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2015年01月の記事

大阪地連 新春旗びらき「職場・くらし・平和を守る」
2015/01/26

大阪地連 新春旗びらき「職場・くらし・平和を守る」 秋山委員長の発声で乾杯する大阪地連のなかまと来賓(1月13日、自交会館で)

「決戦の年」2015年


 大阪地連(秋山民夫委員長)は1月13日、自交会館で第2回拡大執行委員会を開くとともに2015年の旗びらきを行い、なかまは「特定地域指定による労働条件改善を勝ち取ろう」と奮闘を誓いあいました。

 年頭のあいさつを行なった秋山委員長は、国土交通省が昨年12月26日に公表した特定地域の指定基準案について「“適正車両数の上限値を上回っていること”を指定の前提条件にしており、大阪市域は候補にすら入らない恐れがある」と警鐘を鳴らし、労働条件改善の実効性が担保されていないことを批判した上で、「元々の規制緩和が失敗だったのであり、その総括を行政にきちっとさせる運動が必要」との考えを示しました。
 来賓あいさつでは、大阪労連・川辺議長が「4月の一斉地方選挙で維新の息の根を止めるたたかいが5月17日の大阪都構想・住民投票に大きく響く。11月には大阪府知事・大阪市長のダブル選挙もある。大阪はこの2015年が決戦の年」「2015年春闘は一斉地方選挙の時期と重なる。我々の生活の上でも、政治の局面でも、決戦」と強調。
 大阪交運共闘・南議長は「安倍政権によるアメリカ・大企業いいなりの構造改革、戦争する国づくりに労働運動全体として立ち向かい、格差社会の是正や労働規制緩和の阻止など、社会的課題の解決に向け邁(まい)進しよう」と呼びかけました。
 各単組の代表もマイクを握り、関西中央自動車労組の金光委員長は「長年タクシードライバーとして生活してきた。職場を、タクシー業を愛している。若い人が入ってきて、真面目な仕事で生活できるような環境、労働条件にしたい」との思いを熱く語りました。

泉州交通圏の準特定地域指定解除──現場の声は
2015/01/05

泉州交通圏の準特定地域指定解除──現場の声は 営収低下を訴える声が多かったJR和泉府中駅

「このままでは業界潰れる」


 改正タクシー特措法に基づく準特定地域から昨年10月31日に指定解除された泉州交通圏。同地域では新規参入や増車が可能になり、運賃は自動認可制で下限割れも個別審査となります。12月21日に大阪地連・松下書記次長と本紙・運天編集長が同地域に赴き、乗務員の生の声を集めました。(泉州交通圏=大阪府泉大津市、和泉市、高石市、岸和田市、貝塚市、泉佐野市、泉南市、阪南市、泉北郡及び泉南郡)

「営収3万しんどい」
「新人入ってこない」


 泉州交通圏では2013年度の平均日車営収が01年度(規制緩和直前)よりわずかに上回り、準特指定要件を満たさなくなったことから指定解除されました。
 泉佐野駅で聞き取りを開始した二人はまず“本当に規制緩和直前の水準に戻ったのか”を訊ねましたが、どの乗務員も高齢でありながら乗務経験が浅く、規制緩和当時のことはおろか、準特指定が外されたことや制度そのものを知らない人ばかり。日車営収についての回答は隔勤で3万円〜4万円の範囲内でした。
 やっと出会ったベテラン乗務員は営収について「いまの時期だけですわ。(普段は)3万いくのもしんどいんちゃう?」と明かし、「(準特から)外れたからいうてね、運転手にメリットあるかいな。客が減ってきてますやん」「一番怖いのはワンコインとかエムケイとかが来たら、駅構内は入れなくても、その回りで待たれたらどういうことかということやな」と危機感を示しました。
 次に赴いた貝塚駅では、“準特から外れて新規参入が可能になる”との説明に対して「なるようにならんとしゃあないな。いままで何してもあかんかったもんな。先も短いし若い者に任すわ」とあきらめ顔でした。

夜勤の仕事が激化

 岸和田駅で特徴的だったのは“関空”と“車のだぶつき”。
 Aさん「関空(関係の仕事)は増えましたよ、ピーチ(安売り航空会社)で。うちの会社はだいぶ潤ってますよ」
 Bさん「うちの場合は入ってくる人が少ない、募集かけても車が余ってる状態やからね、それを会社は遊ばすまいと思って懸命にやってる。(規制緩和前の水準に戻ったのは)乗務員が少ないんですわ、夜なんか特に車が足らんから。夜勤は仕事がきつくなってる」
 Cさん「まあ大阪市内のタクシー会社は狙(ねろ)うてるやろうな、みんな。こっちは関空があるからな。運転手が足らん。やめるばっかりで入ってけえへん。成り立たんもん。生活でけへんもん」

「休憩・有休とれない」
「ほんまに政治が悪い」


 最後に赴いた和泉府中駅では返答が一変。大手事業者の女性乗務員に調査への協力をお願いしたところ「労働組合?いいですねえ、うらやましいですね」。
 ──行政は準特指定を外した理由を“営収が規制緩和前の水準に戻ったので”と説明していますが…
 「戻ってないですよ!下がってますもん。毎月毎月どんだけキーキー言うてるか。ほんまにみんなの売り上げ見てもろたらいいと思うわ」
 ──日車営収はいくらぐらいですか?
 「めっちゃ頑張ってやっと4万って感じ。寝ずに、休憩もとらずに。正直、休憩とったら水揚げなんかないですもん」
 ──会社は“必ず休憩をとるように”と言わないんですか?
 「“とれ”とは言いますけど、“空車状態が休憩”みたいな、そういうのでやってるだけで実際には空車は待機してますもんね」
 ──有休とってます?
 「とったら売り上げないですもん。ノーコメント(笑)。でもしんどいです」「労働組合つくってほしいわ、言うたら怒られる(笑)。会社にも言いたい。みんな不平不満だらけですよ」
 次に話を伺った男性乗務員は日勤で平均営収が1万3千円。「(規制緩和前の水準に)戻ってない。そんな実感ないな。まだ落ちてる」「小泉(政権)の前まではもっと良かったよ。車どんどん増やしてくるんやもん、ええことないわな」

普通の生活できない

 最後に話を伺った小規模事業者の乗務員は、怒りを一気にぶちまけました。
 「誰がそんなん決めたんですか。ここなんかもう3、4年下がってますよ。そんなバカな話、だから僕ら嫌なんですわ。アベノミクスでもそうでしょう?下々(しもじも)は何もないですがな。僕ら政治に言うてほしいです」
 「私まだ61やから若いほうかもわからんけど、いつ事故起こすかわからんよ。65でやめようと思ってるけどね」
 「こんな調子でいったらおそらくタクシー業界つぶれますよ。僕はそう思ってる。年寄りしか乗られへん、若い子が育つはずがない」
 「そら若い子はタクシーやったらすぐ働けるけど生活できませんやん。嫁はん子どもおったらある程度収入いるわけやから。そら夜寝んと走ったら別ですよ。そやけどそんなことしたら体壊(いわ)しますやん。普通の時間働かせてもろうてね、普通の生活できるようにもっていってもらわんと無理でしょう、こんなもん」
 「ほんまに政治が悪い。(自交総連は)タクシー業界のことばかりやろうけどやっぱりそういう面も力出るように話してほしいです」

年頭挨拶
2015/01/05

年頭挨拶

道筋示さぬ国土交通省の責任重大


執行委員長
秋山 民夫


 2015年の年頭にあたり、新春のごあいさつを申し上げます。
 昨年を振り返ると年末の突然の解散総選挙に代表されるように、安倍暴走政治に振り回され続けた1年でした。
 特定秘密保護法の強行採決・施行に続き7月には集団的自衛権行使容認の解釈の変更を国会閉会中に閣議決定で行う等、国会を軽視し、また11月の沖縄知事選挙で明確に辺野古への基地移転反対の県民の民意が示されたにもかかわらず、それを無視し基地移設を推進しアメリカ言いなりに海外で戦争をできる国づくりに奔走しています。年末の衆議院総選挙で3分の2を超える議席を得た自公政権が、一部野党を抱き込み9条を含む憲法の明文改憲を目指すことは明らかです。国民の政治への失望から前回選挙に引き続き戦後最低の投票率でした。今回も小選挙区制の弊害から大勝した自公政権ですが、国民から白紙委任を受けたわけではありません。
 私たちが働くタクシー業界を振り返ると、昨年1月に施行された改正タクシー特定地域特措法、この法の実効性のある運用により大阪市域交通圏をはじめとする各交通圏が特定地域に指定され、地域の実情に見合った適正な台数への減車が期待される中、4月の消費税増税に伴い運賃問題も公定幅に収斂し、他の労働団体とも協力共同して5・5遠距離割引廃止を求めました。遠割問題は、多数の事業者が同調し、廃止の申請が出されるも一部の事業者の抵抗に遭い実現せず、公定幅に収斂されると思われた運賃問題も一部事業者が裁判に訴え解決には至っていません。このような事態に至った背景は国土交通省の不作為に起因するもので、行政の責任は非常に重い、そして遅くとも夏までに出されると思われた特定地域の指定基準が、1年が経過しようという時期に至ってもいまだに出されていません。
 反面、準特定地域に指定された地域が基準をわずかに超えた(01年比、日車営収194円増)だけで昨年10月末に指定が解除されました。所期の目的である労働条件の改善がなされたかは指摘するまでもありません。労働条件を考慮しない「基準」そのものに誤りがあり、運用の欠陥を露呈したものです。そしてこの様な状況に乗じたのが橋下大阪市長の「タクシー特区発言」であることを指摘しなければなりません、これらの一連の動きは規制緩和勢力の台頭です。
 2002年の規制緩和失敗の総括もなく、09年のタクシー活性化特措法、今回の改正タクシー特定地域特措法の実効性ある運用もいまだなされず、国土交通省はタクシー業界をどう指導しようとしているのか全く道筋が見えません。
 現状のままでは大阪のタクシー業界は、労働条件が改善されず、若年労働者の流入がなく、壮年労働者の減少も伴い乗務員の平均年齢が上がり続けタクシー事業の存続すら危うくなります。
 観光バスも重大事故を教訓とした道筋を国土交通省は示していません。「交替運転者の配置基準」も原則1運行400キロとしているものの空車距離を含まず、日々変わる道路状況のなか大型車を動かす労働というものの本質が考慮されていません。安心・安全の確保は過労の排除をどう制度化するかと言うことです。
 結びになみはや交通の争議を1日も早く解決するとともに、業界に横たわる諸問題の抜本的解決に向け、「人で縛る」タクシー運転免許構想の実現をめざし、諸要求実現に向け団結して広く世間に訴え、ともに奮闘して参りましょう。