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2010年08月の記事
原水爆禁止2010年 世界大会―広島
2010/08/27
私たちの運動で核抑止力論打ち破ろう
原水爆禁止2010年世界大会―広島が8月4〜6日に広島市を中心に開かれ、開会総会には7400人、閉会総会には8000人が国内外から参加。大阪地連からは岡田委員長をはじめとする14人の代表団が両総会のほか「原爆遺構・碑めぐり」や「基地調査行動」に奮闘しました。
6日午前に同市の平和記念公園で営まれた「平和祈念式典」には、潘基文(パン・ギムン)国連事務総長が国連のトップとして初参加し、同大会にも「皆さんの努力が世界的な核兵器廃絶支持の大きな流れをつくった」とのメッセージを寄せるなど、運動が新たな段階に入っていることを感じさせましたが、菅首相が記者会見で「核抑止力は必要」と発言するなど、私たちの運動の役割はますます重要になっています。
原水爆禁止2010年世界大会―広島 「基地調査行動」
2010/08/27
ヒロシマを取り囲み世界に槍向ける日米の軍事基地
自交総連大阪地連・代表団長 岡田紀一郎
原水爆禁止2010年世界大会2日目の5日、大阪地連の参加者(12人)は、動く分科会「岩国・呉基地調査行動」に参加しました。岩国基地到着までの間、車中で地元の原水協の方より基地について説明をうけました。
岩国基地は、1938年に旧海軍が航空基地を建設したことに始まります。終戦後は占領軍に接収され1962年からは米海兵隊航空基地にされています。海兵隊とは「銃剣から核兵器搭載機能を持つ航空機に至る」戦闘能力を備えた強襲揚陸部隊です。今日では海上自衛隊と共同と言うより一体化され基地を運用しています。
基地に到着後、滑走路先端の見学スポットまで移動します。いきなり「EP‐3電子戦データー収集機」が離陸していきます。その後、ヘリコプターも交えて10分間隔で離発着訓練を繰り返します。突然の爆音と共に「FA18ホーネット戦闘機」が離陸してきました。離陸速度が速いためか、瞬間的に爆音が大きくなりました。普天間基地のニュースに出てくる滑走路の「バッファーゾーン(緩衝地帯)」あたるとみられます。沖縄の方はこのような所に住んでいるのかと思いました。
驚いたのは、基地から4`沖合までの水域は米軍への提供区域であり、許可なく進入すれば処罰されます。外国の海です。
その後、岩国港より高速艇にて海上自衛隊呉基地に向かいました。海自の基地は全国に11箇所あり、保有艦艇は149隻その内、呉基地へは51隻が配備され群を抜いています。これは、呉港の海自が活用出来る港湾の水域が広いことが影響しています。
また、一般に海自の基地は、艦艇として護衛艦、潜水艦、掃海艇の3艦種を保有しているのが本格的基地とされていますがこの条件を充たしているのは横須賀と呉だけです。
海域に目を向けると広島湾内は、海外殴り込み部隊の訓練場となっており呉基地の艦艇や空自岩国基地の航空機よる掃海、哨戒を中心にした戦争訓練が日常的に行われいます。
ヒロシマは、ナガサキと共に「核兵器と人類は共存できない」「核戦争阻止、核兵器廃絶、被爆者援護・連帯」の声を世界に発信する拠点です。しかし、これに挑戦するようにヒロシマを取り囲む日米の軍事基地群が存在し、アジア、太平洋地域はもとより、世界に「槍」を向けています。
波穏やかな海に島々が点在する美しい瀬戸内海は、異常なほどに危険な地域となっていることを痛感しました。
大阪労連 労働安全衛生対策部会・学習会
2010/08/05
職場で急増メンタルヘルス
「職場では、“こころの病”の人はいませんか?」「忙しくて“労働安全活動は後回し”になっていませんか?」──大阪労連の労働安全衛生対策部会(以下、労安部会)は7月30日、初めての取り組みとして「学習会」を開き、公務・民間のなかまがメンタルヘルスに関する職場での問題点・取り組みを交流しました。
職場の民主化と結合させて労安活動強化
たたかいなくして安全なし 安全なくして労働なし
予防していく立場で
労安部会の前田部会長は主催者あいさつで、労働問題研究家・熊沢誠氏の著書「働きすぎに斃(たお)れて」(岩波書店)の中から「過労死・過労自殺を労災として認知させて、社会問題として浮上させてきたのは労働行政でも労働組合でもなかった。それを担ってきたのは遺族の人たちと、無念の思いを受け止めた弁護士だった」との記述を紹介し、労働組合が職場の問題として労安活動に取り組んでいくことが、いまの各職場状況からも必要に迫られている、と訴えました。
また「労働組合が(労働者の健康悪化を)予防していく立場で、正面から取り組む状況になりきれていない」と指摘し、雇用、職場人員、パワハラを含む人間関係、職場民主化などの問題と結合させながら労安問題を重視していかなければならない、と述べました。
定期連絡が重圧に
続けて5つの産別が「職場の実情」を報告し、
「メンタル不全による長期休職が2000年以降急増している。一度発症した人は復職しても再発してしまう傾向にある」「長期休職者への定期的な聞き取りを行なっているが、一方で定期的に連絡がくることが“仕事に戻らなければ”というプレッシャーになって回復せず、退職していく事例もある」(生協労連)
「福祉の現場では介護保険の導入や障害者自立支援法など制度改悪によって、保育の現場では自治体独自の補助金削減なども影響し賃金・労働条件が大幅に低下している。非正規労働者が半数を占め、常勤なみの仕事をこなしている」「福祉現場では制度の制約によって業務が細分化、事務量も増大し、職員の責任や負担が過重になっている。燃え尽きる前に希望を失い、やめてしまう人も少なくない」(福祉保育労)
「荒れている学校では、教師は生徒から罵声を浴び続け精神的に疲弊している。部活が終わり生徒が帰宅してから採点・添削や翌日の準備を行うが、家庭に問題がある生徒は夜7時になっても帰ろうとはしない」「土日の部活では手当が4時間で2800円、6時間以上で3700円。1週間ぶっ通しで働いているのに“朝7時集合、夕方5時解散”の手当が3700円だ。長時間過密労働、低賃金でヘトヘトになっている」(堺教組)などとメンタルヘルスをめぐるリアルな状況、過酷な労働実態が報告されました。
継続的な学習活動・相談体制づくりで一次予防を
ダムに水を貯めて
「労働安全衛生活動をどう進めるか」について講義した化学一般・堀谷委員長は、「職場で誰かが、こころの病を発症した後では個別に対策をとっても解決は難しい。“気づき”による一次予防が大事」として、メンタルヘルスについての学習会を何回も繰り返し開催することや、相談できる体制づくりの重要性を強調しました。
こころの病を発症した場合の対応について「復帰にはうまくいっても3か月はかかる。治療はダムに水を貯めるようなもの。水が充分に貯まったら励ましてもよい」「初期の段階では本人への連絡窓口を一本化すること。いろんな人から連絡が入るとプレッシャーになる。業務連絡は避け、業務上のトラブルは絶対に報告してはいけない」などと注意点を解説。
また、職場での心の健康の位置づけを明確にするために「こころの病が発生した場合は、当該者の支援や職場の改善に努め、再発を防止する」ことなどを盛り込んだ「こころの病に関する予防協約書」を会社と締結することや、会社が私病扱いしないように発症後はすぐ労働実態を調査する必要性も説き、その際には本人ではなく周りの人に訊ねるべき、と強調しました。
大阪労連7・27大阪労働局前ハンガーストライキ
2010/08/05
「地域労組おおさか」のある組合員の1週間の食事。炭水化物が中心で栄養バランスは二の次(7月27日)
最賃762円の生活
あまりの酷さに涙
「全国一律の最低賃金、時給1000円以上」の実現をめざす大阪労連は7月27日、大阪地方最低賃金審議会が大阪合同庁舎2号館(大阪市中央区)9で開かれるのに合わせ、同庁舎前で「1000分ハンガー(絶食)ストライキ」および座り込み行動に取り組み、約40人が参加しました。
午前10時から開かれた「大阪地方最低賃金審議会」では、大阪教職員組合・副委員長の小豆島悦子氏ら3人が意見陳述しました。
今年3月まで小学校の養護教諭として勤務していた小豆島氏は、問題行動の多い子どもや児童虐待の背景に「親の働かされ方」や「働いても抜け出せない貧困」の問題がある、として小学生3人をひとりで育てるためトリプルワークをこなしていた母親の事例を紹介。この母親はうつ病を患い、3人の子どもは食事や洗濯などの世話をしてもらえないネグレクト(養育放棄)状態にあったため、現在では生活保護を受けています。
小豆島氏は、この母親が生活保護支給額を働いて得ようとすると、最賃が現行の762円では1日14時間働かなければならず、最賃1000円でも11時間労働、大阪労連が掲げる大阪府の最賃1400円でやっと8時間労働が実現できると指摘し、「健康で文化的な最低限度の生活」を保障するための最賃大幅引き上げを訴えました。
おかずをあと一品
今回のハンストの「1000分」は最賃目標額の「1000円」にちなんだものです。
なかまがハンスト・座り込みに取り組んだ合同庁舎前には1卓のテーブルが据え置かれ、「地域労組おおさか」のある組合員の1週間分の食事メニューが並べられました。この人は登録ヘルパーとして働く30代の女性で、賃金は最賃なみの月収12万円です。メニューの内容はすべての曜日で「朝食ぬき」、ほとんど麺類やパンなど炭水化物ばかりで、「おかず」らしきものがほとんどありません。訪問先でお年寄りの食事を作りながら、お金も時間もないため自分は殺伐とした食事で我慢しているのです。
リレートークに参加した同労組代表は、この組合員について、ヘルパーになる前は派遣として働いたり、全然職に就けない時代もあったといい、「ヘルパーになってからは収入が安定して、利用者からも喜んでもらえてずいぶん充実した生活になったと思っていたのに、今回の生活証言行動で1か月を振り返ってみて、あまりのひどさに涙が出てきた」との本人の感想を紹介。「格差をなくしてみんなが幸せに暮らせる社会を皆さんといっしょにめざしていきたい」と力を込めました。
最後にあいさつした大阪労連・続(つづき)副議長は、「例えば、最賃に100円上乗せされたとして、私たちはそれを何に使うのか。せいぜい“おかず”一品が増えるだけで、貯蓄に回ることもない。労働者・国民の懐を暖めることで得られる経済波及効果は大きい。最賃、労働者派遣法、公契約の問題が賃金底上げに大きく関わっている」と述べ、私たちの今後の奮闘を呼び掛けました。
原水禁2010年世界大会・広島 大阪地連代表団結団式
2010/08/05
職場の運動に活きる3日間にしよう
核兵器廃絶めざし草の根の運動強化
大阪地連は8月2日、原水爆禁止2010年世界大会・広島に派遣する代表団の結団式を自交会館で行い、同代表団から9人が出席。原水爆禁止大阪府協議会(大阪原水協)の玉垣事務局長が核兵器をめぐる情勢や、今大会の意義について講義しました。
今回、代表団長を務める大阪地連・岡田委員長は「私自身組合運動に携わるようになって30年近くになりますが、世界大会には26年前に1度参加して以来なので、身の引き締まる思いです。皆さんはこれから貴重な体験をされることになりますが、“3日間世界大会に行った”ということだけに終わらせないでもらいたい。活きた体験、学習した知識を職場に持ち帰って、引き続き核兵器廃絶・平和運動の糧にしていただきたい」とあいさつしました。
続けて講義を行なった玉垣氏は今大会の意義について、「核兵器廃絶をめざす全世界の運動を担い、進めてきた人々や政府代表が広く参加して、核兵器のない世界への次のステップについて討論する」「いま、世界を核兵器廃絶へと動かしているのは草の根のパワー。世界大会では、NPT再検討会議で決められた“核兵器のない世界を達成する”ことについて、運動の側からどう取り組んでいくか討議することになる」と解説しました。