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ハンドルおおさか
ハイヤー・タクシー・観光バス労働者の新聞
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2019年11月の記事
1万2千人が怒りのコール 11.3おおさか総がかり集会
2019/11/15
改憲STOP! NO!安倍政治
日本国憲法の74回目の公布記念日にあたる11月3日、「輝け憲法!いかそう9条!11.3おおさか総がかり集会」(実行委員会主催)が扇町公園(大阪市北区)で開かれ、1万2千人(主催者発表)が参加。韓国の市民団体の代表も集会に駆けつけ、安倍9条改憲を阻止して東アジアの平和をつくる意志を固めあいました。
反日ではなく反安倍
「戦争させない1000人委員会・大阪」の米田彰男共同代表が開会あいさつ。10月25日に菅原一秀経済産業相が自身の公職選挙法違反疑惑で、同31日に河井克行法務相が妻の同法違反疑惑で辞任したことに触れ、「安倍首相は毎回、任命責任は私にある≠ニ言うが何もしない」「モリカケ問題、公文書改ざん、甘利さんの口利き等々、いっぱいごまかして覆い隠してきたことを私たちは忘れていない」と指弾。
また米田氏は、韓国から「市民社会団体連帯会議」の李承勲事務局長が集会に参加していることを紹介。「(2016〜17年に当時の朴槿恵大統領を失職に追い込んだ)キャンドル革命の中心的役割を果たし、いまも検察改革を求めて300万人規模のキャンドル集会を成功させている」「彼らの集会でのスローガンは、反日≠ナはなく反安倍=Bこのことを私たちは肝に銘じて、韓国の市民との連携を深めていかなければならない」と訴えました。
市民と野党の共闘で
「市民と野党の共闘で安倍政治を終わらせよう」と立憲民主党、日本共産党、社会民主党の代表があいさつ。
立憲民主党・辻元清美衆院議員は「野党共闘の成果」として、大学入試の英語民間試験導入が延期になったことを報告。「野党が協力して国会で質疑をし、ヒアリングをし、高校生と連帯してたたかった結果だ」と評価。「(萩生田光一文科相から)格差を容認するような身の丈#ュ言があった。安倍さんや萩生田さんこそ憲法を一から勉強せよと、そして憲法の理念を実現させる、そんな声をあげていきたい」と述べました。
日本共産党・清水ただし衆院議員は、菅原経産相の辞任について「金品を配るような経産大臣に、関電役員らの原発マネー疑惑を解明することはできない」と指摘。「まさしく原発とはウランではなく賄賂で動いていたのではないか。国民が求めているのは賄賂より廃炉だ」と語気を強め、「役員らは参考人招致に応えよ、こういう立場で野党協力してがんばっていきたい」と決意を示しました。
スペシャルゲストとして登壇した刑法学者・高山佳奈子氏(京都大学大学院教授)は「助けられたはずの命があったのに社会政策がうまくいってなかったから亡くなってしまった」「京都アニメーションへの放火のような事件は死刑に処す≠ニか言っても止められない。加害者のような人が出ないような社会的政策を講じなければならない」などと説き、「大学入試問題のような差別は許せない。教育機会の公平性を守ろう」「利権勢力はもうやめよう、立憲勢力を進展させよう。選挙に行かないのは与党を支援するのと同じ。野球の勝率と一緒で、10戦中2勝だけでも2勝1敗7分けなら勝率6割6分7厘になってしまう」と訴えました。
自交総連本部 第42回定期大会 大阪地連からの発言
2019/11/05
年金制度を改善せよ 労働者奴隷化許すな
大阪地連はこの2019年も白タク・ライドシェアの合法化を阻止するため奮闘してきました。ターミナル駅や郊外主要駅での宣伝に毎月取り組んだほか、滋賀県大津市がライドシェア導入の国家戦略特区を申請していることから同市内主要駅での宣伝、滋賀県タクシー協会を訪問して反対運動の共同の要請、そして大津市に対し、特区申請を取り下げ交通政策を見直すよう求める要請行動などを、京都地連のなかまと力を合わせて取り組んできました。
大津市は特区申請の理由として観光客輸送と交通空白地対策を挙げているわけですが、国が進めようとしている自家用有償旅客運送の拡大方針と重なります。国民の移動の自由、安全に移動する権利を保障すべき国が自治体にろくな支援を行わずに、安心・安全が担保されない自家用車での運送を推進しておいて、ソフトバンクやら楽天やらの金儲けに道を開こうとしているわけです。
この自家用有償旅客運送の拡大が話し合われているのが、官邸主導で行われている「未来投資会議」です。この会議の中心的な存在である経済学者・竹中平蔵氏が最近、ネットメディアにこんなことを書いています。
「私たちはこれからすごく長寿の時代を生きることになります。たとえば100歳まで生きるとすると、90歳くらいまでは働くことになるでしょう」(プレジデントオンライン10月4日付)
そんな世の中になったら、竹中さんが会長を務めるパソナグループがますます儲かることになるのは間違いありません。
高齢者就業率高い日本
高齢者の就業率が日本は国際的に見ても高くなっており、2017年は日本が23%であるのに対し、イタリアだと4.3%、フランスでは3%でしかありません。この差は何なんでしょう。
自交総連2019年度運動方針案は、「労働者の高齢化の一因でもある貧弱な年金制度を改善し、生活できる年金とするため、給付水準の改善、マクロ経済スライドの廃止、高所得者・大企業の適正な保険料・税負担による財源確保を求めていく。積立金の投機的運用に反対する」としています。
また同運動方針案では、「高齢者を安上がりな労働力≠ニして使おうとする経営者の姿勢を許さず」、「新たに安上がりな労働力≠ニして外国人労働者を活用する動きに反対し、一切差別のない同一労働同一賃金の堅持を求める」としています。経営者は二言目には人手不足というわけですけれども、だったらまず賃金上げんかい≠ニいう話だろうと思います。
いびつな社会正そう
報道によると、今年1月〜9月に国内の上場企業が募った希望退職者の合計は1万342人で、6年ぶりの年間1万人超えが確定したとのことです。日経新聞によると「業績が好調なうちに人員を適正化し、事業環境の変化に備えようとする企業も多い」と。要するに人手不足も人手余りも経営者の都合やないかい≠ニいうことですね。
いまは人手不足だといいながら、リーマンショック級の経済危機になったら平気で派遣切りするのが経営者ですし、私たちがそんな経営者の言い分を先回りして要求を緩める必要はないと思います。
社会全体でいえば、少子化で働き手がいないというのは、人件費を削って労働者の暮らしを破壊してきた財界、そして財界の求めるがままに規制緩和や雇用破壊を続けてきた自民党政治の結果であって、それに加えて社会保障の切り下げ、低すぎる年金が後期高齢者になっても働かざるを得ないような歪な社会の姿となって表れているんです。安倍首相は「65歳以上になっても働きたい人は8割以上いる」と言ったそうですけれども、ふざけるな!という話です。
この歪な社会を正すには政治を変えるしかないわけですけれども、今年に入ってからの政治闘争は私たちにとって非常にきびしい結果が続いています。大阪市長選挙、大阪府知事選挙では維新市政、府政を止めることができませんでした。
高齢化にともなう組織の力量の低下もよく聞く話ですけれども、高齢化をネガティブに捉えるのではなく、さきほど申し上げた年金問題は平均年齢61.2歳のタクシー労働者にとって、まさしく自分の問題として怒りに奮い立って政治を変えようと、職場でなかまに政治闘争の必要性を説くにはうってつけの問題だろうと思います。各職場での教宣活動、未組織労働者への呼びかけ、そして年金者組合との共同も含めて運動強化を図っていくべきではないかと思います。
すべての労働者の問題
また、年金問題はその財源をめぐって税金の使い方も問われる話です。F35戦闘機などの爆買い、海外へのバラマキ、安倍さんのお友達へのバラマキ等々を改めれば財源は捻出できるはずです。
いま、公共サービスを一部の人々の金儲けの種にする企みが進められて、ライドシェアによる公共交通つぶしもその一環だと思いますけれども、いまや医療も福祉も交通も自己責任、とにかくすべての沙汰が金しだい、金持ちにとっては快適でも庶民には生きづらい社会づくりが進められようとしています。誰もが上下関係と損得勘定で動くようになり、マスコミも政権批判しなくなりました。そして私たちの労働運動を報道しなくなりました。一見、労働組合が弱体化し、お上に逆らえない労働者支配が完成しつつあるようにも見えます。けれどもそんな流れが強まれば強まるほど、私たちと同じように怒りに燃える潜在的な活動家は必ず増えていくだろうと、マグマは地下で煮えたぎっていると私は信じています。
安倍政権が推進する「雇用によらない働き方」、という名の労働者奴隷化を許さないためにも、産業を問わずすべての労働者の問題として、全労連ともしっかり連携していく必要があると思います。