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2018年01月の記事
2018年の奮闘決意・大阪地連旗びらき
2018/01/31
白タク合法化阻止、賃上げ・労働条件改善
団結の力で春闘勝利
自交総連大阪地連(福井勇委員長)は1月11日、自交会館で第2回拡大執行委員会を開くとともに2018年の旗びらきを行い、なかまは「白タク・ライドシェア合法化を必ず阻止しよう」と奮闘を誓いあいました。
年頭あいさつを行なった福井委員長は「私たちの運動で市民の間にライドシェアの危険性が少しずつ周知されてきたが、ライドシェア推進勢力は圧倒的に大きなな力を持っており、マスコミを使って策動を続けている」として運動強化の必要性を訴えました。また、昨年11月28日に在阪労働5団体と大阪タクシー協会が共同で開いた「ライドシェアを考えるシンポジウム」について「自交総連大阪地連としては割り当てられた以上の動員に成功し、団結力を知らしめることができた」と評価し、今後の運動に向けていっそうの協力を呼びかけました。
労働法制改悪許すな
JAL争議解決せよ
「昨年は選挙に明け暮れた一年だったが、今年も政治戦に明け暮れる一年になる」──
大阪労連の川辺和宏議長は来賓あいさつで、「維新が今年秋の実施を狙っている『大阪都構想』住民投票をさせないたたかいが求められる」「通常国会では労働法制8法案が一括提案される見通しだが、労働基準法違反、長時間労働がまん延する中でのさらなる労働法制改悪は絶対に許すわけにはいかない」と力を込め、大阪地連のなかまに奮闘を要請しました。
JAL不当解雇撤回争議団・西岡ひとみさんは支援の謝辞を述べるとともに、「2010年の大みそかに『整理』解雇され8年目に入った。いまJALの職場では稼働が上がり、みんな疲弊した中で働いている。昨年10月以降、私たちが把握しているだけで5人の客室乗務員が救急搬送された」「解雇事件を解決するのみならず、過酷な労働条件を改善することは大企業としての社会的責任であり、何よりも利用者の安心安全につながっていく」と述べ、今後もたたかっていく決意を表明しました。
年頭あいさつ―つづく白タク合法化阻止
2018/01/09
執行委員長(北東地区協議会議長)
福井 勇
新年のごあいさつを申し上げます。
はじめに各単組役員の方は、明け番や公休日も日々組合員のくらしと権利を守るために奮闘していることに対し、敬意を表します。また組合員の皆さんも、大阪地連の運動や各種動員等にも積極的に協力していただきお礼申し上げます。
さて、2017年を振り返ってみますと、なみはや労組の3年半に及ぶ争議で勝利し、9月には勝利報告集会を開催できたことに、北東議長として結成当時から携わってきたので自分の事の様に嬉しく思いました。私自身、この争議で学ぶ事も多かったのですが、何よりも自交総連は、労働者を軽んじる様な経営者に対して、見栄えはどうあろうとも徹底的にたたかう強い気持ちとなかまの団結力が、結実した争議だったと思います。
自交総連は、一昨年から白タク合法化阻止に全勢力をあげて運動を展開しており、毎月「5の日行動」と合わせて大阪府下一円の主要ターミナルにおいて街宣行動やビラまきで市民やなかまにアピールしています。
いかに理解してもらえるかビラの内容も考えマイクでも工夫しながら訴えています。初めは、まだまだ完全に理解してもらえるには程遠く思えたのですが、最近は少しずつ少しずつ浸透しているように感じます。
そんな中11月には、在阪タクシー労働5団体と大阪タクシー協会が、全国的にも初となる労使共同での「ライドシェアを考えるシンポジウム」を開催するなどの取り組みも実施しましたが、総体的に見るとスピード感がなく、巨大な勢力の方が先行している状況だと言えます。
特区や社会実験を利用して、手を変え、品を変え、タクシー類似行為を広めようと、世間の様子を窺いながら着々と準備を進めています。
推進派は、何でもかんでも「2020東京オリンピック」「外国人観光客」「交通空白地の利便性」を3つのキーワードとして、マスコミ等も使い、「タクシー類似行為」の拡大を主張しています。こうした影響を受け多くの人たちは、タクシー産業が自分たちの既得権を訴えているとしか映らず、理解して貰えていないのが残念でなりません。
推進派の狙いは、安倍政権が推し進めようとする働き方改革で、労働者と雇用関係を結ばず労務管理もせず責任は全て請け負った個人任せ、リスクを負わず利益だけを吸い上げるシステムを作るために、タクシー産業が利用され足掛かりにされているのが実態です。
需要のない産業なら時代の流れとともに消滅するのは致し方ないと思うのですが、一部の企業の利益と都合の良い雇用関係で、労働者だけが犠牲になるのは何人たりとも許せる道理はありません。
白タク合法化反対に始まり白タク問題に終わった2017年でしたが、今年も白タク合法化阻止と、労働者のくらしと権利を守るたたかいは続きます。
いまさらではありますが、自交総連大阪地連の団結力が発揮され誇らしく思えた1年でした。白タク問題は年内決着できませんでしたが、色々なものは残せたと思っています。
皆さんにとって2018年が幸多い年であるよう祈念するとともに、白タク合法化阻止に向け奮闘してまいります。
本流逆流(1月5日付コラムより)
2018/01/09
私がタクシー乗務を始めたのは1994年、関空開港の年だ。養成で二種免許を取得した。地理講習で教官が「メーターを安く抑えるのが良い運転手」と言っていたのを憶えている。会社に戻ってからの実地研修は班長に側乗してもらっての日勤3回のみ。いまにして思えば、いや、いまでもほとんどの会社はその程度なのだろうが、新人教育など他産業に較べればないに等しい。
慣れるまではとにかく利用者に道順を訊ねるしかなかった。しでかした失敗は枚挙に暇(いとま)がない。荷物を取りにいったん車から降りる年配の男性に、何か質物を置いていくよう求めたところ、「相手の形(なり)見てもの言わんかい!」と怒鳴られたこともあった。それでも目的地に着くと料金を払ってくれるのである。
サービスの対価を払った後に「ありがとう」と付け加えて降車する利用者も多い。23年を経ても相変わらず失敗と反省の日々だが、利用者に育ててもらってここまで来たという思いはある。利用者、運転者、事業者。この三者が互いに支え合うタクシー産業がいま崖っぷちに立たされている。
サービスを高度化してライドシェアに対抗しようと考える事業者もいるが、白タク合法化を許せば交通空白地の住民や、生活に余裕のない庶民は安価なライドシェアを自己責任で使わざるを得ない。誰もが等しく受益できなければそれは公共サービスではない。
運賃問題、供給過剰の是正とマッチングの改善、利用者の信頼に応えるサービスとそれを裏づける賃金・労働条件など、取り組むべき課題は2018年も山積している。タクシーの安心・安全を守り、安心・安全に責任を負わない者の参入を許さない。どちらも法律で「公共交通」と認められた私たちの責務だ。