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ハンドルおおさか
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2020年09月の記事
本流逆流(9月25日付コラムより)
2020/09/25
行政を私物化した「モリ・カケ・桜」問題につづき、コロナ禍での施策が後手に回り急速に支持率を低下させた安倍政権が終わった。
その後、覇権をめぐり自民党内の派閥争いの末、「安倍政権を継承していく」とした菅義偉(官房長官)氏が9月16日に第99代内閣総理大臣に選出され、新内閣が発足した。
新内閣の各大臣は、予想通り安倍政権時となんら代わり映えのしない顔が並んだが、菅総理は「改革をすすめる」として行政改革、規制改革を強力にすすめるためのデジタル庁の新設を打ち出し、一気呵成に光ファイバーをめぐらせ行政もデジタル化していく方向性を打ち出した。
こうした動きは、自交産業が懸念する白タク・ライドシェアの合法化に繋がりかねない。今後改正国家戦略特区法(スーパーシティ法)に基づく指定地域内で、MaaSや自家用有償旅客運送などあらゆる交通体系のサービスをデジタル化し推し進められる危険性が、近年で一番高まっている。
菅総理は「コロナ危機の打開が最優先で、日本経済の回復と両輪でやる」とは言うものの、打ち出す政策の内実は大手特定企業が儲かる施策が居並ぶ「アベ政治」の継続だ。傍観者でいると災いが降り注ぐ。
大阪労連第55回定期大会 21年度運動方針を決定
2020/09/15
コロナ解雇許さない強権政治に終止符を
大阪労連は9月5日、第55回定期大会を大阪市天王寺区で開き、「(コロナ)感染拡大を理由とした安易な解雇を許さず、経営者の責任を明白にさせながらたたかいを展開する」などとする2021年度運動方針を決定しました。
菅(かん)義人議長はあいさつで「長期化が予想されるコロナ禍の中で、国民の命や暮らしを守る施策を最優先し、中小企業の営業と労働者の雇用を守ることで経済を立て直すことが急務」と論じた上で、「政治を国民本位に転換することが求められる」「アベ政治の継承は絶対に許されない」と強調。
さらに「対立と分断を煽り、自分たちさえよければ異論や疑問を持つ人々はどうでもよい、という“アベ型政治”は大阪維新の政治手法と重なる」「都構想に終止符を打つことは、大阪に、日本に、寛容と共同を大切にする人間らしい暮らしと地域を取り戻すたたかいだ」と述べ、住民投票での大阪市解体阻止に向けた奮闘を呼びかけました。
「森友」「加計」「桜」解明されぬまま安倍首相が辞任表明
2020/09/09
疑惑に幕引き許さない
安倍晋三首相は8月28日、記者会見で持病を理由に辞意を表明。“お友達”への利益誘導など国家私物化、公文書改ざん等々の説明責任を果たさないまま幕引きを図ろうとする安倍首相に「お疲れ様」などとねぎらうのは時期尚早というものです。
「政権を維持するのは本当に大変なことだ、安倍総理には心から『お疲れ様でした』と申し上げたい」(竹中平蔵氏のツイート、8月29日)
「(安倍首相の辞任会見で)冒頭『お疲れ様でした』と1人の記者しか言わないんだけど」「『お疲れ様』くらい言えないものなのか」(橋下徹氏、28日のテレビ番組で)
辞任会見以降、安倍政権の7年8か月間に対する批判をこのように封じるような声がテレビでもネットでも幅を利かせていますが、弁護士・堀(ほり)新(しん)氏はツイッターでこう皮肉ります。「『賛否や評価はともかく、今は安倍さんにお疲れ様というべきだ』と言っている人たちは、鳩山・菅・野田内閣が終わった時には何と言っていたのだろうか」(8月28日)
森友学園に関する財務省の決裁文書の改ざんに関与させられ、自殺した近畿財務局職員・赤木俊夫さんの妻・雅子さんは、「次に総理大臣になる方は、夫がなぜ自死に追い込まれたのかについて、有識者によって構成される第三者委員会を立ち上げ、公正中立な調査を実施していただきたい」とのコメントを公表しています。
森友学園事件では安倍昭恵氏や昭恵氏付職員だった谷査恵子氏の証人喚問も行われていません。桜を見る会では安倍首相の公職選挙法違反、政治資金規制法違反が疑われているにも関わらず、政府は事実確認に必要な公文書を短期間で廃棄。安倍氏は疑惑を口で否定するのみです。
「永続敗戦論」などの著書で知られる政治学者・白井聡氏は朝日新聞社の言論サイト「論座」に「安倍政権の7年余りとは、日本史上の汚点である」と題する論考を寄稿。「後継者が誰になろうが(仮に政権交代が起こったとしても)、安倍時代の不正の追及が正面から行なわれない限り、本質は何も変わらない。第二・第三の安倍がまたぞろ現れて、日本社会の腐敗を一層促進するだけのことになる」と強調しています。