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2020年01月の記事
大阪労連第51回評議員会 自交総連からの討論発言
2020/01/27
白タク合法化に直結する
自家用有償運送拡大ノー
ハンドルおおさか・運天武史編集長(国際タクシー労組)
自交総連はいま最重点課題として「自家用有償旅客運送の拡大ではなく地域公共交通の充実を求める請願書」署名活動に取り組んでいます。
「自家用有償〜」とは、バス・タクシーのない過疎地で自治体・NPOが自家用車を使い住民の足を確保する制度で、利用者から料金はいただくけれども運転者は二種免許がなくてもよいというものです。あくまで例外的・限定的制度ですが、これを都市部の交通不便地でもできるようにしようと、観光客も利用できるようにしようと拡大する動きがあります。白タク・ライドシェアの合法化を狙う勢力はこれを「突破口」にしようとしています。
白タク合法化を許せば利用者が危険に晒されます。そしてタクシーは“名ばかり事業主”の仕事になり、労働者の奴隷化が他産業にも波及します。春の通常国会に向けて請願署名へのご協力をお願いします。
不見識・日経に公開質問状
2020/01/27
なぜ、推奨 米国・ウーバーの性被害の実態知りながら
安心・安全より金儲け優先か
自交総連本部(高城政利委員長)は1月8日、危険な白タク・ライドシェアに道を開く規制緩和を社説で主張する日本経済新聞社に対し、ライドシェアの危険性についての認識など4項目を問う公開質問状を配達証明郵便で送付、回答を求めました。
(参照=自交本部『自交労働者情報』1月8日付)
日経が「高齢者の『足』には多様な選択肢が必要だ」と題する社説を掲げたのは昨年11月29日付(電子版28日)。
社説は「高齢者の生活の足をどう確保するか。自動車の運転免許証の自主返納が増えるに伴い、足の問題は一段と深刻化している」と問題提起。「自治体の財政事情が苦しいなかで、今できることは住民の参加を促す仕組みづくり」として新潟県山古志地域でNPO法人が行なっているライドシェア(移動したい人と送迎できる住民をアプリでつなぐ)を紹介した上で、「善意に頼るのでは事業基盤として安定しないといわざるを得ない。米ウーバーのような有償サービスとしての道を開く規制緩和を進めるべきだ」と白タク解禁論を展開しています。
危険なライドシェアの導入を推奨するのは、多くの読者を持ち、社会的な影響力のある新聞社として無責任な態度であり、見識が問われます。自交総連として看過できないとして、公開質問状を送り、公表することとしました。
性的暴行被害が多発
ウーバーの危険な実態
米ウーバーは昨年12月、安全性に関する報告書を公表。2017〜18年の2年間でウーバーに関わる性的暴行被害が5981件(うちレイプ被害が464件)、殺人事件の被害者が19人という、驚くべき実態が明らかになりました。
公開質問状は、「高齢者の生活の足をどう確保するか」という課題について、「地域交通においては、移動において安心・安全が保障されることが何よりも必要」「ライドシェアは、それを保障し得ないものであり、多様な選択肢の一つにはなり得ない」と指摘。日本経済新聞社に対し、「ライドシェアの危険性をどのように認識しているのですか。とくにウーバーの安全報告書で示された事件等の実績をどのように評価しているでしょうか」「ライドシェアが日本に導入され、そこで事故や事件が発生し被害が生じた場合、ライドシェアを推奨した貴社はどのように責任を取るお考えですか」と問うています。
24年ぶりの運賃改定
2020/01/08
再び、バラバラ運賃か
官邸筋の横やりで国内48ブロックの運賃改定が頓挫していましたが、2月1日から実施される運びです。大阪も24年ぶりの運賃改定になりますが、距離短縮運賃や上限、下限等でバラバラになる可能性もあり労働条件改善が進むのか注視する必要があります。
内閣府や経済産業省の横やりが入り、10月1日から消費税2%分だけ転嫁した運賃改定が行われ、本運賃については、国土交通省が前代未聞の「継続審査」とし、運賃改定自体が危ぶまれていましたが、全タク連をはじめ大阪タクシー協会、そして組合側も様々なツールを使い働きかけを行い、「運改」という実を得ることができました。
2月1日から本運賃の改定「値上げ」が行われることになるのですが、同時に深夜割増も23時から22時に変更されます。1年で一番ヒマな2月に、銭勘定の激しい大阪府民の過去の例からしてもタクシーを敬遠することが懸念され、その影響を乗務員が被る可能性を排除できません。
この間、大阪はバラバラ運賃に悩まされようやく収束してきたといえる状況でしたが、今回の運賃改定で1.7キロ680円(普通車上限)に対し、大阪市域、北摂交通圏に設定された加算距離前倒しによる初乗り距離短縮運賃(1.459キロ600円・同)や550円を主張する事業者もいて、労働条件の改善にむけた不確定要素が多すぎます。労働条件改善を進める為には上限運賃に集約すべきです。
滋賀県大津市のライドシェア特区阻止・「公共交通」署名
2020/01/08
大津市労連・江口委員長(右奥)と神原書記次長(右手前)に自家用有償運送拡大阻止への協力を要請する大阪地連と京都地連のなかま(12月12日、滋賀県大津市庁舎内の大津市労連事務所で)
市職員労組に協力要請
問われる次期市長の政策
市民を危険にさらすな
自交総連関西ブロック(議長=大阪地連・福井勇委員長)は12月12日、滋賀県の大津市職員労働組合連合会(大津市労連)の事務所を訪問し、越(こし)直美大津市長が推進するライドシェア導入の阻止に向けた共同を呼びかけるとともに、「自家用有償旅客運送の拡大ではなく地域公共交通の充実を求める請願書」署名活動への協力を要請しました。併せて京都駅、大津京駅での宣伝にも取り組みました。
要請・宣伝には大阪・京都両地連から、のべ13人が参加しました。大津市労連への要請で趣旨説明した大阪地連のなかまは、ライドシェア大手・米ウーバーで性犯罪が2年で6千件近く発生していることを紹介するとともに「ライドシェア導入で地域公共交通がつぶれた後には何も残らない。最終的には市民・利用者が害を被る」として反対運動への理解と協力を要請。大津市労連側も快諾しました。
大津市労連・江口辰之委員長は、2020年1月19日に行われる大津市長選挙で現・越市長の後継候補とされる元市職員について、「人事課長として決していい仕事をしてきたとは思っていない」と述べ、「正直言ってしっかり要求を託せる候補者がいない」と苦渋をにじませました。