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2007年02月の記事
第64回中央委員会
2007/02/23
07春闘方針(案)を採択後、ガンバロー三唱する大阪地連のなかま
生存権守るため集団交渉に挑戦
大阪地連は2月15日、ウェルサンピアなにわ(大阪市住之江区)で『有利な条件生かし、かちとれ!賃上げ 組織の拡大 07春闘』をスローガンに第64回中央委員会(議長=平井、吉松氏)を開き、07春闘方針(案)他3本の議案と07春闘アピールを採択。春闘本番を迎え、たたかう体制を確立しました。
委員長あいさつ(掲載2面)に続いて連帯あいさつに立った自交総連本部の小林書記次長は冒頭、「スローガンの"有利な条件"に皆さん、違和感ありませんか」と場内に問いかけ、規制緩和の問題点や運転者登録制度が盛り込まれた昨年7月の交政審小委員会報告と全国的な運賃改定の動きを二つの"有利な条件"として紹介。大阪の運賃改定については「"有利な条件"を生かすのではなくてどう作るか」と述べ、バラバラ運賃を是正しないと「実現性が非常に低い」と指摘しました。
大阪労連の植田議長は「財界に対する国民・労働者の怒りの声を背景に、今春闘は"攻めの春闘"にできる」との考えを示し、統一地方選挙と参議院選挙では「お金のちからで政治を改悪しようとする財界の動きに"待った"をかけましょう」と呼びかけました。
議案提案を行なった久保書記長は春闘が「私たちの生存権を守るたたかい」であることを強調し、「バラバラ運賃を解決するために集団交渉を組むことが春闘最大の課題です」とちからを込めました。
07春闘方針(案)など4本の議案と07春闘アピール(案)が採択されたのを受け、決意表明で権田闘争委員長は「正社員だけではなく"労供の労働条件"と"嘱託雇用者の待遇改善・賃率アップ"を強調したい」と述べた後、集交成立をめざすたたかいについて「これは要求ではなく"挑戦"です」と表現。最後に「困難な情勢だが失うものはない。あとはやるしかないという構えでたたかっていきたい」と結びました。
第64回中央委員会・委員長あいさつ
2007/02/23
過当競争やめさせるために集団交渉を
いま日本経済は「いざなぎ景気」を超え、景気回復が継続している、などと言われていますが、私たち労働者・国民には、まったくその実感がわきません.国税庁の調査では民間労働者の賃金は、8年連続して減少しています.景気回復は、一部大企業の利益を「保障」しただけで、労働者・国民のくらしと無関係です。
この間、財界いいなりの「小泉構造改革」で5兆円の増税が労働者に押しつけられたうえ医療制度、年金制度、介護保険など社会保障が連続して改悪されました。その結果、「ワーキングプア」に代表される貧困と格差が拡大し、労働者・国民の生活は深刻化しました。
そして昨年、構造改革を継承するとして発足した安倍政権は、5年以内の改憲や集団的自衛権の容認、「愛国心」教育の強調など、「戦争する国」づくりの姿勢を隠そうともしません。
07春闘では、このような安倍政権の悪政阻止、憲法改悪反対、格差と貧困の是正、などの要求を掲げて闘っていきます。
今年は政治の転換を実現するチャンスです。4月に統一地方選挙、7月に参議院選挙が実施されます。この二大政治戦で、規制緩和に賛成し、私たち自交労働者を奈落の底まで落とした自民・公明・民主に対して、怒りの鉄鎚を下すとともに革新勢力の前進めざして、奮闘することが重要です。
みなさん。
タクシーの規制緩和が実施されてから早いもので、この2月1日で丸5年が経過し、6年目に突入しました。大阪では規制緩和後、3000台の増車と運賃値下げ競争によって、労働者がその犠牲を一方的に強いられています。
春闘は、こうした労働者犠牲の運輸行政と、政府の規制緩和推進施策に抗議し、事業者には、不毛な過当競争の中止を求めるとともに、業界秩序の回復を促し、同時に「安心・安全」のタクシー輸送確立をめざす闘いです。
多すぎるタクシーを減らし、運賃競争をやめさせ、適正運賃を実現し、労働条件を抜本的に改善するには到底、単組交渉では限界があります。それらの要求の実現には、政策課題を真摯に討議・実践する集団的な交渉の場所が必要不可欠と考えています。
そこで07春闘では、集団交渉を提案し、その実現めざし奮闘するものです。
集団交渉で掲げる要求は賃金要求はもとより、労供・嘱託労働者の雇用制度のネットワーク化。さらに政策的要求として●増車反対●遊休車両の減車●バラバラ運賃反対●低額・下限割れ運賃を中止に追い込む方策の検討、などを通じて不毛な運賃競争をやめさせ、上限に張り付いた運賃を実現する道筋をつけることです。そして「大阪タクシー再生労使懇談会」の設置も事業者に呼びかけます。この懇談会を労使で府的規模に拡げていかなければなりません。集団交渉の成立に向け共に奮闘しようではありませんか。
みなさん。
観光バス労働者も、規制緩和で企業間のサバイバル競争が激化した結果、凄まじい大幅な賃金カット攻撃、雇用不安、事業の身売りなどの危機に直面しています。
こうした厳しい状態の大きな要因として、規制緩和に乗じて安売りをなかば強制するJTBなどの大手旅行業者の存在があります。今春闘は旅行業者団体に対する申し入れと、その業者を指導・監督する立場にある近畿運輸局企画観光部との交渉を積極的に推進し、運賃のダンピング競争に歯止めをかける闘いに力を注ぐ決意です。
このように、いまタクシー・観光バスのすべての職場では、ルールが崩壊した過当競争で「安心・安全の破壊」「賃金破壊」「権利破壊」「雇用破壊」が凄まじい勢いで進んでいます。
抵抗もせず、黙って我慢しているだけでは、事態はますます悪化するだけです.人並の生活をめざし、共に奮闘しようではありませんか。
最後に07年春闘では、全組合員が総決起する体制を構築し、総団結して闘い、要求を前進させ、仲間を大きく増やし、組織強化・拡大を実現してちからをつけ、魅力ある自交総連大阪地連となるように、すべての組合員が奮闘されることを期待し、中央委員会でのあいさつとします。(要旨のみ)
三和交通新家社長 2年分の割増賃金支払う
2007/02/14
十河広勝委員長(三和交通労組)
三和交通梶i新家照正社長)は1月30日、未払いになっていた全従業員の過去2年分の割増賃金600万円を、大阪南労働基準監督署の是正勧告に従って支払いました。これまでに支払われた分と合わせると総額850万になります。三和交通労組(十河広勝委員長)の粘り強い活動が結実しました。
十河委員長
「賃金体系改革への第一歩」
労働組合の闘いが全員支給勝ち取る
00年の労組結成以来、最賃法違反・不誠実団交などの不当労働行為に対して敢然とたたかってきた十河委員長が、賃金規定を精査して残業手当や深夜手当が法定額より少ないことを突き止め、南労基署に告発したのは03年4月のことでした。組合の主張を認めた同署が会社に対して労基法第37条違反として是正勧告を行なった結果、05年10月に委員長個人に対して過去2年分の割増賃金が支払われました。
しかし全従業員に対しての支払いが履行されなかったため、その後も継続して是正勧告を要請しましたが、充分な指導は行なわれませんでした。
それでも同委員長はあきらめず、同僚に会社の不当性を説き続けました。そして昨年2月から3月にかけて熱意に共感して組合に加入した8人とともにあらためて南労基署に要請し、組合員全員に対する未払い割増賃金220万円を支払わせることができました。
しかし危機感を抱いた会社は3月14日に新加入した組合員のうち3人を「仮眠室の私物化」などを理由に不当解雇。大阪地連が即座に支援体制を確立し、大阪地裁に提訴してたたかった結果、6月9日には解雇撤回・解雇期間中の賃金全額支給など組合側の勝利的内容で和解が成立しました。
その6ヶ月後の12月4日、大阪南労基署は全従業員の割増賃金を支払うよう是正勧告しました。
十河委員長は「職場のなかまへの割増賃金の支払いは、組合として粘り強く闘ってきた成果です。会社の抵抗は本当に激しかったが、これを第一歩に賃金体系の改革につなげていきたい」とコメントしました。
国交省の歪曲は許さない
2007/02/14
自交総連本部は、国土交通省が、「地理試験の合格を運転者登録の用件とする」「政令指定都市について導入することを基本とする」とした昨年7月の交政審小委員会報告に反した改正案「タクシー運転者登録制度概要案」を作成していることが判明し1月19日、「抗議・要請書」を同省に提出するとともに改めるよう抗議しました。
これは、国交省が一部事業者の声を聞き入れ、地理試験を行わない、政令指定都市のうち静岡・浜松・新潟を除外、新指定地域では適正化事業を行なわないなど、登録制度の役割を骨抜きにする内容です。
大阪地連も3月6日の中央行動で「タクシー運転者登録制と運賃改定に関する請願書」を提出し、抗議行動を行ないますので組合員の奮闘を呼びかけます。
大阪労連民間部会 「2・6学習決起集会」
2007/02/14
"憲法どおりの日本"春闘・選挙戦で実現
大阪労連民間部会は6日、「2・6学習決起集会」を大阪市北区内で開き、石川康宏神戸女学院大助教授が「格差・貧困、平和をめぐる社会の反撃ー07春闘、2つの選挙を前にして」と題する講演を行いました。集会には50人が参加し、大阪地連のなかまも情勢の認識を深めました。
石川助教授は「ろくでもなさに対してたたかおうとする人たちの姿が大きく表れているのが今の社会の特徴」として、平和の問題と経済の2つの角度から、反撃の動きを紹介しました。
平和をめぐる問題について、改悪教育基本法が12月15日に成立したことで運動が終わったのではなく「いま全国で衣替えが行なわれています」として、良心の自由を保障した憲法に反する教基法の具体化を許さないための取り組みを紹介。また、新聞などのアンケートで改憲反対が賛成を上回ったことについて、6千組織に拡大した「9条の会」など「運動のちからが世論の背景にあります」と評価しました。
会社は生存権を守れる給料払え
同助教授は続けて、全労連が標榜している"もうひとつの日本"は「"憲法どおりの日本"でいいと思います」と主張し、春闘の手段として勤労権や生存権など憲法を活用するよう提案。「会社には生存権を守れる給料を払う義務があります。"これでは家族が食っていけない"と言ってやればいい」と話しました。
また労働運動の問題点として、正規雇用の男性労働者が「労使関係を自分の職場の中でしか考えないから視野がせまい」として、男女差別や非正規雇用の問題を、妻や子の視点から見る必要性を説きました。
いちばん大事なのは"私事"(わたくしごと)
さらに「家族」を掲げてたたかうドイツの労働運動と比較して、日本の労働者は「"私事"がいちばん大事なことなのに、"会社が第一"と洗脳されている」と指摘。世界的には日本の方が例外で、「そこを乗り越える必要があります」と論じました。
最後に、世の中をよくするためには労働者・国民の「政治的教養を高めることが運動の根本」と強調し、「運動の先頭に立つ皆さんによく学んでもらわないといけません。"勤労者通信大学"でお待ちしてます」と締めくくりました。
南地協「5の日」行動
2007/02/05
対話で組織拡大促進
1月25日、南地協(堀川卓夫議長)は組織拡大「5の日行動」に取り組み、南海沿線の主要駅などで「本紙」1月下旬号を500部無料配付しました。
行動には佐野南海、鳩、大同、富田林交通、国際の各労組から24人が参加し、南海線・高野線・泉北高速線の3コースに分かれて出発。参加者は配付しながら、各駅の乗務員と積極的に対話しました。
河内長野駅で対話した乗務員は「私らは(実車)回数で稼いでいるので、遠距離のお客さんにあたると"遠割り"でつらい。会社はもっと(運賃がバラバラにならないよう)まとまってほしい」と訴えていました。
規制緩和5年「2・1怒りの行動」
2007/02/05
「規制緩和はあきまへん!」「値下げ競争あきまへん!」とシュプレヒコールでアピールするなかま(2月1日、心斎橋大丸前で)
事業者・政府への怒りを発信
タクシーの安心と安全を破壊した「新」道路運送法が施行されてから丸5年を迎えた2月1日、大阪地連(権田正良委員長)は早朝ビラ宣伝や御堂筋デモを「2・1怒りの行動」として取り組み、際限のない値下げ・増車競争に苦しむタクシー労働者の過酷な労働実態を市民・利用者に訴えました。
「労働者はくたくた」とビラで市民に訴え
8時30分、御堂筋の淀屋橋上では寒気のきびしい中、40人のなかまが道行く人々に「タクシー労働者は"くたくた"」との見出しで規制緩和の弊害を訴えるビラとティッシュを配りました。また宣伝カーからは、地連三役が市民に向けて運動への理解と支援を求めて訴えました。
10時、御堂筋デモ参加のなかまは出発に先だって、大阪市役所横で集会を開き、意志統一しました。主催者あいさつに立った権田委員長は、大阪のタクシー労働者の現状について「50種類に及ぶ値下げ運賃と3千台以上の増車で、いくら命がけで働いても生活保護基準以下の賃金にしかならない、みじめな実態に置かれている」と指摘し「輸送実績が毎年低下しているのに増車した結果、稼働率が低下して4千台止まっている。何を考えているのかといいたい」と大阪のタクシー事業者を厳しく批判しました。そして「安心安全が破壊されている今の状況を市民に告発し、労働者に犠牲を押しつける事業者や規制緩和を強行した政府・国交省への怒りを発信しよう」との呼びかけに参加者は「よっしゃー!」とボルテージを上げました。
続いて大阪労連の植田議長は連帯あいさつで「パリやロンドンなどは一貫して規制が維持されアトランタでは再規制が行なわれるなど"タクシーの規制緩和は間違っている"というのが世界の趨勢です。この間の皆さんの運動で、国交省が運転者登録制度の導入を検討せざるを得ないところまで追い込まれたことに確信を持ってほしい」と激励しました。
ガンバロー三唱の後、260人のなかまが「ちんどん通信社」の先導で御堂筋デモに出発。「タクシーの規制緩和は」「あきまへーん!」「今日の水揚げどうでっか?」「あきまへーん!」との岡田副委員長とデモ隊の掛けあいシュプレヒコールに、街の人々は足を止めて、興味深そうに見つめていました。