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2015年10月の記事

大阪市対連・府民連が「大阪市会開会日集会&パレード」
2015/10/15

大阪市対連・府民連が「大阪市会開会日集会&パレード」 中之島・中央公会堂前で開かれた「ランチタイム集会」

市民医療・交通守れ
W選で維新に審判を


 9月大阪市議会(来年1月15日まで)の開会日前日にあたる9月24日、大阪市対策連絡会議と府民要求連絡会が大阪市役所周辺で「大阪市会開会日ランチタイム集会&パレード」を開催、参加者は「民意を聞かない市長はやめろ!」などと声を張り上げました。

 集会で情勢報告を行なった小川陽太市議(平野区選出、日本共産党)は、前日に開かれた民生保健委員協議会で住之江区医師会会長が「住吉市民病院が担ってきた小児周産期医療、子育て安心、地域の命を守る医療体制が壊される」として同病院の廃止反対を明確に述べたことを紹介。“病院の再編計画は地元医師会の承認を必要”とする厚労省に対してルールを変更するよう橋下維新が圧力をかけているとの情報も紹介し、「橋下維新を倒すことが大阪で立憲主義や民主主義ルールを取り戻すことだと改めて強く感じている」と述べました。
 連帯あいさつを行なった新日本婦人の会・生野支部の代表は、「4人に1人が65歳以上、そのうち一人暮らしが4割の生野区では、赤バス廃止、路線バス削減で大阪市でも際立った交通困難地域になってしまった」「先日話を聞いた女性は、区役所に行くのにバスがないので炎天下にバギーを押して45分も歩いたと話していた」と地域の実態を紹介。「あらゆる問題で市民の声を聞かず、市民をあざむいて、振り回して、分断する、大阪市は橋下市長のものではない」と語気を強め、「11月22日の大阪府知事、大阪市長ダブル選挙で、いつまでも安心して暮らせる大阪、住民が主人公の大阪を取り戻そう」と呼びかけました。

TPP 秘密交渉の末に「大筋合意」
2015/10/15

売国協定から撤退せよ


「毒素」報じぬマスコミ

 10月5日にTPP(環太平洋連携協定)交渉参加12か国が「大筋合意」に達しましたが、マスコミの報道は大半が「日本経済に追い風」「関税引き下げ 家計に恩恵」(読売)、「食品値下げに期待 消費者の選択肢拡大」(毎日)などと肯定的な内容であり、TPPに盛り込まれた「ISD条項」「ラチェット条項」などの「毒素条項」についてはほとんど触れていません。
 「ISD条項」とは〈相手国に投資した企業が、相手国の政策によって損害を被った場合、相手国を提訴できる〉というもので、国民や環境を守るための正当な規制が、多国籍企業の邪魔になるという理由で訴えられ、規制撤廃や賠償を命じられる恐れがあります。
 その裁判が行われるのは「国際投資紛争解決センター」という世界銀行傘下の機関ですが、世銀総裁は米国出身者が務めるのが慣例となっており、同センターの裁定が米国寄りであることは周知の事実です。

全力で国会承認を阻止

 ISD訴訟では、あくまでも“政府の政策が投資家に与えた被害”だけが審理され、政策の公共的な必要性は考慮されません。しかも審理は非公開で行われ、結果に不服があっても上訴できません。
 さらにTPPには、外資参入などの規制を一度緩めたら再び強化できない「ラチェット条項」も盛り込まれています。規制強化につながる法改正は原則禁じることを約束するもので、締約国が何らかの理由で“規制緩和しすぎた”と気づいても後戻りできません。
 TPP交渉が「大筋合意」に達したからといってTPP協定締結が決まったわけではありません。全労連が10月6日に発表した事務局長談話では「人々の暮らしと地域経済をまもるために、(中略)問題点の告発を強めて、TPP協定の調印・締結、国会承認を阻止するために全力をあげる」としています。

大阪・京都「建設アスベスト訴訟」勝利めざし集会
2015/10/05

大阪・京都「建設アスベスト訴訟」勝利めざし集会 司会者のコールにあわせて「アスベスト被害なくせ」「すべての被害者に全面救済を」と書かれたボードを掲げる集会参加者(9月9日、大阪市中央区内で)

資本の論理優先し被害拡大
国と建材メーカー断罪せよ


 建設現場でのアスベストによる生命・健康被害について、国と建材メーカーの責任を明らかにし、謝罪と賠償を求める「建設アスベスト訴訟」。来年1月の大阪、京都両地裁判決での勝利をめざす集会が9月9日に大阪市中央区で開かれました。

静かな時限爆弾


 アスベスト(石綿)は、その繊維一本一本が目に見えないほど微細な天然鉱物繊維です。安価で熱や摩擦、酸などにも強く丈夫で変化しにくいという特性を持っていることから建材やさまざまな工業製品に使用されてきました。
 吸い込むと微細な繊維が肺の奥深くに突き刺さり、10数年〜50年後に中皮腫や肺がんなどを発症することから「静かな時限爆弾」と呼ばれ、現在では重量比0.1%超の石綿を含む製品すべての製造・使用が禁止されています。
 日本では約1000万トンのアスベストが輸入され、その約8割が建材に使用されてきました。建設作業従事者はアスベストの危険性を何も知らないまま、建材の切断や吹付け作業を行い粉じんを吸い込んだ結果として中皮腫・肺がんなどを発症、命を落としています。被害者は毎年、数千人規模で増え続けており、建設アスベスト被害は史上最大の労働災害となっています。
 建設現場でこのようなアスベスト被害が発生・拡大した責任は、危険性を認識していたにも関わらず製造を促進し規制を怠ってきた国と、自らの利益のために業界ぐるみで製造・販売を続けてきた建材メーカーにあります。

一人親方の救済を

 国とアスベスト建材メーカーを被告として、2011年6月に京都地裁、7月には大阪地裁に対し、アスベスト被害者(建設従事者)と遺族28人(被害者数21人)が提訴しました。さらに両地裁あわせて28人(同24人)が追加提訴をしています。
 両地裁に提訴した被害者45人のうち、すでに20人が亡くなっています(提訴前も含めて)。原告団は国と企業に「責任を認め、被害者への謝罪と補償、将来の被害補償と被害拡大防止(基金の創設、アスベスト被害予防対策の確立など)」を求めています。
 9月9日の集会で同訴訟について報告を行なった村松昭夫弁護士(大阪アスベスト弁護団団長)は、「東京地裁、最高裁(泉南訴訟)、福岡地裁で国の責任を認める勝利判決が続いたが建材メーカーの責任、そして“一人親方”に対する国の責任を認めた判決はまだ出されていない。裁判官が事実に基づき、どこまで誠実に真摯(しんし)に判断を行うのか、それを左右するのは被害者救済と被害根絶を願う国民世論」として署名活動、宣伝行動の強化を訴えました。