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ハンドルおおさか
ハイヤー・タクシー・観光バス労働者の新聞
月別バックナンバー
2017年09月の記事
本流逆流(9月25日付コラムより)
2017/09/26
いま、堺市長選挙が戦われ、自交総連は連日、泉北高速鉄道の深井駅や泉ヶ丘駅周辺でビラ宣伝を行なっているのだが、市民の反応は本当に分かり難く、ビラ自体受け取らない市民が少なくない。
「おおさか維新の会」を支持している人かと思っていたら、維新のビラも受け取らず、まったく関心がないようだ。「無関心」を広辞苑で引いてみると「心にかけないこと。興味をかけないこと」と書かれているのだが、堺市長選挙は堺市民にとって、生活に直結する問題なのに何故なのか。「政治不信」ということなのかも知れないが、「無関心は罪」で、権力者が喜ぶだけ。
少なくない有権者が「無関心」を続けた結果が、安倍政権の暴走を加速させてきた。森友学園や加計学園問題など、安倍首相は自分に近しい人間には、最大限有利に事が進むように、国の規制まで変えて配慮した。一方の森友問題も大阪維新の松井知事が同じように規制緩和をしていた。
この権力者たちの暴走はとどまるところを知らないかのように突き進んでいる。来月末、衆議院選挙が行われるようだが、本紙を読んでいただいている組合員・読者のみなさんが「無関心」でないことを切に望む。
安倍首相が森友・加計疑惑“追及逃れ解散”
2017/09/26
解散権も私物化
9月21日までの各報道によると、安倍首相が28日召集の臨時国会冒頭で衆議院の解散に踏み切り、総選挙が10月に行われる見通しが強まっています。
安倍首相夫妻による国家私物化が問われた森友問題や加計問題、南スーダンPKOの日報隠ぺい問題について、民進や共産など野党が6月22日に憲法53条※に基づいて臨時国会の召集を求めましたが与党は要求を放置。衆参計4日の閉会中審査が開かれましたがいずれも短時間で、稲田朋美元防衛相や加計学園の加計孝太郎理事長らの招致も与党は拒否。そして支持率が回復し、北朝鮮がミサイルを発射すると好機とばかりに今度は安倍氏の都合で国会を開いて解散する、まさしく解散権の私物化です。
ある自民党ベテラン議員は「“安倍の安倍による安倍のための解散”だ」と批判したといいます(日テレNEWS24)。18日に記者団から解散について問われた安倍首相は「いちいち答えることは差し控えさせていただきたい」と述べました。
私たちの手で退場を
安倍政権がこのような姿勢を取ったのは初めてではありません。2015年に野党が「安保法制の採決は無効だ」として説明と廃案を求めて臨時国会の召集を要求した時も首相の外遊などを理由に拒みました。
安倍首相は5月、憲法9条に自衛隊の存在を明記する改憲方針を打ち出しましたが、自民党は総選挙の公約にそれを盛り込むといいます(朝日20日付)。違憲立法の安保法制を正当化する“安倍改憲”を許せば日本は米国が起こす戦争に巻き込まれ、東日本大震災で献身的に人命救助にあたった自衛官が海外で殺し殺される事態を招きます。くらしや福祉のための国家予算はこれまで以上に軍需産業に奪われ、相手国やテロリストから報復されるリスクを負うことにもなります。
憲法は国民を縛るためのものではなく権力者を縛って暴走を防ぐためのものですが、憲法を守らない首相が改憲を主張するのは犯罪者が刑法改正を主張するようなものです。憲法違反に罰則はありません。私たち有権者が鉄槌を下さなければ立憲主義は機能しないのです。すべてにおいて大企業の利益が優先し、貧富の格差が際限なく拡がり、庶民・労働者は支配者にひれ伏し命を差し出す─日本をそんなブラック国家にしていいのか。総選挙で有権者が判断を誤れば、取り返しのつかない禍根を残すことになります。
※憲法53条=いずれかの議院の総議員の4分の1以上の要求があれば、内閣は、その召集を決定しなければならない。
大阪労連が第52回定期大会ひらく
2017/09/15
運動方針を確立し団結ガンバロー三唱で大会を締めくくる大阪労連のなかま(9月2日)
改憲阻止の正念場
大阪労連(川辺和宏議長)は9月2日、第52回定期大会を大阪市都島区で開き、「実質賃金の底上げを実現し、働き続けられるルールを確立する」「憲法をいかし、改憲と民主主義破壊を許さず、政治の民主的転換をめざす」などとする2018年度運動方針案を全会一致の賛成で採択しました。
川辺議長は大会あいさつで「安倍政権のもとで格差の拡大が進み、数十人の富裕層の資産が国民過半数の預貯金に匹敵する」「非正規雇用も増加の一途をたどり、個人請負などの名のもとに労働基本権保障が不十分な労働者もよりいっそう拡大されようとしている」と指摘。
さらに川辺氏は維新の会について、「一度示された民意を踏みにじり、再び大阪解体の住民投票を行おうとしている」「森友疑惑では安倍政権と同じく忖度(そんたく)政治の責任が問われる」と糾弾。「堺市長選挙(9月24日投票)や岸和田市長選挙(11月26日投票)を総力あげてたたかい、勝ち抜いて、“維新政治ノー”の流れをつくりあげなければならない」と訴えました。
国交省の不作為を指弾
討論に自交総連大阪地連からは松下書記次長が参加。軽井沢スキーツアーバス事故を受けて総務省行政評価局が国交省に貸切バスの安全対策強化を求めた「勧告」(7月28日付)を紹介し、「2010年にも同様の勧告が出されたが、12年に関越道で、14年に北陸道で、昨年は軽井沢で重大事故が起きた。勧告が軽視された結果だ」と国交省を指弾。また白タク合法化問題について「ライドシェアは労働者性を破壊し、タクシーにとどまらずバスやトラック産業にも確実に波及する」と警鐘を鳴らし、反対運動への協力を要請しました。
大会では2018年度役員選挙も行われ、同地連からは福井委員長が副議長に、庭和田書記長が幹事に選出されました。
泉佐野市職労の裁判闘争が和解成立
2017/09/05
勝利報告集会で支援の謝辞を述べる泉佐野市職労・昼馬正積委員長と同労組のなかま(8月4日)
維新型市長に勝利
なかまの支援実る
泉佐野市・千代松市長による不当労働行為とたたかってきた泉佐野市職員労働組合(泉佐野市職労、昼馬正積委員長)は6月23日、市側との和解に合意。市側が組合の主張を大筋で認める内容で、8月4日に同市内で開かれた「勝利報告集会」では同労組と支援のなかまが勝利を喜びあいました。
泉佐野市では、維新型の公務員・労働組合バッシングで市民に支持を訴求する千代松大耕市長が2011年4月に就任して以降、一方的な賃金カットをはじめ、長年無償で貸与してきた組合事務所の使用料徴収、組合費のチェックオフ手数料徴収、さらにはチェックオフ自体の中止を一方的に通告・強行するなど、攻撃を繰り返してきました。
大阪府労働委員会は組合からの救済申立て6件に対し、すべて不当労働行為と認定。中央労働委員会も市からの再審査申立をすべて棄却しましたが、千代松市長はそれらを不服として取消訴訟を提起。チェックオフ問題では大阪地裁→大阪高裁を経て最高裁で、組合事務所問題は東京地裁で、賃金カット問題は大阪地裁で係争が続いていました。
労使正常化へ第一歩
6月23日、組合と市は大阪地裁から示されていた和解案に合意。「チェックオフをすべての組合員に無償で再開する」「組合事務所をこれまでどおり無償で貸与する」「今後不当労働行為を行わない」「すべての訴訟を取り下げる」ことなどが盛り込まれ、組合の勝利和解といえる内容です。
同日に組合が発表した声明では「月一回の庁舎前宣伝をはじめ、(略)泉佐野市政をよくする市民連絡会による市民大宣伝や月一回の駅前宣伝を行ってきたことが、訴訟を取下げさせることにつながった」「私たちは引き続き市に対して、誠実に合意を履行し、労使関係の正常化を求めていく」としています。