HOME < ハンドルおおさか
ハンドルおおさか
ハイヤー・タクシー・観光バス労働者の新聞
月別バックナンバー
2011年08月の記事
原水爆禁止2011年世界大会‐長崎 大阪地連代表団も奮闘
2011/08/25
長崎市民会館体育館で開かれた開会総会と閉会総会は両日とも7800人が参加(写真は8月7日)
核廃絶の世論 世界に加速
「ノーモア・ヒロシマ!ノーモア・ナガサキ!ノーモア・フクシマ!」──原水爆禁止2011年世界大会-長崎(実行委員会主催)が8月7〜9日、同市内を中心に開かれ、大阪地連代表団の11人も総会や分科会で奮闘しました。
7日の開会総会で田上富久・長崎市長は「原発安全神話が日本人を思考停止にしてきたとすれば、核兵器でも“抑止力は有効”という神話が世界の人々を思考停止にさせている」と指摘。原発、核兵器の危険性を伝えていく必要性を訴えました。
日本共産党の志位和夫委員長は「核兵器廃絶をめざす運動」と「原発ゼロをめざす運動」には大きな接点がある、として「どんな形であれ核による被害者を出してはならないということだ」と強調。2つの運動がこの点で大きく連帯していくことの重要性を説きました。
9日の閉会総会では、東日本大震災の被災地である青森・岩手・宮城・福島・茨城の代表が揃って登壇。「原発の安全神話を振りまき、利益優先で進めてきた東電と政府に対し、事故の一刻も早い収束、すべての被災者への補償と賠償、原発依存から自然再生エネルギーへの転換を強く求める」(福島代表)などと述べると会場から大きな拍手がわき起こりました。
また、歌手のクミコさんは原爆症で亡くなった少女を歌った「INORI〜祈り〜」を熱唱。「1日1歩も難しい、でも1歩歩かないことには前に進まない。日本の復興、そしてこれからのことを私たちはみんなでがんばろう」とメッセージを語りました。
大会は最後に「秋の国連総会や次期NPT再検討プロセスを節目に、署名運動の巨大な波をつくり出しましょう」とする決議「長崎からのよびかけ」を満場の拍手で採択し、閉会しました。
大阪の公共工事・業務委託を考える集会
2011/08/05
安けりゃいいのか公共サービス
労働者の生活・仕事の質を守れ
「大阪の公共工事・業務委託を考える集会」が7月29日に大阪市中央区内で開かれ、「大阪府発注工事における入札・落札」「公共サービスの入札・委託契約」に関する事業者アンケートの結果が報告されました。
集会は、建設政策研究所関西支所・大阪自治体問題研究所・公契約法の実現をめざす大阪懇談会が共同で開き、7事業者を含む57人が参加しました。
公契約法の実現をめざす大阪懇談会・横山事務局長は主催者あいさつで、アンケート協力事業者への謝辞を述べるとともに、「すべて市場に任せればよいという考え方で入札制度や委託契約制度が変えられた結果、競争が激化して真面目な事業者が受注できなくなった。発注者(自治体)がもっとイニシアチブを取らなければならない」と指摘しました。
落札しても利益出ない
大阪府は公共工事の入札を行う際に最低制限価格を事前公表していますが、多くの業者が最低価格に張りつくため、くじ引きで落札業者を決めるケースが常態化しています。
アンケート結果によると昨年1回以上落札した会社の工事86件のうち、利益を得ることができたのは20件(23・3%)で、66件(76・7%)は利益が出ないか赤字でした。多くの事業者が最低制限価格引き上げを求めています。
「低い価格で受注した場合のコスト縮減方法は?」との設問(重複回答)で多かったのは「安い下請業者を選定」(60・4%)、「下請に価格協力を求める」(60・4%)など下請に低価格を転嫁する対策でした。
集会で建設政策研究所関西支所の報告者は、低価格の入・落札が繰り返される要因について「事業継続の生命線である受注を確保するためであり、低価格で受注してもその予算の範囲で下請する業者、就労者がいる。建設工事量の不足する現状において、価格・賃金より仕事確保が優先されている」と指摘しました。
このままでは業界崩壊
ある事業者はアンケートに「本来、公共施設とは、災害時の避難場所等に使われ、大変重要な施設である。このままでは、ダンピングの為、不適格な施設が乱立し、建設業界は崩壊する」と記述しています。
大阪労連・パート非常勤部会の長岡事務局長は閉会あいさつで「安ければ良いという入札が横行して、事業者は利益を確保できない、労働者は生活ができない、事業者も労働者もいい仕事がしたいのにサービスを維持できない実態が浮き彫りになった。安心・安全な大阪をつくっていくために労働者、事業者、行政、みんなで力を合わせて運動を作っていこう」と呼びかけました。
役員セミナープレ学習会
2011/08/05
こんな時だから仕方ない?
本質見抜いて声をあげよう
大阪労連・関西勤労者教育協会「第10回役員セミナー」実行委員会は7月27日、同セミナーの「プレ学習会」を国労大阪会館(大阪市北区)で開き、関西勤労協講師・槙野理啓(みちひろ)氏が講義を行いました。
まん延する自己責任論
『がんばると 言った人だけ 出るテレビ』
学習会で槙野氏は、ある新聞に岩手県から投稿された川柳を紹介し、東日本大震災をめぐる状況について「悲しみを表に出せない、文句なんか言えない、ワガママは許されない、こんな時だから仕方がないという雰囲気が『がんばろうニッポン』というスローガンのもとで作られている」「助けてもらわないとどうしようもない、という時のために国はあるはずなのに自己責任論がまん延している」と指摘。阪神淡路大震災の時と同様に被災者をなおざりにした復興計画が進められようとしている、と批判しました。
また、政府が提出した国家公務員賃金引き下げ法案(復興財源として3年間1割カット、見込額3千億円)について、同法施行→地方公務員や民間労働者も連鎖的に賃下げ→購買力が低下して国内総生産3兆円減→税収5400億円減→復興財源にならない、のにそれを強行しようとするのは「支配層が復興を人件費カットのチャンスと見ているから」と断じました。
団交権持つ労組の役割
槙野氏は労働組合に求められる役割について、「労働者が使用者に対して“おかしい”と思っても1人でそれを是正させるのは難しく、団体交渉権を持つ労働組合であればこそ、おかしいことを“おかしい”と言い切れる」「みんなの思いをまとめるために労働組合の存在は欠かせない」と強調。
そして「人間らしく働きたい、暮らしも仕事も守りたい、この国を何とかしたいという“思い”から出発することが大事。勝つ見込みがあるかどうかは問題ではなく、勝利の展望は自分たちで切り開く、これが労働組合の原点」「“おかしい”という声をあげない限り可能性は開けてこない。“こんな時だから仕方ない”“がんばろうニッポン、みんな我慢してるんだから”と黙っていては話は進まない」と力を込めました。
最後に「本質をしっかり見抜いて、それをみんなのものにしてたたかっていく必要がある。それが『第10回役員セミナー』(9月17・18日、奈良県社会教育センター)のメインテーマ」と話し、同セミナーへの積極的な参加を呼びかけました。