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2009年01月の記事
大阪地連2009年旗びらき
2009/01/26
今年こそ構造改革路線にピリオドを
大阪地連(岡田紀一郎委員長)は1月13日、第2回拡大執行委員会(記事2面)終了後、「2009年旗びらき」を開催し、70人が参加しました。
冒頭の主催者あいさつで岡田委員長は、自交労働者を取り巻く情勢について「国交省は規制強化の方向に大きく舵を切っています。今通常国会に提出される法案に実効性のある措置を盛り込ませるたたかいを強めていかなくてはなりません」とちからを込めるとともに、平和の問題について「憲法を絶対改悪させないために、最大級の奮闘を」と呼びかけました。
さらに今年行われる総選挙について「組合員の思想・信条を最大限に尊重したうえで、重要な政治戦と位置づけてたたかいます」と述べ、「すべてのたたかいの先頭に立ってがんばっていきたい」と決意表明しました。
来賓あいさつでは、まず大阪労連の宮武事務局長が「昨年は構造改革路線の破たんぶりが国民の目の前で明らかになった年だったと思います。今年は構造改革の流れに決着をつける年にしなくてはなりません。総選挙では労働者の真の味方になる政党を躍進させましょう」と呼びかけました。
続けて、日本共産党の宮本たけし元参議院議員が「私は、タクシーの乗務員さんが自分の仕事を本当に誇れるようにしなければならないと思っています。現在のような働いても働いても生活できないような労働条件でいいのか、ということが問われる新年だと思っています。総選挙では皆さんの期待に応えられるよう勝ち抜く決意です」とあいさつしました。
続発するタクシー強盗への対策を大タ協・大阪府警に要請
2009/01/26
乗務員の生命守るためあらゆる手立てを急げ
年末年始にタクシー強盗が続発し、2人が死亡するなど事態が深刻化していることから、大阪地連は1月8日に大阪タクシー協会(坂本克己会長)と大阪府警本部(縄田修本部長)に緊急申し入れを行い、痛ましい事件を未然に防ぐために実効ある施策を速やかに講じるよう求めました。
すべての関係団体共同の取り組みを
疑心暗鬼に陥る乗務員
昨年12月29日に兵庫県稲美町で「加古川タクシー」の乗務員が何者かに殺されて売上金を奪われた事件に端を発し、翌30日には東大阪市西石切町で「商都交通」の乗務員が首を切りつけられて死亡。報道によると緊急時を知らせるボタンは作動しておらず、被害者は背後からいきなり襲われたものとみられています。今月5日には同一犯とみられる犯行が松原市でも発生し、犯人はまだ捕まっていません。
その後も、すさんだ日本社会を象徴するかのように寝屋川、高槻、茨木などでも模倣犯とみられる事件が続発しており、これ以上犠牲者を増やさないためにも早急な対策が必要です。
大阪地連が緊急申し入れの同日に発表した「声明」では「お互いの信頼関係上、成り立つ性格を持つタクシーは、公共交通機関として、24時間、交通弱者に対して『交通権』を保障するために努力している」のに、「各乗務員とも疑心暗鬼になり、乗客を疑いながらの業務を強いられている」と指摘し、「大阪府警の機敏な捜査、犯人逮捕はもちろんのこと、業界関係者の速やかな防犯体制の構築、及び実効ある施策を講じるよう強く呼びかける」としています。
遅れていた防犯対策
全国乗用自動車防犯協力団体連合会の調べによると大阪の防犯仕切り板設置率は16%、「GPS等と連動した緊急通報装置付無線機等」設置率は44.2%です。(昨年3月末現在)。大阪地連は昨年の秋闘統一要求で事業者に防犯対策を求めていましたが、対応はなおざりにされてきました。
労働契約法の第5条では「使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をするものとする。」と定めています。
今回の申し入れで大阪地連は大タ協に対して「考えられるあらゆる手立てを早急に講じること」を求めました。そして両者は「事業者や労働組合の枠を越えたすべての関係団体共同の取り組みが必要」との認識で一致しました。
岡田委員長 新年あいさつ
2009/01/06
自交労働者の団結で勝ち取ろう減車できる仕組み
タクシーと観光バスで働く仲間の皆さん。あけましておめでとうございます。新年にあたり、ごあいさつを申し上げます。
2002年2月、タクシー産業を破壊する世紀の悪法「改正」道路運送法・タクシーの規制緩和が実施されて7年が経過しようとしています。大阪ではこの間、新規参入の会社が80社以上。増車されたタクシーは3千台、そして大阪の恥ともいえる60種類以上のバラバラ運賃。「走れど、走れど、待てども、待てども」なかなか実車にならない。このために賃金は減少の一途をたどり、平均年収は300万円を大きく割り込み270万円というのが現状です。
このために定まった額の給与を家庭に持ち帰れなくなって居たたまれなくなり、会社の仮眠室を常宿とする者も増えています。また、労働環境の悪化から刹那的になり、ギャンブルに手を出し、生活破たんに陥る者や過労死、健康破壊が増加し続けています。
貧困化にともなう乗務員の資質やモラルの低下が目立ち、乗客とのトラブルが絶えません。
さらに昨今では、アメリカ発の金融危機の影響が日本経済に大打撃を与えています。輸出企業を中心に生産の縮小や「雇用調整」が行われ、すでに自動車産業や製造業での派遣労働者、期間工などの雇用打ち切りが相次いでいます。これらの影響でタクシーの営収も昨年10月頃から徐々に落ち込んでいます。大幅減車とバラバラ運賃の是正は喫緊の課題です。
大阪地連は、このような状況を打開するために「日本社会の確かな再生、生活危機突破への運動の構築、大阪のタクシー、観光バスの安心・安全・快適を守り、実勢5千人の回復を」を、スローガンに掲げて取り組みを強化しています。
昨年の2月1日、近畿運輸局前で取り組んだ「2・1怒りの行動」や国土交通省前で展開された3・5中央行動、4月には自交総連三役と大阪地連三役が近畿運輸局の自動車部長と「町野式ワンコインタクシー」について意見交換をしました。大阪市役所にも「多すぎるタクシーの問題は都市問題」だとして要請行動を行ないました。これらの行動と平行して大阪地連は、08春闘でも一致する政策課題下限割れ運賃をなくす≠ナ労使懇談会をひらき、議論を深めた結果「大阪タクシー再生をめざす基金」の創設に同意し、労使が共同し運動する大きな第一歩となりました。
一方、国土交通大臣の諮問機関である交通政策審議会は一昨年の12月、総括原価方式及び上限運賃規制など運賃制度そのものの見直しと経営の変革を促し、市場の構造を変える方策を検討するワーキンググループ(WG)を設置しました。
昨年2月から悪質事業者対策や運賃制度のあり方、供給過剰対策などで踏み込んだ論議を重ね、7月3日の第8回会合では国交省が、タクシーの競争激化を受けて、規制を強化しようとする対策案を示しました。
同省は約一週間後の7月11日付けで、タクシーの新規参入や増車を厳しくする「特定特別監視地域」の指定を6地域から、大阪市域を含む全国109地区に拡大する通達を発出しました。しかし、大阪府内では事前に情報を得た19社が、通達直前の8日から10日にかけて計139台の増車を申請。駆け込み増車と見られます。このような行為が頻発することが「大阪のタクシーには未来がない」といわれる所以であり、全国に恥をさらす結果となりました。
昨年末にはWGが国交大臣への答申素案をまとめました。ここでは減車をできる新たな仕組みを打ち出しているのは画期的ですが、実効性のある仕組みが作られるかが課題になります。
今後、国交省は通常国会に向けて答申案を「道路運送法改正案」に盛り込む作業に入りますが、規制強化に反発する規制改革会議(内閣府)とのやり取りに焦点が移ります。
最後になりますが、大阪地連は8年目に入った第一交通闘争を筆頭に、富田林交通、三和交通、龍神ユニオン、中央交通5件の争議をかかえています。本年は、すべての争議の全面解決をめざしてがんばるる決意です。
本年も行動へのご参加と、ご支援をよろしくお願いして年頭のあいさつと致します。