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2020年11月の記事
〈大阪市廃止阻止〉住民投票勝利報告集会ひらく
2020/11/25
開会あいさつする大阪労連・菅議長(11月13日、大阪市中央区・エルおおさかで)
民意に背く維新の策動
財政局への攻撃許すな
11月1日の住民投票で大阪市廃止が否決されたことを受け、「明るい民主大阪府政をつくる会」(明るい会)と「大阪市をよくする会」(よくする会)は13日、「勝利報告集会」を大阪市中央区で開催、喜びを分かち合うとともに、新たに出てきた「広域行政一元化条例」を阻止する決意を固めました。
集会で「報告と提案」を行なった荒田功・明るい会事務局長は、「今回賛成票を投じた人も、大阪をもっと良くしたいという思いは一致している。そういう人たちと一緒に、くらしを最優先にした大阪市をつくっていくために力を合わせていくことが必要」と強調。
また、大阪市廃止否決を受けて松井大阪市長と吉村大阪府知事が突如示した「広域的一元化条例案」について、「住民投票の民意に背いて地方自治を破壊するのは許されない」「コロナ感染が拡大しているさなかに、またそんなことをやっているのかという怒りの世論で維新を追い詰めていく」と力を込めました。
カジノ誘致の歯止めに
特別発言を行なった中山徹氏(大阪自治体問題研究所理事長、奈良女子大学教授)は、大阪市廃止阻止の政治的意義について次のとおり考えを示しました。
「維新にとっては、かつて敗れた住民投票で今回圧勝することが大きな課題だった。彼らが進めようとしているカジノ誘致やスーパーシティ構想に、大きな歯止めになった」
「国会で維新は単に与党を補完するにとどまらず、憲法改正などをむしろ促進させる役割を果たしている。その維新が地元の大阪で大きくつまずいた。国政に与えた政治的影響も非常に大きい」
「最終盤、維新が進めたやり方はムチャクチャだった。反対派の主張をすべてウソ、デマ呼ばわりした。大阪市財政局長が謝罪会見を行なったのは恫喝の結果。こんなやり方で大阪市廃止が決まってしまうのは民主主義という点から見てもとんでもないこと。それを止めたという政治的意義は極めて大きい」
財政局職員に人格攻撃
「市議会報告」を行なった山中智子大阪市議(日本共産党)は、「いま私がものすごく許せないと思っているのは、財政局に対する攻撃だ。この間、維新の議員団総会に財政局の局長や職員が何度も呼ばれて、ものすごい糾弾を繰り返し受けている。先日の大都市税財政制度特別委員会では維新の議員が、財政局長と、当事者である財務課長に対して、本当に人格そのものを否定するような質疑を1時間にわたって行ない、吐きそうな思いがした。一時は自殺者が出るのではないかと心配までした」と報告。
「財政局の職員が誰一人死なないで、誰一人辞めないで、誇りをもって大阪市職員として働き続けられるように助けてほしい。森友問題のように死者を出してしまったら、大阪市を守った意味がない」と訴えました。
住民投票の民意なおざり 広域行政一元化条例ノー
2020/11/25
大阪市役所前で宣伝に取り組む参加者(11月17日、大阪市北区で)
大阪市役所前で緊急宣伝行動
「住民投票の民意を守れ」「財政局へのパワハラをやめろ」─大阪市対策連絡会議(市対連)と「大阪市をよくする会」(よくする会)は11月17日、大阪市北区の淀屋橋・大阪市役所前で緊急宣伝に取り組み、120人を超える人たちが参加しました。
大阪市廃止を否決した住民投票から1週間も経たない11月5日、松井大阪市長と吉村大阪府知事が「広域行政一元化」条例案を来年2月の市議会、府議会に提出するとそれぞれ表明。6日には吉村氏が同条例案について、現状を制度化するだけでなく、「都構想」で市から府へ移管するとしていた約430の事務が検討対象になると述べました。11日付朝日新聞は「すべて対象になると、市の約2千億円の財源も府へ移ることになる」「約430の事務すべてを移管すれば都構想とほとんど変わらない規模での変更」と報じています。
市民に対する背信行為
17日の宣伝でマイクを握った「よくする会」福井朗事務局長は「広域行政一元化」条例案について、「二度にわたる住民投票で示された民意を踏みにじるものだ。大阪市の名前だけ残して、政令指定都市の権限を投げ捨てて府に移してしまう、大阪市民に対する背信行為と言わざるを得ない」と強く批判。
さらに同事務局長は、大阪市を廃止して4特別区に分割した場合に218億円のコスト増が発生するとの試算を出した大阪市財政局に対して松井大阪市長が試算を「ねつ造」呼ばわりし、同局職員に圧力をかけている問題について、「こんなことがまかり通れば、地方自治、民主主義、公務員の働く喜び、誇り、矜持がすべて踏みにじられる」と述べ、市役所内の職員に向けて「大阪市を政令市として存続させ、発展を願う多くの市民の心は皆さんとともにある。一緒に顔を上にあげよう。大阪の未来についてともに語り合おう」と呼びかけました。