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2009年07月の記事

「府税の民間委託を考える」府民大学習会
2009/07/27

「府税の民間委託を考える」府民大学習会 市場化テストの問題点を講義する城塚弁護士

府民のくらし破壊する公務市場化


 大阪府は、「官から民へ」「民間でできることは民間で」という橋下知事のもと、府の仕事を次々と民間に開放し、個人情報の漏洩や官製ワーキングプアの増大など問題が続出しています。7月15日に大阪市中央区内で開かれた「府民大学習会」(実行委員会主催)では、民間委託の背景と本質を学習しました。

儲け第一の民間企業に公務任せられない


 大阪府は「公共サービスの質の向上と効率化を実現する」として、「大阪版市場化テスト(民間競争入札)」を実施。7月21日まで税務や水道、図書館など7業務を対象に、その担い手を募集しています。

 3月末には自動車税のコールセンター業務の委託先をNTTマーケティングアクトに決定し、同社は5月から業務を開始。8月からは未納者に対する催告業務も行う予定です。業務委託にあたって府は250万台の自動車登録情報を同社に提供しており、個人情報の漏洩が危惧されています。

 また、同社のオペレーター募集は、時給810円からと、不安定雇用で働かされ、守秘義務が守られるのか疑問です。

 「“公務の市場化”は府民に何をもたらすか」と題して講義を行なった大阪法律事務所の城塚健之弁護士は市場化テストについて「結局、破綻した新自由主義そのもの。官製ワーキングプアを作り出すものでしかない」と批判しました。

 そして市場原理主義のもとでは「“安くて良質の”サービスなどありえない。購買力のない住民は最低のサービスに甘んじなければならない」「住民は企業秘密に立ち入ることができない。企業が得た利益は社会に還元されず、株主への配当など私的な利益に消えてしまう」「民間企業は営利主義だから、儲からない事業からは迅速に撤退する。住民に対して無責任」と指摘しました。

 また、税務を民間に委託することで起こる問題として「個人情報の漏洩」のほか、成果主義の企業が納税者の生活実態を無視して、強権・高圧的徴収を行う危険性なども指摘しました。

公共サービス担うのは“人”

 そのうえで城塚氏は「人権保障・セーフティネットの領域では、公務員が高い専門性を発揮しないと無理」「公共サービスを担うのは“人”ですが、公務の専門性は労働市場には存在しません。公務の中で時間をかけて“人”を育てる必要がありますし、そのためにはコストもかかります」と説きました。

 最後に「新自由主義が破綻し、構造改革への批判が高まる中、橋下知事は公務員を叩いて自治体の解体を推進しています」と指摘し、「現場の労働者が日頃からどんな思いで、どんな仕事をしているのか、公務の意義を住民に知らせて共有していく努力が必要です」と締めくくりました。

世界も大きく動き出す 核兵器廃絶へ
2009/07/15

世界も大きく動き出す 核兵器廃絶へ 池田副委員長(左)の指揮の下、住之江区役所を元気よく出発する国民平和大行進(4日、午前8時40分)

思いはひとつノーモア被爆者


 5月6日に夢の島(都内)を出発した2009年平和大行進が6月30日に奈良から大阪入りし、幹線・網の目コースなど府内各所で引き継がれています。
 世界で拡がる「核兵器なくせ」の声を、より大きくするために大阪地連(岡田紀一郎委員長)も7月4日午前、住之江区役所前から四天王寺西門前までの約7キロの幹線コースを西地協のなかま80人(総勢130人)が、元気よく歩きシュプレヒコールで市民にアピールしました。


 1945年8月、アメリカによる非人道的破壊兵器の原子爆弾によって生み出された惨禍を二度と繰り返さないために、「核兵器なくせ」の声を全国から結集し、ヒロシマ、ナガサキから世界に発信する国民的大運動が今年も行われます。大阪地連も代表団を編成しナガサキ大会に参加します。

 4日、住之江区役所で行われた出発集会では、大宝労組の秋山書記長が司会を務め、主催者を代表し岡田委員長があいさつしました。

 同氏は「平和行進も今年で52回目になります。5月6日に東京を出発し全国で10万人が参加する平和行進、平和への思いをつないで大阪入りしています。今年、広島、長崎に原爆を投下したアメリカの大統領として初めてオバマ大統領がプラハで、『核兵器のない世界をめざす』と公言するなど世界が大きく動き出しています」と情勢を語り、成功に向けがんばろうとなかまに呼びかけました。

 また、大阪市会議員のあだち(日本共産党)氏も「先月、核兵器廃絶の意見書が全会一致で可決された」と運動の前進を報告しました。

09春闘共闘・大阪労連 「09争議支援総行動」
2009/07/06

09春闘共闘・大阪労連 「09争議支援総行動」 支援を訴える全港湾阪神支部の近畿高速郵便輸送分会・大阪エアメール分会のなかま

許さないぞ!!日本郵政
計画的な“組合つぶし”


 09春闘共闘委員会と大阪労連(川辺和宏議長)は6月24日、大阪府内で労働争議をかかえる企業や背景資本に対する抗議・要請行動を「09争議支援総行動」として終日取り組み、大阪地連のなかまも怒りの声をあげました。

 今回、行動の「スタート集会」が行われたのは日本郵政グループ大阪ビル(大阪市中央区)前。全港湾阪神支部の近畿高速郵便輸送・大阪エアメール両分会の争議支援として行われました。

近畿高速郵便輸送と大阪エアメールは旧郵政省の時代からの専属的下請け会社でしたが、郵政民営化後、郵便事業会社からコスト削減・効率化を名目に業務委託関係を打ち切られました。その結果、両社は昨年6月30日に解散、従業員の全員解雇を強行しました。

 両社とも役員は郵政からの天下りで、業務委託関係解消の通告を受けた後も会社存続のための施策を一切講じてこなかったうえ、再就職のあっせんも全く行いませんでした。郵便事業会社は団交申し入れを拒否しています。

 集会であいさつに立った大阪エアメール分会の河野(かわの)分会長は「郵便事業会社が、刺客として送り込んだ社長に会社を計画的に解散させたのです。全港湾の組合員を会社もろとも排除しにきたことは明白です。私たちは郵政天下り役員が行った暴挙と郵政当局を絶対許すことなく、1日も早い職場復帰をめざし、一同団結してたたかいます」と決意表明し、支援を訴えました。

 「総行動」は続いて、郵政大阪ビル西向かいの大林ビル前に移動し、東京海上日動火災保険に対する抗議要請行動を行った後、3班に分かれて争議を抱えている企業や法人、背景資本に対する抗議・要請行動、裁判傍聴に取り組みました。

安保廃棄6・23大阪集会
2009/07/06

安保廃棄6・23大阪集会 集会の最後にシュプレヒコールで「日本を戦争する国にするな!」と拳を突き上げる大阪地連のなかま(6月23日、大阪市北区の扇町公園で)

総選挙で変えよう“アメリカ言いなり”


 6月23日、安保廃棄・諸要求貫徹大阪実行委員会(大阪安保)が『グアム新基地協定反対!米軍再編・基地強化、憲法改悪・派兵恒久法許すな!平和と暮らしを守ろう!安保廃棄6・23大阪集会』を扇町公園(大阪市北区)で開き、1600人が参加。大阪地連のなかまも「アメリカ言いなり政治をやめよ!」と拳を突き上げました。

 「6月23日」は、太平洋戦争の沖縄戦で日本側の組織的抵抗が終わった日(沖縄慰霊の日)であると同時に、1960年に現行の日米安保条約が発効した日でもあります。同条約は来年の「6月23日」には50周年を迎えます。

 主催者代表あいさつで大阪労連の川辺議長は、「日米軍事同盟の圧力で自衛隊のソマリア派兵が強行された。海外派兵恒久法につながる海賊対処法案も19日に再可決され、憲法違反の自衛隊海外派兵が既成事実化されている。全国に134の米軍基地があり、巨額の思いやり予算が大きな問題になっている」「アメリカのばくち経済の破綻が日本経済に波及し、多くの国民が貧困状態におかれているのに、政府や大企業は国民を守る立場ではなく、アメリカを救済するための本末転倒な政治を進めている」「政治・経済・軍事・外交などあらゆる分野で“アメリカ言いなり”をやめさせて日本の社会を大きく変えるためにも、総選挙では全力で奮闘しよう」と呼びかけました。

安保を問い、学び、告発するたたかい

 「安保50年」に向けての行動提起を行なった大阪安保の竹馬(ちくま)事務局長は「安保を問い、学び、告発するたたかいを本気になって取り組もう。50年で安保はどう変わったのか、60年安保闘争とはどんなたたかいだったのか、世界の激動の中で日本が進むべき道を改めて学び直そう。安保は軍事基地の問題だけではなく、くらしにも直結している。各団体が取り組んでいる問題と安保との関係をきちっとつかみ直そう」とちからを込めました。

 集会では「“安保廃棄、対等平等・平和友好の日米関係をつくろう”という声を国民多数派にする運動を、粘り強く展開しよう」とする集会宣言を満場の拍手で採択。閉会後、参加者はデモ行進に出発し、「軍事費を削ってくらしにまわせ!」などとシュプレヒコールに声を張りあげました。