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ハイヤー・タクシー・観光バス労働者の新聞
月別バックナンバー
2012年12月の記事
維新が最賃廃止公約
2012/12/18
日本総ブラック企業化狙う石原・橋下両氏
日本維新の会(石原慎太郎代表、橋下徹代表代行)は総選挙の政権公約「骨太2013〜2016」を11月29日に発表、基本方針として「労働市場を流動化させる」とし、そのための政策実例として「解雇規制の緩和」「最低賃金制の廃止」を掲げました。最低賃金は最も高い東京でも時給850円、この低い規制すらなくして賃下げを進め、同時にもっと首切りしやすくしようというのです。
労働法制破壊の政策に対し、ツイッターで「好きなだけ買い叩ける奴隷労働市場の出来上がり」「ブラック企業続出」などの批判があがり、維新の会は「市場メカニズムを重視した最低賃金制度の改革」と修正しましたが、これは「最賃廃止」をぼかしただけです。
大阪労連(川辺和宏議長)は、日本維新の会の政策に対する抗議(上の書面)の集中を加盟組織に呼びかけています。
強い怒りもって大阪争議支援総行動
2012/12/18
スタート集会で意思統一する大阪労連と大争共のなかま(12月6日)
大企業の横暴許さない
類設計室にも早期解決を要請
大阪労連と大阪争議団共闘会議(大争共)は12月6日、大阪府内で争議を抱える企業や親会社、背景資本に対する抗議・要請行動を「争議支援総行動」として終日展開。合計19使用者に対しての抗議・要請行動に取り組み、自交関係では類設計室に要請を行いました。
大阪争議支援総行動は春と秋の年2回、解雇や差別、健康被害などの裁判争議や、不当労働行為に対する労働争議の1日も早い解決をめざすための集中的な取り組みとして、大阪労連・大阪春闘共闘に参加する労働組合の支援のもとに進められてきました。
非正規雇用・派遣労働、有期雇用の拡大により青年労働者の無権利状態や「雇止め」という雇用不安が拡がっています。大阪の非正規労働者は全国平均を大きく上回り労働者の45%に達しています。企業内のパワハラによってうつ症に追い込まれ解雇になるケースも急増しています。また、正規労働者も成績不良と決めつけ解雇する事例が増えてきています。
行動出発前に中之島公会堂で開かれた「意思統一集会」で決意表明に立った大阪自治労連・荒田書記長は「儲けさえすれば何をしてもいいんだという大企業の身勝手は許せないという強い怒り、そして一部の大企業・資本家のために労働者国民に犠牲を押しつけてきた政治そのものについても強い怒りをもってたたかい、変えていきたい」と力を込めました。
行動に出発した要請団は淀川区の類設計室にも赴き、類グループ労組・藤本委員長に対して団交の席上で自宅待機を命じ出勤させないなどの不当労働行為を行なった同社に早期解決を図るよう要請しました。
大阪交運共闘が第22回定期総会開く
2012/12/18
大阪交通運輸労働組合共闘会議(大阪交運共闘、山本和義議長)は12月8日、自交会館で第22回定期総会を開き、2013年度活動方針などを決定。また、役員改選も行われ、南修三議長(全港湾阪神支部)をはじめとする2013年度役員体制を確立しました。
政治変えて増税止めよう
定期総会はまず総会議長に山本雅弘氏(自交総連)を選出して議事を開始しました。
あいさつに立った山本和義議長(建交労)は総選挙について「我々が自分たちの生活を守っていくうえで大事な機会が訪れた。民主党政権はいままで公約に掲げてきたことをほとんど実行せず、大企業やアメリカべったりの自民党政治を引き継いだまま政権を手放す状況になっている」と指摘、「我々が期待していた労働法制の抜本改正も放ったらかし、最低賃金千円への引き上げも見送る中で消費税の大増税だけが行われる、こんなことが許されるわけがない」と語気を強め、最後に「労働者の生活、安心・安全を守っていくためにも交運共闘の果たす役割は非常に重大なものがある。関越道事故のような重大事故をなくしていく立場から大いに運動を展開していく必要がある」と述べました。
続けて大阪労連・川辺和宏議長、日本共産党・次期参院選予定候補の辰巳孝太郎氏が来賓あいさつ。
辰巳氏は「総選挙の対決軸は一つだと思っている。それは財界いいなり、アメリカいいなりを正すのかどうか、これに尽きる」と強調。消費税について「経団連は10%では満足していない。20%を公然と主張しており、財界にモノが言えない民主、自民、公明ではさらなる増税が進められる」と警鐘を鳴らしました。
討論では各産別から計6人が発言、自交総連からはハンドルおおさか・運天編集長がタクシーの現況報告を交えながら総選挙の宣伝行動を奮闘していく決意を述べました。
本流逆流(12月5日付コラムより)
2012/12/05
「一票の重み」──意味も考えずマスメディアで垂れ流されていると思われる言葉である。しかし、総理大臣でも警察庁長官でも一票しか持たないその本質が、如何(いか)に重いものであるか噛み締める必要がある。日本国籍さえ持っていれば、20歳以上の全員が等しく同じ権利を持つ。ここに人類の長い闘いから生まれた知恵が凝縮している。
カルト宗教団体のように少数者を長く騙すことは可能である。小泉改革やナチスのように、情報操作を行えば多数者を一定期間騙すことも可能である、と歴史は教えている。しかし、真実の持つ力が多数者による修正をもたらしてきた。多数者の幸せが実現できて初めてその社会は正常に戻る。その力の根元が「一票の重み」だろう。
訳が分からなくなった時ほど原点に戻ることが必要である。日本の多数者は誰なんだ。労働者の85%は中小企業で働いている。中小企業の8割がいま、消費税率を上げることに反対している。
消費税も原発も小さいことだと維新の会・石原代表は公言している。「介護や年金・保育について政治家は理解を求める必要はない」とは最近の橋下大阪市長の言葉である。彼等は一票の重みを認めたくないのだろう。