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2013年05月の記事
《第84回大阪メーデー》決意表明・原弘行会長
2013/05/15
共同の力で日本は変わる
5月1日に開かれた第84回大阪メーデーでは大阪生健会・松岡会長、大阪農民連・原会長、原発ゼロの会・大阪の中村事務局長、大阪自治労連・荒田書記長が決意表明を行いました。要旨を掲載します。
米国いいなり売国TPP
安倍首相の二枚舌に怒り
農民組合大阪府連合会
原弘行会長
TPP交渉に参加する米国など11か国は、4月20日、日本の交渉参加を承認しました。これは、米国産牛肉の輸入規制の緩和、日本が米国に輸出する自動車の関税撤廃の大幅な期限先送り、そして日本郵政・かんぽ生命のがん保険などの新規参入の凍結など、日本がTPP交渉に参加するために大きな入場料を支払ったからです。
入口の段階でこの有様ですから安倍首相が言ってきた“守るべき国益は守る”などという姿勢はどこにもありません。まさに国民だましの二枚舌であり、ごまかし以外の何物でもないではありませんか。
これらのTPP入場料は、日本が国民の命、暮らしを守る諸制度を、米国の多国籍企業の儲けのために全て投げ出させる第一段階にすぎません。米国がこれまで日本に迫ってきた非関税障壁の撤廃を一気飲みさせる道筋をつけたものです。
食品添加物や残留農薬まみれの農産物の洪水的な輸入、そして医療や国民皆保険制度の崩壊、公共事業への海外企業の参入など、あらゆる分野が関わってきます。こんな売国的、屈辱的なTPP交渉の席には絶対につくな、米国いいなりでこの国の経済の仕組みを壊し、国民の命も暮らしも売り飛ばすTPP交渉参加断固阻止、この声を拡げに拡げようではありませんか。
農民連は国民諸階層の皆さんのたたかいと深く連帯し、何としてもTPP参加阻止、この一点で全力でがんばります。ともにがんばりましょう。
《第84回大阪メーデー》決意表明・松岡恒雄会長
2013/05/15
7千人が集結、色とりどりのノボリ・組合旗がはためく扇町公園(5月1日)
共同の力で日本は変わる
5月1日に開かれた第84回大阪メーデーでは大阪生健会・松岡会長、大阪農民連・原会長、原発ゼロの会・大阪の中村事務局長、大阪自治労連・荒田書記長が決意表明を行いました。要旨を掲載します。
生存権保障する生活保護
司法は水際作戦断罪せよ
全大阪生活と健康を守る会連合会
松岡恒雄会長
生活保護制度は憲法25条に謳(うた)われた生存権保障の最低生活水準を定めたものです。昨年来、生活保護バッシングが強められていますが、これは所得の低い者同士で足の引っ張り合いをさせるものであり、国全体の社会保障制度が極めて不十分なことの表れではないでしょうか。
安倍・自公政権は、昨年民主党との三党で合意した社会保障制度改革推進法を具体化しようとしています。その突破口として生活保護制度の改悪、保護基準の引き下げを計画しています。生活保護基準が引き下げられると最低賃金の目標額、住民税の非課税限度額、子どもの就学援助の給付対象基準、医療費の自己負担限度額、国民健康保険料の減免基準などに影響し、際限のない貧困の連鎖を招きます。私たちはこれを許さないために奮闘しています。
同時にいま大阪では、生活保護をめぐって2つの裁判が争われています。
枚方市で、股関節に障害を持つ生活保護利用者の自動車保有をめぐって争われた裁判では、4月15日に大阪地裁で自動車保有を認めるとともに、先に打ち切られた保護費の支払いを命じる完全勝利の判決を勝ち取りました。いま枚方市に対して「控訴するな」の運動を行なっています。(編集部注=同市は5月2日、控訴しないことを決定)
もうひとつは岸和田市で、就職先が見つからず生活に困った夫婦が福祉事務所に生活保護の申請に行ったのに「求職活動が不十分」と5回も却下された事例です。現実に手持ち金が底をつき、ハローワークに行く交通費にも事欠くのに、どうして充分な求職活動ができるのでしょうか。同じような事例で争われた滋賀県長浜市での判決では“まず生活できる環境をつくってから求職活動を指導するのが本筋”と明確に述べています。長浜市は控訴せず判決は確定しています。
この裁判闘争にご支援をお願いするとともに、最低賃金、年金引き上げ、社会保障拡充をさせるためにがんばることを申し上げて決意表明といたします。
《第84回大阪メーデー》労働者・市民の団結、連帯を確認
2013/05/15
憲法をくらしに活かそう
第84回大阪メーデーが5月1日に扇町公園(大阪市北区)で開催され7千人(大阪地連=100人)が参加、大阪府内では14か所で開かれた各地域メーデーと合わせて1万4千人の労働者・市民が「すべての労働者の賃金を上げろ!」「憲法96条改正反対!」と声を張り上げました。
ストップハシズム
大阪から全国へ
大阪メーデーの主催者あいさつで川辺和宏実行委員長(大阪労連議長)は、「日本社会を根底から破壊する亡国の道、TPP参加を許さず、大企業の莫大な内部留保を労働者に還元させることが求められている」「日本維新の会の憲法改悪、軍事推進路線が明確になり、ハシズムとのたたかいは全国的な課題となっている。独裁政治の根拠地・大阪でのより大きなたたかいが求められている。憲法を社会と暮らしに活かしきるたたかい、平和と民主主義を守るたたかいを大阪から創り出し、全国に力強く発信しよう」と呼びかけました。
労働法制改悪ノー
参院選で増税阻止
連帯あいさつでは、日本共産党の山下よしき書記局長代行が「日本経済をデフレ不況から脱却させるためにも労働者の賃上げと雇用安定化で家計を温めるべきなのに、安倍政権は日銀にお札を刷らせてインフレを起こそうとしている。株価が上がって大資産家は潤っただろうが、国民のくらしは急激に進んだ円安によるガソリン、食品など値上げの直撃を受け始めている」「政府は“成長戦略”で働くルールの大改悪を企んでいる。産業競争力会議で財界代表は、お金さえ出せば労働者を自由に解雇できる制度やサービス残業の合法化、名ばかり正社員づくりなど言いたい放題の要求を出して、政府もその方向に舵を切ろうとしている。こんなことがまかり通れば賃上げどころか、これまで以上の雇用破壊と賃下げがまん延する」と指摘。「彼らの野望は絶対に打ち砕かなければならない。道理ある要求を掲げれば正義のたたかいは必ず勝利することに確信を持って労働法制のさらなる改悪を許さないたたかいを拡げよう」と呼びかけました。
山下氏はさらに消費税増税について「本当に実施するかどうかを決めるのはこれからだ。国民的運動を拡げに拡げて、目前に迫った参議院選挙で自公政権に痛打を与え、増税実施をストップさせよう」と力を込めました。
憲法記念日ワイド──法学者・森英樹氏が96条改憲の欺瞞を曝く
2013/05/07
「憲法学習講座」には273人が参加(3月17日、天王寺区で)
権力者縛るのが憲法
近代憲法の理念を逆転させる自民党「憲法改正草案」
安倍政権は、改憲手続きを定めた憲法第96条を改定し、憲法改定の国会の発議要件を「3分の2」から「過半数」に引き下げようと狙っています。3月17日に大阪憲法会議・共同センターが開いた「春の憲法学習講座」で法学者の森英樹さん(左写真、名古屋大名誉教授)が行なった講演から96条改定に関する部分を抜粋して紹介します。
本当の標的は9条
安倍首相は1月30日の衆議院本会議で「96条改正に取り組んでいく」と表明しました。首相が国会で憲法の条項を名指しして改正に言及したのは史上初です。
96条をなぜ変えるのかという論拠について、自民党のパンフはこう説明しています。「憲法改正は、国民投票に付して主権者である国民の意思を直接問うわけですから、国民に提案される前の国会での手続を余りに厳格にするのは、国民が憲法について意思を表明する機会が狭められることになり、かえって主権者である国民の意思を反映しないことになってしまう」…普通の市民はこれ読んだらコロッと納得するでしょうね。つまり、“主権者のため”という理屈を前面に出してるんです。
2月8日の衆院予算委員会では、出来レース的に96条改正の理由を問い質した維新の会・中田宏議員に対して安倍首相が「国民の70%が憲法を変えたいと思っていたとしても、3分の1をちょっと超える国会議員が反対すれば指一本触れることができないというのはおかしい、という常識であります」と答えたんですね。中田議員は深くうなずきながら「ぜひ御一緒にやっていきたい」「96条の緩和は憲法改正の中身ではなく手続の話です。中身は慎重に様々な議論をしていく必要があるが、その議論を、緊張感をもって進めるためにも手続の緩和が必要なのです」と応じました。“主権者国民の過半数賛成で成立する憲法改正を、たかが国会議員、たかが3分の1が妨害しているのは実にけしからん”という理屈なんですけれども、学会に身を置く私たちにとって、実は初めて聞く論理です。また“改憲の中身ではなく手続論だから気楽にやろう”というのも乱暴な話です。
彼らの本心はハッキリしていて、9条などの改憲をしやすくするために、まず96条のハードルを緩めておきたい。“主権者のため”というのはそれを隠蔽するための論拠であることは間違いありません。
改憲は難しくて当然
この理屈にどう反論していくのか。9条などを変えるためにこんなことを言ってるのはハッキリしてるから、その点を“けしからん”と言うのが1つの手なんですが、おそらくそれだけでは市民の間の論戦では負けるだろうと私は予測しています。“なぜ憲法は一般の法律よりも改正が難しいのか”を突っ込んで議論する必要があります。
憲法改正を一般の法律よりも難しくしている、いわゆる「硬性憲法」をほとんどの国が採用しているのは一体なぜなのか。そしてその奥にある近代憲法の理念とは一体何なのかということが、自民党の96条改正の論拠では意識的に無視されている気配があります。このあたりは長い憲法運動の中であまりちゃんと議論をしてこなかった問題領域ですので、急いで理解を深める必要があります。
近代憲法の理念とは一体何か。これは解釈論ですけれども、憲法とは国民の自由と権利を確保する法であり、そのために国家権力に制限を加える法が憲法なんだ、という考え方です。生身の国家権力というのは放っておくと国民の権利や自由を奪いやすい、だから憲法で国家を縛るんだ、という考え方です。で、権力者はこういう理念を嫌いますから、憲法の変更を国家権力の一部である国会が提案する時にはハードルを高くしておく必要がある、こういう考え方で日本国憲法の改正手続は妥当なんだ、という理解の仕方のほうが学会ではむしろ常識です。
安倍首相がそうした常識に反した言い方をしている背後には、自民党が公表した「日本国憲法改正草案」の中に、こういう近代憲法原則をやめてしまうんだということを示している箇所がいくつもあることと響き合っています。
国民縛る憲法に逆転
現在の憲法第97条は、「この憲法が日本国民に保障する基本的人権は、人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果であって、これらの権利は、過去幾多の試練に堪え、現在及び将来の国民に対し、侵すことのできない永久の権利として信託されたものである」と定めています。人権の永久不可侵性を謳(うた)って憲法の核心部分を掲げています。同98条で「この憲法は、国の最高法規」とあるのは、法のピラミッドの一番上にあるというだけではなくて、憲法がこのように基本的人権を保障しているから最高法規になったということであり、近代憲法の理念を見事に表しています。
ところが自民党の「改正草案」では現憲法97条の条文は全て削除なんです。基本的人権の考え方が“けしからん、近代憲法やめる”って言ってるわけです。
現在の憲法第99条では、「天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は」、ここでいう公務員はひと言で言えば権力担当者なんですが、その人々は「この憲法を尊重し擁護する義務を負う」と定めています。ここに挙げられている権力担当者たちは、放っておくと人権や国民生活を侵害する可能性が高い、いわばブラックリストだと言い放ったのは、あの毒舌の評論家・佐高(さたか)信(まこと)さんですけれども、全くその通りです。
ところが「改正草案」第102条の2では憲法の尊重・擁護義務から「天皇又は摂政」を外しています。同1条で「天皇は、日本国の元首」としたことと深く関係があるんだろうと私は思いますが、ひと言でいうと権力者は天皇の名のもとで何をやっても自由ということになります。その上で、天皇以外の権力担当者の憲法尊重・擁護義務から「尊重」を外しました。じゃあ誰が「尊重」するのか。「全て国民は、この憲法を尊重しなければならない」(102条)と逆転しています。
国民の人権・自由のために権力を縛るのが憲法なんだ、という理念に照らして「改正草案」を見ると、それはもう近代憲法ではない、国民を縛る憲法に転換したということです。近代憲法原則を平気で放棄する精神だから復古的な内容になったし、あるいは改正手続も緩和してしまうわけです。
4月28日は「屈辱の日」
3月12日に安倍内閣は、4月28日を「主権回復の日」として政府主催式典を行うことを閣議決定しました。もちろんその背景には7年に及ぶ占領期間を屈辱の日々と見て、この間に憲法を押しつけられた、いうことを言いたいんでしょう。1952年4月28日は日本が独立したと一般的には言われてますが、そんな単純なものではありません。サンフランシスコ講和条約の発効と同時に占領米軍は看板だけを書き換えて、条約に基づく在日米軍に切り替わりました。もっと深刻なのは今日(こんにち)まで続く問題として、この条約で沖縄が日本から切り離され、アメリカの統治下に置かれました。それから千島列島も最終的に全部放棄させられました。屈辱をいうならこういう点こそ取り上げて屈辱としなければならないのに“よかった、よかった”と大祝賀でこの日を迎えようとしているというのは、やっぱり歴史観が私たちとは違いすぎるからでしょう。
原点に返った運動を
9条の精神というのは、そんな難しいものではありません。例えばNHK大河ドラマの「龍馬伝」では、薩長のいがみ合いを見ていた龍馬がひと言、こう言うんです。「殴り合いでは、なんも変わらんぜよ」。本当にその通り、9条精神ですよ。それを国民が深くうなずきながら見ている、そういうメンタリティーがあると思います。
「八重の桜」では山本権八という八重の父親、この人が鉄砲師範だったんですけれども、鉄砲を撃ちたがる八重に対して諫(いさ)めるようにこういうセリフを言っておりました。「鉄砲は武器だ。戦(いくさ)になれば他人(ひと)さ撃ぢ殺す。鉄砲を撃づ怖れを知らず、形だけまねていだら、いづか己の身さ鉄砲に滅ぼされる」、まさにこういう9条精神を、日常生活の中で私たち市民は受けとっているわけです。
この辺を手がかりに、もういちど憲法の原点に返った運動、原点に返った批判をいまの安倍政権にぶつけていくということが大事ではないかと思います。
JMIUダイキン雇い止め撤回闘争
2013/05/07
使い捨て雇用やめさせよう
築こう安心して働ける社会
20年近く同じ職場で働いてきた「支援従業員」(偽装請負労働者)に対して違法状態の是正と引き替えに有期間雇用を押しつけ、期間満了を理由に雇い止めしたダイキン工業の雇用責任を問う裁判の控訴審がヤマ場を迎えようとしています。ダイキン工業争議支援共闘会議(川辺和宏議長)は4月25日、ダイキン本社(大阪市北区)に向けたデモと宣伝行動に取り組み、大阪地連のなかまも「労働者をモノ扱いするな!」と拳を突き上げました。
宣伝行動でJMIUダイキン工業支部の青山委員長は「ダイキン争議は私たち原告4人だけのたたかいではない、安心して働き、暮らしていける社会を築いていくための大きなたたかいだとと強く思っている。全国の非正規労働者の切実な思いを受け止め、1審不当判決を控訴審で必ず覆したい」と力を込めました。
次回控訴審は5月23日(木)15時、大阪高裁(別館)82号法廷で開かれます。