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2009年10月の記事
大阪争議団共闘会議2009年度定期総会
2009/10/26
企業の社会的責任追及し大阪から争議をなくそう
10月18日、大阪争議団共闘会議(大争共、森岡文夫議長)が自交会館で「2009年度定期総会」を開き、1年間の活動を総括するとともに、 新年度の活動方針を決定。佐野南海交通労組・堀川委員長が記念講演を行いました。
地域と産別の連携で雇用破壊に歯止めを
主催者あいさつで森岡議長は「この1年で第一交通闘争や大産大付属高校の不当解雇など5件の争議が解決した一方で新たに7件の争議(うち1件は年内解決)でたたかうなかまが大争共に加わりました」と報告。最近の特徴として「企業が一方的に整理解雇し、訴えられると解雇事由を個人の落ち度に差し替えるなど、不況の影響で悪質な解雇争議が増えています」「いきなり解雇や労働条件改悪をされる中で、組合運動や裁判闘争について未知のまま個人レベルでたたかう事例が増えています」と指摘し、活発な議論を呼びかけました。
来賓あいさつでは大阪労連の宮武事務局長が「昨年9月から大企業の派遣切りが横行する中で、大阪労連は各地域の労働相談体制を整備し、地域のなかまと共にたたかい、産別のちからとあいまった組合づくり、裁判闘争を進めていくという新たな転機を迎えた1年でした」と振り返り、「地域、産別の連携をよりいっそう強化しながら、新たに起こる雇用破壊に対して、たたかいの準備をすすめているところです。ともに奮闘しましょう」と呼びかけました。
アスベスト訴訟原告団に支援を
続けて「泉南アスベスト国賠訴訟」の原告団が登壇。「国は1937年の時点でアスベストが危険なものだと知っていたのに、戦前は軍需、戦後は産業復興を優先するため労働者の健康を考えず、対策を怠ってきました。この裁判は今後のアスベスト対策、ひいては国民の安全・健康を守る国の責任を問いただすたたかいです」とちからを込め支援を訴えるとともに、「11月の結審・来年3月の判決に向け、多くの国民が怒っていることを裁判所に示したい」として署名の協力を要請しました。
私利私欲のない応援が原告を勇気づける
午後からは佐野南海交通労組の堀川委員長(大阪地連副委員長、大争共前副議長)が「35年の組合活動と8年2か月の争議を通じて見えたこと」と題して記念講演を行いました。
堀川氏は大争共の真価について「争議に命を吹き込む、という点で大きな役割を果たしています」「毎月行われる宣伝行動、傍聴支援など私利私欲のない応援は原告を励まします」と評価。第一交通闘争の経験から「裁判闘争では音の宣伝、ビラ、署名を弱めてはいけません。いざ天王山≠ニいう時、心から声をかければなかまは駆けつけてくれます」とアドバイスしました。
連載 結成20年 全労連のめざしてきたもの、めざすもの
2009/10/16
関西勤労協・槙野 理啓氏
関西勤労協・槙野理啓氏 講演
第8回役員セミナー(9月19〜20日、奈良県社会教育センター)
@今から20年前、全労連が結成された
今号から、槙野理啓氏(関西勤労者教育協会講師)が「第8回役員セミナー」(9月19〜20日、奈良県社会教育センター)の1日目に行なった講演「結成20年 全労連のめざしてきたもの、めざすもの」を連載します。
事実をしっかり掴んで確信持とう
1989年11月21日、労働組合の右翼的再編の帰結として、連合(日本労働組合総連合会)が発足しました。同日、階級的・民主的潮流を軸に、全労連(全国労働組合総連合)が結成されました。
連合は、反共・労資協調主義を基本路線とし、これに同調する組合だけでつくられました。大企業のリストラ「合理化」を無抵抗に受け入れ、賃金自粛路線をとり、政府・財界の「21世紀戦略」を支持し、国民生活を破壊する「構造改革」を積極的に推進してきました。
一方の全労連は、日本の労働運動の積極的なたたかいの伝統をひきつぎ発展させるものとして結成されました。要求実現のために国民春闘路線の旗を高く掲げて前進し、労働者の権利擁護のたたかいに全力をあげ、攻勢的な運動の発展に向けた多様な政策・提言活動を旺盛にすすめ、平和と民主主義をまもる国民的共同の一翼をになってきました。
と、ここまでは誤解を恐れずに言えば、全労連と連合に関する「公式見解」です。もちろん事実ですし、何も誇張はしていません。けど、「公式見解」ばっかりではないわけでね。皆さん、実感となるとどうでしょう。もうひとつピンとこないのではないでしょうか。
労戦の選択≠ナ職場が混乱
25年ぐらい前、「労戦の選択」という熾烈な争いがありました。どっちの労働戦線を選ぶか?というややこしい問題を前に多くの職場が混乱しました。熾烈な“陣取り合戦”のなかで職場レベルではサジを投げてしまう役員もいました。その結果として「なんで私が役員せなあかんねん」「活動なんか好き違(ちゃ)うのに何でいきなり」というような組合員が役員に押し出されました。私もそうなんですけど(笑)。
当時、私は八尾高校の教師でした。労働学校で基礎理論を学びながら、ヤジや罵声が飛び交う大教組の会議に出ました。当時の大教組は全労連に向かおうとするほうが主流派で、日教組から見れば分裂して全教に合流していくことになりますから、「組合は大きくなければダメだ」「分裂させるな」という言葉が攻撃として出てくるわけです。
レッテル貼って攻撃
この時点では攻撃だとは思ってませんでしたが、だんだん向こうが怪しいなと思い出したのは向こうの言う言葉の中に「共産党のひきまわしだ」という言葉が出てきたときです。レッテルを貼って攻撃する、これは信用ならんな、と。
なんとか全労連が出発し、職場は静けさをとりもどしました。全労連をつくった意味はすぐに明らかになりました。「本部のやり方は間違いや」とわめき倒していた人たちが、サッとやめていったんです。組合が組合らしくなりました。
結果的には地域と職場の運動が互いに支え合う形になって、労働組合の社会的責任も高まり、大きな発展につながりました。そこに確信を持てるかどうかが今日のテーマなんですけど、確信を持つためには事実をしっかり掴む必要があります。 (つづく)
大阪労連・関西勤労協「第8回役員セミナー」
2009/10/06
めざそう本物の労働組合
9月19・20日大阪労連・関西勤労者教育協会共催で「歴史に学び、歴史をつくる」「第8回役員セミナー」が奈良県社会教員センター「かつらぎの森」で開催され、100人以上が参加。大阪地連からも4人参加しました。
主催者あいさつで、大阪労連の宮崎徹財政局長は、「社会の法則、大きな歴史の流れ、その中での教訓を学習しなければ本当の力になりません。今まさに組織労働者の数が減っていますが、新しい前進を勝ち取るために、こういう大変な時期こそ、しっかりと議論・学習をして、将来に大躍進できるような時に備えておくことが必要です」と述べました。
続けて、『今こそ、ほんものの労働組合を――結成20年、全労連のめざしてきたもの、そしてめざすもの』と題して基調講演を行なった、関西勤労協講師の牧野理啓(みちひろ)氏は「活動家の皆さんは労働組合は厳しい≠ニ感じつつもうアカンで≠ニは思っていない。悩みながらも、望みをつないでいます。人は集まらないし、元気が出ない、役員の成り手がいない≠ニ多くの組合役員が悩みを持っていますが、確信を持って労働組合運動を行なっていただきたい」と参加者を激励。「この20年、全労連がめざしてきたものはいったい何だったのか、そしてこれからどうしていくのか。問題を理論的にも整理して考えてみたい」と提起し、日本の労働組合の歴史を講義しました。
講演の後、参加者は6班の「分散会」に分かれて、「私と労働組合」「労働組合を自分はこうしたい」などのテーマを持って討論を行いました。
労働者がいる限り要求抑え込めない
槙野氏の講演の感想や職場での悩みも話し合い、大阪地連のなかまも「第一交通闘争の経過」や、2002年規制緩和から、「安心・安全」を守るため政策闘争に奮闘し、6月には国会で再規制の道を開く「タクシー活性化法」が全会一致で成立、10月から施行されることなどを報告しました。
セミナー最後の総括で槙野氏は「労働組合は資本主義の仕組みがある限り、どこでも必ず生まれるものです。指導者がいなくてもできる時にはできるんです。そして、どんなに弾圧されても絶対抑え切ることはできません」
「仮に支配する側の思惑で作られた組織であっても、必ず労働組合としての役割を果たします。労働者がいる限り、要求を抑え込むことはできないのです」と締めくくりました