでもの凄い、西成の人たちは沸きに沸いてますが、浪速の皆さんもこれから中央区に入る、ただ、浪速という名前はそのまま残ります。大丈夫です。浪速区の場合は浪速は残ります。(略)大阪都中央区浪速大国何丁目とか、浪速という名前は残ります」
橋下市長が一斉地方選挙応援演説でまた問題発言
2015/04/27
「西成消すことができる」
いっせい地方選挙前半戦の投票日3日前にあたる4月9日、大阪維新の会・橋下徹代表(大阪市長)は地下鉄大国町駅付近で同会候補の応援演説を行いましたが、その中で西成区への差別を容認し、大阪都構想で「西成という名前を消すことができる」と発言しました。(別掲)
橋下氏は、住民投票で特別区設置が決まれば浪速区が西成区など4区と合併することから、浪速区民の中に「西成と一緒になるということで(都構想は)嫌だという人も多い」と述べました。しかし同氏は差別そのものを批判するのではなく「皆さんよく考えてください。いまも西成は隣にあるんですよ。大阪都構想になって一緒になるのと、いま一緒になってるのと差はありません」と発言。「都構想」セールスに夢中になるあまり、自分も差別者になっていることに気付いていません。
続けて「大阪都構想になるとおそらく西成という名前はなくなります」「西成という名前を消すことができる手続きにしてるんです」と述べた上、西成区での「都構想」説明会に訪れた人の「99%の方がもう西成の名前を消したいと言ってます」として「西成」消去を正当化しました。
「西成と一緒になるのが嫌、僕はそういう差別的な考え方は嫌い」と予防線を張ることを忘れなかった橋下氏ですが、「浪速という名前はそのまま残ります。大丈夫です」と強調。いわば“西成が消えるのは無理もないが浪速は残るから安心して”という差別発言であることは明白です。
西成愛する人の心に傷
橋下氏が述べた「(西成区民の)99%が西成の名を消したい」というのは眉唾(まゆつば)ものです。この演説で橋下氏は聴衆に「浪速という名前を消してもいいよという人、どれぐらいいらっしゃいます?」「絶対残してほしいという人は」と問いかけましたが反応はまばらでした。
そもそも自治体の首長が住民に向かってこのような問いかけをすること自体が異常です。個人に“自分の姓を変えたいと思いませんか?”と問うようなものであり、“○○さんは自分の姓を変えたがっている”と言いふらして回れば人権侵害です。あたかも「西成」という区名が消えていくのは自然な流れであるかのような言いぐさは、「西成」に思い入れや愛着を持つ人々の心を深く傷つけます。
現地視察は車上から
西成区の完全失業率(2010年国勢調査)は17.9%、住民のうち生活保護受給者の割合を示す保護率は23.6%(今年1月、大阪市ホームページ)。同区北部の「あいりん地区」では野宿者や高齢の日雇労働者の生活安定、貧困ビジネスの撲滅、衛生改善など行政が取り組むべき課題が山積しています。
しかし橋下氏は3年前、同区へ視察に訪れた際にはツイッターで「セキュリティの関係で自由には行動できません。街の状況は車上視察となりました」と明かしています。このような姿勢で地域住民や労働者本位の政策が打ち出せるでしょうか。「西成」を消すことでこれらの問題が解決するわけがありません。
知れば知るほど矛盾だらけの「都構想」・大阪市つぶしを許してはなりません。
大阪地裁が思想調査アンケートを断罪
2015/04/15
市職員の団結権侵害
法違反常習の橋下氏
大阪地裁第5民事部(中垣内健治裁判長)は3月30日、大阪市・橋下徹市長が2012年2月に実施した「労使関係に関する職員アンケート調査」について、これが職員の団結権を侵害し、またプライバシー権を侵害する違法行為であると認定し、国家賠償請求を認容する判決を言い渡しました。
判決は、本件アンケートを橋下市長の職務命令に基づき、職員に対して回答を義務づける権力的・強制的なものとして実施されたとした上で、職員のほぼ全員を対象に網羅的な質問を内容とする本件アンケートを実施するほどの必要性はなく、労働組合活動への参加を萎縮させる効果を有するもので手法としての相当性も欠くものであったと認定しました。
その上で、(1)組合活動への参加の有無及びその態様を訊く質問(Q6)、組合加入の有無及びその理由について訊く質問(Q16)、組合費の使い道に関する認識を訊く質問(Q21)について、憲法28条の団結権を侵害するとし、(2)特定の政治家を応援したか否か及びその態様を訊く質問(Q7)、「紹介カード」配布を受けた事実の有無及びその態様を訊く質問(Q9)について、憲法13条のプライバシー権を侵害すると判断しました。
橋下市長及び総務局長らが、このような原告らの憲法上の権利を侵害する本件アンケートに回答することを職員に義務づけ、またはこれを実施したことは、その職務上の注意義務に違反し、国家賠償法上の違法行為にあたるとし、原告一人あたり6千円の損害賠償を認めました。
強制され葛藤と痛苦
橋下市長は就任直後から労働組合を敵視し、職員を統制しようとしてきました。その手段として行われたのが、組合事務所の明け渡し請求、便宜供与の全面禁止、入れ墨調査アンケートなどですが、これらはいずれも大阪地裁や大阪府労委において違法の判断を受けています。
職員は、本件アンケートを強制されることにより、自らの自由・権利と自らの尊厳を守りたいという思いと、回答しないことを理由に懲戒処分に付されるかも知れないという恐怖の中で、さまざまな葛藤と痛苦を受けました。橋下市長らは、この判決を受けて自らの行為の誤りを認め、控訴をせず、本件アンケートの対象となった全職員に対して真摯な謝罪を行うべきです。
大阪交運共闘が近畿運輸局・大阪労働局に労働条件改善を要請
2015/04/15
過労死防止は国の責務
大阪交通運輸労働組合共闘会議(南修三議長=全港湾阪神)は3月23日、近畿運輸局と大阪労働局への要請行動をそれぞれ取り組み、交通・運輸現場の労働条件改善に向けた適切な諸施策を要請。自交総連大阪地連のなかまもタクシー・貸切バスの労働条件改善を求めました。
近畿運輸局交渉に組合側は南議長をはじめとする15人(全港湾、国労、建交労、自交総連)が参加、局側は西川旅客一課長ら16人が応対しました。
組合側は「現在、トラック産業では派遣労働が可能となっているが、雇用の不安定化がいっそうの労働条件低下を招く」「タクシーの準特定地域を外れた泉州交通圏が再び増車され労働条件の悪化を招いた場合、現在の指定基準では再指定まで相当期間置き去りにされることになる」「苛烈な労働環境が放置されている交通・運輸現場では過労死が他産業と比べて数倍多い」「バリアフリーが駅構内のみにとどまり、交通弱者がスムーズに移動できない」などと指摘し、改善を求めました。
特に過労死の問題については「昨年11月に施行された過労死等防止対策推進法・第4条に国の責務が謳(うた)われている」として、事業用自動車の運転者の勤務時間・乗務時間について定めた国交省告示の内容の改善、法制化による罰則強化を要請。「1日の拘束時間を13時間未満とすること」「トラック運転者も貸切高速バスの労働時間規制と同等に、高速道路の連続運転2時間毎に20分以上休憩、休息期間11時間以上にすること」などを求めました。
監督頻度上げる
大阪労働局交渉では、局側は房本監査監督官ら3人が応対。組合側は近運局交渉と同様に、過労死を生み出す交通運輸産業の構造的な状況を指摘し、「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準」(改善基準告示)の改正と法制化を要請しました。
タクシーの問題では「昨年1月の通達(累進歩合制度の廃止に係る指導等の徹底)発出後も業界の変化を感じない」との組合側の指摘に対し、局側は「すべてが改善されているとは正直言えない。指導しているのに改善しないということであれば監督する頻度を上げていかざるを得ない」と応じました。近運局、大労局ともに「要請は本省に上申する」としました。
「都構想」に未来なし
2015/04/06
「大阪市解体を阻止し維新政治を終わらせよう」と集会に800人以上が参加
一斉地方選挙・住民投票で維新政治終わらせよう
「明るい民主大阪府政をつくる会」と「大阪市をよくする会」は3月19日、「『都構想』ストップ!維新政治ノー!大阪府民集会」を大阪市中央区で開催。さまざまな団体が「都構想」反対の一点でアピール、関西学院大学・冨田宏治教授が講演を行いました。
「社会共通資本の最たるものは医療と教育。橋下市長の『都構想』は社会共通資本を奪うことで地域の将来の繁栄をも奪う不毛の構想といえる」
住之江区医師会の松嶋三夫会長は、橋下大阪市長が「大阪都構想」の象徴として住吉市民病院の廃止・府立医療センターとの統合を打ち出したことについて、大阪市南部地域の「小児周産期病床数が現在の3分の2に激減する。病床が不足すると救急診療拒否が生じ、たらい回しが常態的に発生する」と警鐘を鳴らしました。
東京自治労連の喜入肇書記長は、「大阪都構想」のモデルとされる東京都の特別区制度の問題を紹介。本来市町村で集めるべき法人税、住民税や固定資産税などを東京では都が集めており、集めたお金のうち特別区に交付されるのは55%でしかなく、お金のつかい方や配分について区民は一切関与できないことから「民主主義の点からも住民自治の点からも問題がある」と指摘しました。そして大阪市について「基礎的自治体にふさわしい財政自治権の拡充こそが必要」「統合してまでわざわざ大規模行政区にする必要があるのか。大阪の行政区はいまの規模のほうが目が届く」「住民生活の安心安全が守られる施策の充実こそが重要。『都構想』に未来はない」と強調しました。