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2014年06月の記事
JAL不当解雇撤回闘争 東京高裁が原告控訴棄却
2014/06/25
最高裁逆転勝利へ向けてガンバロー三唱する大阪支援共闘のなかま
証拠無視「汚い判決」
2010年末に165人を不当解雇した日本航空に対して、労働者が解雇撤回・原職復帰を求めた裁判で、東京高裁は原告の控訴を棄却。解雇を認めた東京地裁判決を維持する不当判決を出しました(客室乗務員=6月3日・大竹たかし裁判長、パイロット=同5日・三輪和雄裁判長)。同19日には「JALの不当解雇撤回をめざす大阪支援共闘会議」が国労大阪会館で第4回総会を開き、原告が「最高裁に上告し、不当解雇撤回と職場復帰を勝ち取るまでたたかい抜く」と決意表明しました。
一審・東京地裁の不当判決(2012年3月)を受けてただちに控訴した原告側は、東京高裁で徹底的に反撃・追及。全国25万筆の「公正な判決を求める要請」署名、1万5千通の「証人採用要請」ハガキの力を得て、原告が必要とする証人尋問、本人尋問、本人意見陳述の機会を確保し、解雇の違法を裏づける決定的な事実を証明しましたが、判決はそれを完全に無視し、会社側の主張のみを採用しました。
削減目標未達成はウソ
控訴審では、一審判決後に原告側が入手した会社の内部資料から、更生計画上の人員削減目標が解雇時点でパイロットは110人、客室乗務員は78人も超過達成していたことが判明。「人員削減目標を達成するために解雇した」という会社側の主張に根拠がないことが証明されました。しかも会社側はこれを争う反対証拠を提出せず、具体的な人数をあげて反論することもありませんでした。
このような場合、裁判長は会社側に反対証拠を提出させた上で、どちらの証拠が優越するかを判断するのが訴訟手続きのルールですが、裁判長は会社側に証拠提出を命じませんでした。
そして判決は原告側証明について「数値などの正確性において、疑問がある」、会社側が当初示した人員削減目標は「確定数値ということはできない」などと勝手に決めつけて解雇を有効としました。
信義則違反の末に解雇
また控訴審では、会社が組合にワークシェアや一時帰休による解雇回避を約束しておきながら、それを破って組合の解雇回避策の提案を一切拒否したこと、標的とした組合員に無期限の自宅待機を命じたことなど、更生手続き開始〜解雇までの間に会社側の信義則違反・不当労働行為が連鎖・集中していた事実を原告側が具体的に証明。これらについても会社からの反論・反対証拠提出はありませんでした。しかし判決はこれらを直視せず、「整理解雇の手続きの相当性を否定するに足りる事情はない」としました。
控訴審判決の問題点について報告した弁護団長・上条貞夫氏は「判決は、訴訟手続きのルールを無視して大企業の前にひれ伏した」「私たちが証明した事実に一言も触れていない、汚い判決」と指弾。「日航はこの解雇が世間で騒がれるのを恐れている。私たちは声を大にして追い詰めていく」と話しました。
大阪労連が大阪労働局・大阪地方最賃審に要請
2014/06/25
大阪労働局に最低賃金額大幅引き上げを要請する大阪労連のなかま(6月17日)
最低賃金大幅引き上げで格差是正・貧困撲滅を
法改正で全国・全産業一律に
最賃審議会は全面公開すべき
「格差と貧困をなくし大阪の景気を回復していくためにも最低賃金の大幅引き上げを」─大阪労連は6月17日、大阪労働局・大阪地方最低賃金審議会に「最低賃金の時間額1400円以上への引き上げと全国一律最低賃金の法制化」を要請しました。
要請行動に大阪労連からは川辺議長ら24人(自交総連大阪地連=松下書記次長)が参加。大阪労働局は谷本賃金課長、房本監査監督官ら4人が対応しました。
組合側は「昨年、大阪府最低賃金は819円になったが1日8時間・週40時間働いても月額13万1040円、年収157万2480円では暮らしていけない。欧米諸国ではのきなみ時給1000円以上に引き上げることを経済政策の柱にすえている」と指摘、「大阪府最低賃金を時間額1400円以上、日額11200円以上、月額20万円以上に引き上げること」「最低賃金法を改正して全国・全産業一律の最低賃金制を確立すること」などを要請。局側は「皆さんの切実な要望は大阪地方最低賃金審議会会長に伝える」「法改正の要望については本省に上申する」などと回答しました。
最低賃金審議会の労働者委員に全労連・大阪労連から選任されていない問題について組合側は、「労働委員会には全労連からも選任されている。最賃審に選任されない理由の明確な説明がない」と指摘。経営者委員の選出についても「タクシー事業に最賃を適用しないよう訴えている当事者を委員に選任するのは問題がある」と追及しました。
さらに組合側は、審議を全面公開している和歌山地方最賃審の事例を紹介し、大阪地方最賃審でも全面公開するよう迫りました。局側は非公開が「委員の意向を踏まえて」のことであるとして、「“傍聴と公開性に関する強い要望が大阪労連からある”ということは審議会会長に伝える」としました。
戦争への暴走STOP!! 御堂筋パレード
2014/06/06
裏口突破は許さない
法的根拠もなく自分の“お友達”で固めた安保法制懇報告に基づいて憲法解釈を変更、戦争する国づくりをもくろむ安倍政権。6月1日、集団的自衛権行使容認に反対する市民・労働者1200人が御堂筋をパレードし、「憲法9条を守れ!」とアピールしました。
主催は大阪憲法会議、大阪弁護士9条の会など平和憲法改悪に反対する9団体の実行委員会。
パレードに先立ち、出発点の中之島公園・女神像前広場で集会が開かれました。「とめよう改憲!大阪ネットワーク」の中北龍太郎代表が基調報告を行ない、「集団的自衛権の本質は、海外での戦争、そしてアメリカのための武力行使そのもの。もし行使が認められれば自衛隊はイラク戦争のような戦争に米軍とともに戦うことになる。自衛隊員が他の国の人を殺し、自らも血を流すことになっていく。戦争する国に向かう危険な動きを私たちの運動で止めよう」と呼びかけました。
この動きおかしい
国民をないがしろ
続けてスピーチに立った大阪弁護士会・石田法子会長は「憲法は国民から政府に縛りをかける注文書のようなもの。だから憲法改正手続きは厳格に定められている。それを無視して変えてしまうのは国民をないがしろにしている。憲法改正を正面から突破するのが無理とみて裏口から変えてしまおうという動きは危険だ」と指摘し、「“この動きはおかしい”という国民の気持ちを集めて大きな声にしていくことがいま大事なこと」と訴えました。
パレードでは右翼の街宣車が妨害に現れる一幕がありましたが、参加者は毅然と「安倍首相の解釈で、世界の宝9条をつぶすな!」「秘密保護法をなくそう!」とシュプレヒコールの声を張り上げました。
オレンジコープ闘争 大阪府労働委員会 笠原優理事長ら断罪
2014/06/06
「解雇無効」松尾委員長らを職場に戻せ
生協労連・オレンジコープ労組(松尾 修委員長)の組合結成を嫌悪した泉南生活協同組合(オレンジコープ)の笠原 優理事長らによる不当労働行為事件で、大阪府労働委員会は5月27日、オレンジコープ労組組合員らの解雇無効と、その間に得られたであろう賃金の支払いを命じる全面勝利の命令書(別掲)を交付しました。
大阪府労働委員会(播磨政明会長)は27日午前、オレンジコープ労組の主張を全面的に認め、笠原理事長にたいし、*労働組合法第7条第1号及び第3号に該当する不当労働行為を認定し、オレンジコープ労働組合及び生協労連関西地方連合会(宮澤寛執行委員長)に不当労働行為を繰り返さないとした書面の手交と、労組組合員の解雇無効・賃金の支払いを命じました。
この一報は、まさに泉南生活協同組合(オレンジコープ)が大阪府南部のあいぴあ泉南(泉南市)で、総代会(会社で言えば株主総会)を開催する直前に入り、松尾委員長ら原告が支援者各人にお礼を述べ歓喜の声が上がりました。
残業未払い勝利和解
原告、支援者ら40人は会場前で二手に分かれ横断幕やハンドマイクで総代会に出席する代議員らにたいし、「府労委命令」を告発し争議の全面解決を促すよう求めました。また市内各所では宣伝カー2台で、同様に市民にアピールしました。
現在、オレンジコープ闘争は大阪地裁堺支部で、地位確認と損害賠償請求が争われています。同コープでは、三六協定も結ばず残業をさせ、その賃金を支払わない労基法違反も判明し、この件についてはオレンジコープ労組の全面勝利の和解で決着しました。
府労委の命令書は、52Pにも及び笠原理事長ら理事会の組合嫌悪を詳細に明示しながら判示。また同理事長が主張した「整理解雇」も排して不当労働行為性を認定しています。
不当解雇は許さない
自交総連大阪地連加盟のなみはや交通労働組合の事件も、内容は若干異なりますが、組合結成を嫌悪したその後のやり方(解雇)は類似したものがあります。大阪地連は、なみはや闘争もオレンジ闘争も全面解決するまで支援を続けます。
*労働組合法第7条第1号(労働者が労働組合の組合員であること、労働組合に加入し、若しくはこれを結成しようとしたこと若しくは労働組合の正当な行為をしたことの故をもって、その労働者を解雇し、その他これに対して不利益な取扱いをすること)及び第3号(労働者が労働組合を結成し、若しくは運営することを支配し、若しくはこれに介入すること)。