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2013年01月の記事
自交総連本部・第35回中央委員会〈討論〉 大阪地連からの発言(タクシー)
2013/01/25
身勝手な「乗務員不足」論
大幅減車と運賃統一急げ
ハンドルおおさか・運天武史編集長
(国際タクシー労組副委員長)
いま私たちの現場では、「タクシー活性化法で規制が厳しくなって走れなくなった、賃金が下がった」という不満の声をよく聞きます。しかし、私たちが忘れてならないのは、タクシー活性化法は私たちの運動の成果であるということです。長時間労働・過労運転の防止は私たち自交労働者が長年訴え続けている要求です。規制強化と同時に行うべき需給バランスの適正化やバラバラ運賃の是正ができていないから問題なんだ、ということをいま一度、職場全体の共通認識にする必要があると思います。
大阪タクシーセンターの最新の運転者証交付数によると、大阪府のタクシー会社の男性乗務員は60歳以上が6割を超えています。事業者や行政からは団塊世代の乗務員が引退した後の「乗務員不足」を危惧する声が上がっています。近畿運輸局自動車交通部の澤井部長は「現状を季節に例えると秋。いまは実りが多くおいしいものが食べられるけど、もうすぐ冬になる。労働力不足にいまから備えてもらいたい」と業界紙「交通読売」のインタビューに答えています。
しかし、今後乗務員が減っていくということは、減車の必要性がますます高まっていくということです。大阪市域では11月の平均稼働率は76.4%でした。タクシー活性化法の本旨である運転者の賃金・労働条件改善ができていない状況でありながら車をダブつかせて「乗務員不足」とは、身勝手極まりないと思います。誰のせいで業界が焼け野原になってしまったのか、規制緩和を強行した行政、規制緩和に悪のりした事業者には、そのツケを大幅減車、バラバラ運賃是正という形でしっかり払わせなければなりません。
自交総連本部が第35回中央委員会ひらく
2013/01/25
構造改革への回帰許すな
自交総連本部(城政利委員長)は1月16〜17日、『賃上げと安定雇用・働く権利の確保を、組織の強化拡大 2013年春闘』をスローガンとして第35回中央委員会を東京都内で開き、2013年春闘方針を全会一致で決定しました。
第35回中央委員会は議長団に相楽(東京)・吉田(大阪)両氏を選出して議事を開始しました。
城委員長はあいさつで「タクシー活性化法の下、全国で減休車が進んだが依然として充分な労働条件改善には至っていない」「東京を中心にスマートホン配車、病院や商業施設の専用乗場獲得などのサービス競争が起きているが、経費を乗務員に負わせることで安易に進めているのが現状だ」と指摘。「利用者が望むサービスとは何かをいま一度考える必要がある。目的地への的確な輸送、接客、安全運転など運転者の質の向上にこそ業界の未来がある。そのためには労働条件改善が必須であり、フランスでは安心安全確保、労働条件改善を目的として事業者間競争の抑制が法律で明文化されている」として「引き続き減車、タクシー運転免許法制化に取り組んでいく」と強調しました。
議案提案を行なった今村書記長は総選挙の評価について「自公政権の下で小泉構造改革路線に回帰する危険な動きがある。それをはねのける労働組合の本分が問われる場面が来たということだ。我々の今後の奮闘が求められている」と力を込めました。
2013年 あいさつ
2013/01/07
闘い持続していく中でこそ展望が
委員長 園田公作
先の総選挙で自公が圧勝する結果が出たことから政治、行政施策の方向変換がなされるかも知れない2013年に私たちはどう向き合って行くのか?この1年大阪地連として最も重要な課題だと考えます。
私たち自交総連は、30年以上に渡って「タクシー・観光バスの“規制緩和”は安心安全を破壊する」と、規制緩和が強行されても諦めないたたかいを続けてきました。安心・安全を実現するため「安全運転基準」の設定・強化・実効性など、交通現場に合わせた運動、交渉も持続してきました。
また、タクシーを公共交通として位置付け、それにふさわしい労働環境、待遇を求めてきました。経済失政で効果は阻害されてはいますが、諦めず持続することで少しずつ成果は現れてきています。ただ、まだまだ満足の行くものではありません。しかし、もし私たちの運動がなかったらどの様になっていたか?大阪タクシー協会幹部会社の実態を見ると、想像するだけで恐ろしさを感じます。
「私たち自交総連の伝統を踏まえ、たたかいを持続していく中でこそ展望が開ける」――私たち自身が勝ち取ってきた確信です。
「大阪から不法なタクシー会社を一掃する」「無法なタクシー経営者には退場してもらう」「産業自体を労働者優位にするためタクシー運転免許法実現に向け努力する」組合員の団結でこの1年立ち向かって行きたいと考えています。
労働者一人ひとりが政治に目を向けることも大切です。民主党だけが支持を失った原因の一つに、本来土台でなくてはならないものまで「セーフティネット」と言う言葉で、穴を開けてしまった事にあります。
例えば最低賃金。人の尊厳を労働の分野で実現するための最低条件の筈です。そして生活保護。さまざまな条件で労働できない人が尊厳を持って生きて行くための最低条件です。さらに誰もが受けられる地域医療。安心して生きるための最低条件の筈です。これらがことごとく壊されようとしています。
また原発廃止では、経済要請を優先して国民の命の土台さえ穴だらけにしてしまいました。枚挙にいとまがないぐらい問題があると思いますが、最近、それらに向き合っている国民が手を結び始めました。地の底の方からうねりを感じているのは私だけでしょうか。
今回の得票データーを冷静に見てみると、比例では自民も公明も減らしています。大きく増やしたのは不満の受け皿となった維新だけです。自民もTPP賛成を公約できませんでした。TPPや消費増税などを押し返すチャンスはもう一度あります。組合員とともに団結してがんばります。