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2017年11月の記事

11・3おおさか総がかり集会 民衆の力で安倍政権打倒
2017/11/15

11・3おおさか総がかり集会 民衆の力で安倍政権打倒 評論家・佐高信さん

 今日は志願して大阪にやってまいりました。今回の総選挙では全国を駆け回りまして、いつものスローガンを繰り返しておりました。「自民党に天罰を、公明党に仏罰を、そして維新には神罰を」。最近ではもうひとつ付け加えなければならなくなりまして、「希望の党には絶望を」。与党は自民党だけではないんですね。公明党ならぬコウモリ党がくっついて与党を形成している。そして維新とか、希望の党とか、野党と与党の真ん中に、どっちかわからない「ゆ党」がいるわけです。

 選挙応援で私は安倍政権に対峙する者として「かきくけこ」が問題だと言いました。「か」は加計学園ですね。「き」は共謀罪もありますけれども北朝鮮。脅威を煽って「国難だ」と言いながら選挙をやるバカな首相がどこにいるか!「バカな首相は敵より怖い」、私はそういうタイトルの本も出してます(笑)。
 「く」は9条ですね。「け」が濁って原発。希望の党の小池百合子氏は「原発ゼロ」なんてしゃあしゃあと掲げていたけれども、東日本大震災の時に彼女は自民党の総務会長で、“原発再稼働を一生懸命進めなければならない”と言ってたんですよ。その“でまかせユリコ”に見事にだまされたのが前原誠司氏。
 「こ」が公明党と小池氏ですね、コイケにはまってさあ大変。安倍氏と小池氏の間に違いはないんですよ。同じ日本会議だし。オスのタカか、メスのタカかの違いしかない。それをわからない人が希望の党ならぬ絶望の党に行ったわけです。

 「アベノミクス」ならぬ「アホノミクス」、これを命名したのは同志社大学教授の浜矩子(のりこ)さんですね。浜さんは私と「どアホノミクスの正体」という本を出してますけれども、いわゆる「新自由主義」というのは、会社にとっての自由なんですよ。働く者にとっては不自由主義なんです。だから株価は上がるけれども私たちに豊かさはもたらされません。経済をきちっとわかってる人間なら、私たち一人ひとりの購買力を高めなければならない。会社にとっての自由の最たるものが、派遣労働の解禁ですよ。若い人の5割以上が派遣、それでどうして子どもが産めますか。
 そして竹中平蔵氏とか、堺屋太一氏、長谷川慶太郎氏など、新自由主義論者は見事に改憲論者なんですよ。私が経済的な話でも思想的な話でも尊敬している城山三郎さん(小説家、1927〜07年)はアンチバブル派で、「戦争はすべてを失わせる。戦争で得たものは日本国憲法だけだ」と言っていました。
 城山三郎さんは17歳で海軍に志願させられたわけです。させられたというのは、自分は志願したと思っていたけれども、いま考えてみると社会や国家が強制したんだ、志願と思わされたんだと。いままさに安倍政権によってそういう空気が作られているわけです。

 「来年は明治150年」とか騒いでいますが、あの時代にはこんな言葉がはやりました。「上からは明治だなどというけれど、治明(おさまるめい)と下からは読む」※。私たちは改憲の問題を含めて、安倍政権を下からひっくり返さなきゃならない。そうでなければ自由民権の先輩たちに恥ずかしいではありませんか。
 最後に例のスローガンを皆さんとともに合唱したい。いいですか。自民党に天罰を、公明党に仏罰を、そして維新に神罰を!
 ※=「薩長の官軍に反感を抱く江戸の市民は慶応が明治になった時、こんな狂歌を詠んだという」(毎日新聞09年9月4日付「余録」)

アベ政治終わらせよう「おおさか総がかり集会」に2万人
2017/11/15

アベ政治終わらせよう「おおさか総がかり集会」に2万人 ポテッカーを掲げ「憲法こわすな」「戦争アカン!」と声を張り上げる集会参加者(11月3日、中之島公園剣先広場で)

改憲阻止の大運動を


 日本国憲法公布から71年になる11月3日、安倍政権による9条改憲に反対する行動が全国で取り組まれました。大阪でも中之島公園・剣先広場で「9条改憲を許さない!アベ政治を終わらせよう!おおさか総がかり集会」(実行委員会主催)が開かれ、2万人が「憲法こわすな」「戦争アカン!」と声を張り上げました。

 主催者代表あいさつを行なった「戦争させない1000人委員会・大阪」の米田彰男共同代表は、「国会では改憲勢力が発議に必要な3分の2を超えているが、私たちの運動がそれを上回ればいい」「改憲阻止は私たちの運動がどう盛り上がるかにかかっている」と述べ、3千万筆を目標に取り組まれている「安倍9条改憲NO! 憲法を生かす全国統一署名」について「3千万筆を実現するにはいままでを大きく上回る運動を組織しなければならない」と訴えました。
 安倍政権のもとでの憲法の改悪に反対する日本共産党、社会民主党、自由党、立憲民主党の代表が登壇。共産党の辰巳孝太郎参院議員は、与党にとっても改憲案が国民投票で否決される事態は避けたいと考えるから発議の時期は慎重に判断するはず、として「だからこそ発議させないたたかい、3千万署名が何より大事」と強調しました。
 リレートークに登壇した「森友学園問題」を考える会・木村真豊中市議は、「安倍政権中枢と維新・松井大阪府知事が車の両輪となって、ベルトコンベアに籠池氏を載せて強引に学校開校へもっていこうとした」「教育勅語を暗唱させて、ヘイト発言を日常的に繰り返して、そして“安倍総理ガンバレ”なんて子どもたちに言わせるような、そういう学校法人に国有地をタダ同然で叩き売り、そしてできるはずのない学校の設立認可を下ろした、という構図はもうはっきりしている」「唯一残されているのは、しかるべき人物にしかるべき形で責任をとらせる、この肝心かなめの仕事がまったく手つかずになっている」と指摘。「我々市民と野党国会議員の連携で、森友・加計問題の幕引きは絶対に許さない」と力を込めました。

本流逆流(11月5日付コラムより)
2017/11/07

 7月の東京都議選で地域政党「都民ファーストの会」を立ち上げ、自民党を蹴散らした小池百合子都知事はその追い風に乗り、今回の衆議院総選挙では希望の党を旗揚げ。一方、政権転落以来逆風が続く民進党・前原代表は、希望の党に安倍政権打倒を丸投げした。
 しかし希望の党代表に就いた小池氏は、安保法制(戦争法)や改憲への態度を踏み絵にリベラル派議員の「排除」を宣言したことで一気に風向きが変わった。
 結局、総選挙は与党が憲法改正発議に必要な定数の「3分の2」超を維持する結果に終わったが、前原・小池両氏の動きに危機感をもった枝野幸男氏が立憲民主党を立ち上げ、総選挙で野党第一党の座を得たことで野党共闘の命脈が保たれたことは不幸中の幸いといえるのではないか。
 総選挙大勝で勢いづく安倍首相がこれまで以上に“北朝鮮に日本が攻撃されたら”などと国民に不安と危機感を煽り、さらなる自衛隊の軍備増強、日米軍事同盟強化に進んでいくことが懸念される。
 国連決議への対決姿勢を崩さない北朝鮮に対して、経済制裁のさらなる強化と同国周辺への軍事展開で脅すトランプ米大統領。そのことを世界で真っ先に支持表明した安倍総理。北朝鮮に対峙する韓国が対話での危機打開を模索しているのに、安倍氏の対米従属姿勢は異常だ。
 総選挙では安倍政権を希望の党・小池代表が結果的にアシストした形だが、希望とは名ばかりの“野望の党”と自民・公明・維新が今後加速させるであろう改憲策動を私たちは黙って見過ごすわけにはいかない。