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2010年01月の記事
組合側大勝利和解で解決
2010/01/25
争議支援の謝辞を述べるオレンジ労組・新垣委員長(1月12日)
オレンジキャブ大阪闘争
小豆島G・高橋代表は新垣委員長への差別待遇をやめろ!!
小豆島タクシー鰍ゥら雇用契約を打ち切られたオレンジキャブ大阪労組(新垣進委員長)の嘱託組合員2人が、会社と高橋昌良代表に対して地位確認と賃金・遅延損害金の支払いを求めて起こした裁判は昨年11月30日、組合側の全面勝利的内容で和解が成立し、争議が終結しました。
小豆島グループ(小豆島タクシー・オリーブキャブ大阪・オレンジキャブ大阪)では道交法違反でキップを切られた乗務員に対して社内罰金を科していたほか、事故を起こした嘱託社員に会社の損害を全額賠償させていました。そして乗務員を借金で縛り、タコ部屋まがいの宿泊所に住まわせて「礼金」を徴収するなど、前近代的手法で職場を専制支配していたことから08年7月に新垣氏ら有志がオレンジキャブ大阪労組を結成。社内罰金制度や事故賠償制度が労基法違反であることを淀川労基署に申告し、昨年3月には同署から会社に是正勧告が出ました。事件が発生したのは同じ月の下旬です。
原告のAさんは事件の前月、会社に有給休暇取得を申し出ましたが認められず、労基署に相談。嘱託でも有休を取得できることや、交通違反の社内罰金として徴収された10万円についても返還を求めることができるとの回答を得てオレンジキャブ大阪労組に相談し、加入しました。もうひとりの原告であるBさんは同労組立ち上げに協力し、普段から新垣氏と親しくしていました。
会社は2人に対して突然、4月末限りでの雇用契約打ち切りを通告してきました。組合側は「雇い止めは労組への報復・組合つぶしであり、不当労働行為だ」として同年7月、大阪地裁に提訴しました。
今回の和解条項によると、会社は2人の雇い止めを撤回し、解決金を支払いました。Aさんは昨年4月30日付で退職し他社に移籍、Bさんは正社員として職場復帰し有休は2年分さかのぼって付与されます。
1月12日に開かれた大阪地連第2回拡大執行委員会でオレンジ労組・新垣委員長は争議支援の謝辞を述べるとともに、同氏に対する差別待遇が依然として続いていることを報告。「会社は和解後もまったく反省していません。労使関係の正常化めざしてがんばります」と決意表明しました。
大阪地連 2010年旗びらき
2010/01/25
年頭のあいさつを述べる岡田委員長(1月12日)
10春闘参院選
たたかいの主人公は労働者
政策要求実現めざし奮闘を
大阪地連(岡田紀一郎委員長)は1月12日、第2回拡大執行委員会に続けて「2010年旗びらき」を開き、80人が参加。なかまは「10春闘に勝利し、大幅減車による労働条件改善を実現しよう」「夏の参院選に全力を尽くそう」と誓い合いました。
岡田委員長はあいさつで、「多すぎるタクシーを減らし、同一地域同一運賃を実現するためにも運動の強化が求められます」と強調。さらに政策要求実現をめざす中での政治力の必要性を指摘し、夏に行われる参議院選挙について「重要な政治戦と位置付け、組合員の思想・信条の自由を尊重しながら奮闘していきたい」とちからを込めました。
来賓あいさつでは大阪労連の川辺議長が、「大企業に内部留保を社会的に還元させる∞米軍への思いやり予算を含めた軍事費に踏み込む≠アとで財源確保しない限り国民生活も日本経済も改善しない」との認識を示したうえで、「たたかいの主人公は我々労働者。派遣村が必要な事態が二度と起こらないよう、連帯して総力あげてたたかっていきましょう」と呼びかけました。
また、2月4日にセクハラ・パワハラ裁判の結審を迎える中央交通労組のなかまが争議支援の謝辞を述べるとともに、会社が「仕事の激減」を口実に新たな組合攻撃、バスガイド職の合理化を突きつけてきたことを報告。裁判の傍聴支援や判決に向けての署名への協力を訴えました。
岡田委員長・年頭あいさつ
2010/01/06
小ずるい事業者¢゙場させ
タクシーを魅力ある産業に
自交総連大阪地連 執行委員長 岡田紀一郎
タクシー・観光バスで働く仲間の皆さん。新年あけましておめでとうございます。
新しい年を迎え、大阪地連執行部を代表して一言ご挨拶させていただきます。
昨年は大きな出来事がありました。2年間で3人も総理大臣が交代するなど、かねてより凋落(ちょうらく)傾向であった自民党は、衆議院選挙の結果、大物議員が続々と落選し、歴史的な大敗北を喫しました。一方、連立を組んでいた公明党も党代表、幹事長、大臣経験者も落選するなど大幅に議席を減らし、政権の座から滑り落ちました。
民主党は政権公約で普天間基地の「県外、国外移設」を打ち出したにもかかわらず、鳩山首相は態度を二転三転させ、結論を先送りしました。また、政府税制調査会は大企業・大資産家への優遇税制を温存する一方で特定扶養控除(所得税と住民税)の圧縮を検討するなど、民主党政権になってもアメリカ追随・大企業優遇の姿勢は自公政権と何ら変わるものではありません。
皆さん。
02年2月に世紀の悪法「改正道路運送法」が施行されてから本年2月で8年になります。この間、新規参入は80社以上。増えたタクシーは3800台。運賃は下限割れのワンコインや5・5遠割など、バラバラの60種類以上。大阪は規制緩和の実験場とまで呼ばれています。
私たちを取り巻く状況は、規制緩和後の競争激化に加え、世界同時不況や新型インフルエンザ、最近ではデフレの影響などでタクシー利用者が激減し、年収は300万円を割り込んでいます。厚労省の賃金センサスでは、08年度の大阪のタクシー労働者は年収350万円となっていますが、私たちが把握しているところでは260万円ぐらいが実際の平均年収ではないかと思われます。
昨年に発表された大阪市域の09年10月の輸送実績では、実働1日1車当たりの平均運送収入は25399円でした。前年同月に比べ3812円もの減収です。また、実車率は38.3%(前年同月40.9%)という驚くべき数字が示されています。
「聖域なき構造改革」を旗じるしに行われた規制緩和は、様々な産業や労働の分野においても実施され、観光バスに働くなかまにも重大な影響を及ぼしております。さらに観光バス業界でも、新型インフルエンザが不況を加速させ、大打撃を受けました。キャンセルが相次ぎ、経営破綻寸前に追い込まれる中小事業者が拡大し、各社とも生き残りに必死です。こうした状況で一番危惧されるのが大手旅行業者のさらなる(運賃値下げの)横暴です。過労運転が原因とされた「あずみ野観光バス死傷事故」を二度と引き起こさないためにも国交省が出した670キロ指針(ワンマン運行)を改善させなくてはなりません。
私たちはこの間、厳しい中においても、規制緩和の弊害を告発し、見直しを迫る運動を強化してきました。下限割れ運賃の是正、名義貸し行為の撲滅に向けた点検・摘発闘争や抗議集会。そして行政交渉、労使共同による共同闘争の追求などを行ってきました。
このように汗を流した結果、昨年6月に「タクシー適正化・活性化特措法」が全会一致で成立し、10月1日の施行に至りました。
同法施行後、新規参入・増車は事実上不可能になり、労働時間・最賃法違反・最高乗務距離など監査や処分基準が厳しくなりました。同法によって「悪貨」が駆逐されることへの期待と、「自分たちにも影響が及ぶのではないか」との不安が交錯しています。現在、体にむち打って長時間働いても賃金は30年前の金額です。「早く大幅な減車をしてほしい」そして「下限割れ運賃を何とかしてほしい」との思いは皆さん共通のものだと思います。
新法が施行されて3か月になります。下限割れ事業者への対策は若干前進したように感じますが、依然として跳梁跋扈している小ずるい事業者≠退場させなければなりません。
皆さん。
増えすぎたタクシーを減らし、不当な運賃値下げ競争をやめさせ、タクシーを魅力ある産業にするためにも、本年夏に行われる参議院選挙では自交労働者の真の味方になってくれる政党を躍進させましょう。大阪地連は組合員の思想・信条の自由を最大限尊重したうえで、この選挙を要求実現のための重要な政治戦と位置づけて取り組みます。
本年も厳しい情勢は続きますが、執行部一同、諸行動の先頭に立って奮闘する決意をお誓い申し上げ、年頭の挨拶と致します。