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2012年06月の記事
野田政権が大飯原発の再稼働「決定」
2012/06/26
大飯原発再稼働に反対する市民1万1千人の首相官邸包囲行動を報じる「しんぶん赤旗」(6月16日付)
国民の声踏みにじる暴挙
野田政権は6月16日、関西電力・大飯原発3、4号機の再稼働を最終決定しました。“福島の悲劇を二度と繰り返すな”という国民の痛切な思いを踏みにじり、原発推進勢力の利権を継続する最悪の決断です。
政府、電力会社、マスコミはこの間、夏場の電力不足を喧伝してきましたが、関西電力はあくまで原発再稼働に固執し、揚水発電の活用、他地域・独立系事業者からの電力調達、停止中の火力発電所の再稼働や、計画中の火力発電所の着工など、電力不足回避に必要な対策を意図的に怠っています。
野田首相は「福島を襲ったような地震津波がおこっても、事故を防止できる」と断言、「安全神話」への無反省ぶりをあらわにしていますが、政府・電力会社が東日本大震災を想定できなかった事実は永久に消えません。
1万人の声を黙殺
政府が再稼働を決定する直前の15日には、再稼働に反対する市民1万1千人が首相官邸を包囲し、怒りの声を上げましたが、大手マスコミは徹底して黙殺。記者クラブが官邸の目と鼻の先にあるにも関わらずです。一方、CNN、BBCなど海外のメディアは大きく報じましたが、国内で報じたのは日本共産党の「しんぶん赤旗」だけでした。
16万人の苦難忘れるな
利権に巣くう勢力の強固さは相変わらずですが、私たちはいまだに避難を余儀なくされている16万人もの福島県民の苦しみを忘れるわけにはいきません。「原発ゼロ」をめざす運動はこれからが正念場です。
橋下市長の「市政改革プラン」に怒る市民大集合
2012/06/26
中山徹教授の訴えに拍手で応える参加者(6月15日、市立中央公会堂で)
高齢者の生きがいバッサリ
大型開発を進める橋下市政
橋下徹大阪市長の生活・地域破壊を許すなと、「橋下市長の『市政改革プラン』に怒る市民大集合」(実行委主催)が6月15日に北区・中央公会堂で開かれ、1200人を超える参加者が集まりました。
「一番近い商店街まで1.2キロあります。往復1時間20分、暑い日、寒い日、この距離を歩くのはとても辛いことなんです。ですから7年前、赤バスが通るようになった時はうれしかった」──リレートークに手押し車を押して登壇した石井ひさ子さん(86)が「食べるだけが人間ではありません。外へ出て人や自然とふれあい心がいきいきと動く、それが“生きる”ということなんです」「赤バスは私たちの命綱、どんなことがあっても残したい」と声を振り絞って訴えると参加者は大きな拍手で応えました。
講演を行なった奈良女子大学・中山徹教授は、「要するに、大型開発を進めるために大阪都をつくる、福祉や生活や医療はすべて市に丸投げする、市は当然それを支えられないから民間に放り出していく、そういった政治の仕組みをつくるところに大阪都構想の大きな眼目がある」と論じ、「維新の会が全国的な政党になる前に、大阪の皆さんの力で野望をくい止めていただきたい」と訴えました。
JAL不当解雇撤回闘争
2012/06/15
控訴審勝利めざし宣伝行動
組合排除は安全切り捨て
日本航空が2010年末に強行した不当解雇(運航乗務員81人、客室乗務員84人)の撤回をめざす「大阪支援共闘会議」は6月5日夕、「“首切り自由”を後押しした一審東京地裁判決をはねかえそう」と、難波・高島屋前で宣伝行動を展開。「安心して働ける社会、安心して利用できるJALめざして控訴審でたたかう」として道行く人々に支援を訴えました。全体で50余人、大阪地連からは9人が参加しました。
マイクで支援を訴えた原告団の西岡ひとみ氏は「日航が破綻したのは、国による歪んだ航空行政と日航自身の放漫経営が原因。日航は日米貿易摩擦を解消する国策のためにボーイング社からジャンボ機を過剰に購入した。そして、役員のために天下り先としてグループ会社を250社もつくった。このような経営をしておきながら誰一人責任をとることもなく、放漫経営の内容を世間に知らせることもなく、破綻したからといって末端の労働者165人の首を切って全てを終わらせようとしている」と指弾し、「このような解雇がまかり通れば、経営再建や企業再編を理由にした首切りが日本中で起きてしまう」と警鐘を鳴らしました。
立ったまま着陸2度も
同原告団の小森啓子事務局次長は「昨年、客室乗務員が立ったまま着陸するという前代未聞の事例が2回起きた。稲盛会長の“利益なくして安全なし”の号令のもと、モノが言えない、休めない会社になっている」と指摘するとともに、「解雇された客室乗務員84人のうち、75人は会社におかしいことはおかしいとモノをいう、たたかう組合員であり、これはまさしく組合つぶしだ。なのに裁判長は“たまたまだった”と言い切った。本当に納得がいかない」と語気を強め、控訴審勝利に向けての支援を訴えました。
大阪支援共闘会議が伊丹空港で宣伝行動
2012/06/05
更正計画を口実に165人を不当解雇した日本航空
真の狙いは組合つぶし
「日本航空の不当解雇撤回をめざす大阪支援共闘会議」は5月24日、伊丹空港で宣伝行動に取り組み、原告や支援者ら45人が参加。大阪地連からは豊中タクシー労組を中心に7人が参加して、控訴審での逆転勝利に向けて航空利用者に支援・協力を訴えました。
日本航空で解雇されたパイロット76人、客室乗務員72人が訴えていた2つの裁判で、東京地裁は3月29日と30日、両裁判ともに原告の証拠を一切採用せず、会社側の主張をうのみにする不当判決を出しました。
稲盛会長に助け舟
日航の稲盛会長が公判で「会社の収益状況からいけば、誰が考えても雇用を続けることは不可能ではなかった」と証言し、解雇の不当性が明らかになったにもかかわらず、パイロット裁判の渡邊裁判長は稲盛発言を黙殺、客乗裁判の白石裁判長は「主観的心情を吐露したに過ぎない」と助け舟を出すありさまでした。
2つの判決は「整理解雇4要件を適用する」としながら、実際には更正計画を理由にしてまともな検証をせず、4要件(解雇の必要性、回避努力、人選基準の合理性、手続きの妥当性)を有名無実化する内容となっています。
安全切り捨てるな
さらに両判決は、安全問題についての原告の主張をことごとく否定。「パイロットには年齢と知識・経験に相関関係がない」「国家ライセンスがあれば運行業務に従事することができる」としてベテラン排除は安全確保の上で脅威にならない、根拠がないと結論づけています。
宣伝行動でマイクを握った原告は「必要がないのに解雇したのは、ベテラン乗務員の中に労働組合の委員長や議長など多くの役員がいたことから、彼らを排除する狙いがあったからです。安全問題で正面からモノを言ってきた組合役員やベテランの大量解雇は、不当労働行為であるだけでなく、安全を切り捨てることにほかなりません」と訴えました。