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2009年02月の記事
第66回中央委員会 岡田委員長あいさつ(要旨)
2009/02/25
私たちの運動で実効性ある特措法にしよう
皆さん。アメリカに端を発した未曾有の金融危機が、輸出依存型の日本経済を直撃し、円高や株安で輸出企業が軒並みに減益傾向となっています。大企業は内部留保や株主配当には手をつけず、非正規雇用労働者の仕事と住まいを取り上げ、寒風吹く路上へ追いやる派遣切り≠全国で行い、全産業に波及する勢いです。
麻生内閣は景気対策として「2兆円定額給付金」を打ち出しましたが、国民から「選挙目当てのバラマキだ」などと批判を浴び、迷走を重ねています。
また、消費税の3年後の増税を明言したことも国民の反発を買っており、内閣支持率は報道によると10%前後にまで急落し、末期的な状態を呈しています。
皆さん。悲しい出来事が起こっています。昨年末から今年にかけてタクシー強盗事件が相次いで発生しました。兵庫県稲美町、東大阪市西石切では尊い命が奪われております。その後も模倣犯とみられる凶悪な事件が後を絶ちません。
大阪地連は1月8日に「声明」を発表するとともに、三役・専従が大阪タクシー協会と大阪府警本部を訪問して緊急の申し入れを行いました。痛ましい事件を未然に防ぐために、防犯仕切り板、監視カメラの設置の義務づけなど、実効性のある施策を速やかに講じるよう求めました。
皆さん。このような情勢のもとで09春闘をたたかうことになります。はっきり申し上げて厳しい春闘になります。
タクシーの規制緩和が実施されて7年が経過しました。この間、タクシー労働者は塗炭の苦しみを味わってきました。
規制緩和実施後、大阪のタクシーは利用者が激減しているのに3000台以上も増え、営業収入は30年前の水準に逆戻りしています。さらに世界同時不況の影響で10月頃から営収の落ち込みが激しくなりました。書入れ時の12月でも大阪市域の中型車の平均営収は3万1千円と振るわず、前年度同月と比べて2700円低い金額でした。
一方、観光バスも円高の影響で外国からの観光客が減り、稼働率が低下し、賃金ダウンを余儀なくされています。
皆さん。大阪のタクシー労働者の賃金は、厚労省の賃金センサスでは年収356万としていますが、私たちが掴んでいる職場実態では300万円を割り込み、270万円ぐらいが正確な額と思われます。他産業労働者との格差は拡がる一方で、91年には121万円だったのが、06年には241万円と倍に拡がりました。
このような状況のもと、他産業の雇用情勢の悪化からタクシー業界に労働者が流れ込むことが予想されます。そうした中、情勢に悪のりして稼働率上昇をもくろむ事業者や、利益拡大のために規制緩和推進を標榜し、さらなる増車を狙う悪質事業者が「雇用の受け皿論」を喧伝しています。しかし、今のタクシー業界が雇用の受け皿になるとは全く思えません。タクシーが増えれば夕クシー労働者の貧困がいっそう深刻になるだけです。先に取り組むべきは大幅減車による労働条件の改善ではないでしょうか。無責任な事業者に対して、労働者からは怒りの声があがっています。
皆さん。交通政策審議会は昨年の12月18日、国土交通大臣に対し「タクシー事業をめぐる諸問題への対策について」と題する答申を行いました。しかし事業者の自主的減車だけでは、遊んでいる車を減車させるだけで、全く効果はありません。効果的な減車を実現するためには、法律で強制的に減車させるシステムを構築しなければなりません。
自交総連は減車闘争を中心課題として取り組み、乗務員資格を厳しくすることで減車を促進する「タクシー運転免許制度」の確立をめざしています。そして「適正実車率」の実現をめざす闘争も、重要な柱と位置づけて運動を強めていくことが重要だと考えています。
こうした中、政府は2月10日、タクシーの供給過剰を解消するため、事業者同士が協議して一斉に営業台数を減らす制度の創設を盛り込んだ「タクシー事業適正化・活性化特別措置法案」を閣議決定し今国会に提出することを表明しました。
多くの産業で規制緩和が実施されましたが、私たち自交総連は、タクシーの規制緩和が実施されて以来、今日(こんにち)まで休むことなく、規制緩和の流れを断ち切るために、運動を続けてきました。今回の「タクシー特別措置法案」の閣議決定は、私たちの運動の積み重ねが実ったものだと確信しています。実効性のある法案にさせるために、引き続き運動を強めていかなければなりません。
増えすぎたタクシーを減らし、不当な運賃値下げ競争をやめさせ、政府に規制緩和路線から決別させるためにも、近々に行われる総選挙では重要な政治戦と位置づけ、タクシー労働者の真の味方になってくれる政党を躍進させましょう。組合員の思想・信条の自由を最大限尊重し、奮闘しようではありませんか。
大阪地連 第66回中央委員会
2009/02/25
力合わせて勝ち取ろう 実効性ある大幅減車策
大阪地連(岡田紀一郎委員長)は2月17日、第66回中央委員会(議長=商都労組・後藤氏と関中旅守口労組・平井氏)を大阪市北区の国労会館で開き、「タクシーでは、大幅減車による適正な台数と上限運賃の確保を最重点課題とし、実収入増確保への経営責任を追及する」とする09春闘方針を全会一致で決定しました。
タクシーの供給過剰を解消するため事業者が協議し営業台数を減らす制度の創設を盛り込んだ法案が2月10日、国会に上程されたことに触れ、岡田委員長は「私たちの運動の積み重ねが実ったものだと確信している。実効性のある法案にするために引き続き運動を強めていかなければならない」とあいさつしました。
続く来賓あいさつでは、自交本部の池田書記次長が規制緩和や不況の問題を克服するために必要なこととして09春闘スローガンを指し示し、「一言で言えば力を合わせ=Bまず近くの人と力を合わせ、そして地域、全国のなかまとも力を合わせていくことが大事です」と強調しました。
大阪労連の川辺議長は「09春闘は雇用不安と貧困の一掃が大きな課題です」として、「最低賃金の引き上げ、非正規労働者の処遇改善と雇用確保を求めるたたかいを、産業別の組織と地域の組織が一体となって進めていくことが求められています」と指摘しました。
日本共産党大阪府委員会の宮本副委員長は「本当にタクシーの台数を減らすためには、法律で規制しなければなりません。道路運送法を大本から変える必要があるんです」と強調。「きたる総選挙で必ず国会に戻り、タクシーをまともな職業に戻させるために力を尽くします」と決意表明しました。
議案の提案を行なった庭和田書記長は、関協が雇用不安に乗じて5千人の雇用拡大を打ち出したことについて「昨年9月3日の危機突破集会≠ヘ何だったのか、問うてみたい」と怒りをあらわにし、「集会で大タ協の会長はまじめな乗務員の労働条件を改善しなければならない≠ニ明言しました。この責任追及はしっかりやっていきます」と力を込めました。
規制緩和実施から丸7年「2・3怒りの行動」
2009/02/16
大幅減車 バラバラ運賃是正 待ったなし
この2月1日で、タクシーの規制緩和が実施されてから丸7年になります。大阪地連(岡田紀一郎委員長)は2月3日に「怒りの行動」として市民・利用者とタクシー乗務員に向けた宣伝行動に取り組み、137人が参加しました。
行動はまず、近畿運輸局前での早朝宣伝からスタート。出勤してきた職員や通りがかった市民にタクシー労働者の窮状を訴えるビラとティッシュを配布。
また、マイクを手にした岡田委員長、満留・池田・堀川副委員長が、道行く人々に向けて運動への理解・賛同をアピール。岡田委員長は「アメリカ発の金融危機が世界経済の大混乱を引き起こし、タクシーの売上げも大幅に下がっています。規制緩和で増えすぎたタクシーを減らすこと、不当な運賃値下げ競争をやめさせ、適正な運賃を確保することは、待ったなしの課題です」と訴えました。
早朝宣伝が終わると参加者は2班に分かれ、A班(北東地協と西地協の半数)は新大阪→千里中央→伊丹空港、B班(南地協と西地協の半数)は難波→石津川→堺東の順にターミナルを巡りました。
各所のタクシープールでは乗務員に向けて「交政審答申を実効あるものとするため、みんなで運動を強めよう」と呼びかけるビラを配布。また各単組のなかまもマイクで「政府に規制緩和路線から決別させるために、私たちの手で政治を変えよう」と呼びかけました。
大阪地連が小豆島グループに対する抗議宣伝行動
2009/02/05
駐停車違反2万円、速度違反は10万円の社内罰則金
前時代的な会社を生み出した規制緩和
小豆島グループは労働者イジメやめろ!!
大阪地連(岡田紀一郎委員長)は1月21日、小豆島タクシーグループ(大阪市淀川区、高橋昌良オーナー)に対する抗議宣伝行動を同グループ本社新社屋前で展開。氷雨の中、80人が参加し、「小豆島グループは労働者イジメをやめろ!」と声を張り上げました。
同グループの労働者イジメ、違法行為が明らかになったのは昨年7月。同グループのオレンジキャブ大阪で働くなかまが「このままでは安心して働けない」と決起して労働組合を結成、大阪地連に加盟したことが契機となりました(オレンジキャブ大阪労働組合、新垣進委員長)。
同グループでは、乗務員が駐停車違反や行政処分の伴う速度違反を犯した場合、反則金の本人負担に加えて駐停車違反には2万円、速度違反には10万円の「社内罰則金」を徴収。しかも嘱託乗務員には交通事故の損害弁済金を全額負担させていました。
小豆島タクシーは規制緩和後にオリーブキャブとオレンジキャブを設立し、3社で200台を増車。「寮完備」をうたい文句に乗務員を集めましたが、寮の礼金(6か月分、領収書なし)を払わせていたことも明らかになっています。
今回は岡田委員長、沢田特別執行委員がマイクで同グループを糾弾し、オレンジ労組の新垣委員長が社内の乗務員に「現状を変えよう」と訴え、支援に集まったなかまにお礼を述べました。
自交総連本部第31回中央委員会
2009/02/05
“ピンチはチャンス”大きな可能性秘めた09春闘
自交総連本部(飯沼博委員長)は1月28〜29日、「第31回中央委員会」を東京都内で開き、「タクシーでは、減車による適正な台数と上限運賃の確保を最重点課題とし、実収入増確保への経営責任を追及する」などとする2009年春闘方針を決定しました。
飯沼委員長はあいさつで、昨年末の交通政策審議会の答申をふまえて国交省が通常国会に提出を準備している「特定地域におけるタクシー事業の適正化及び活性化に関する法律」案について、「いろいろと評論する向きもあろうが、私たちは決して評論家であってはならない」として、「現時点での到達点の前進面を正しく評価し、具体的で即効性・実効性のある制度が実行されるよう運動を強めることが必要です」と強調しました。
議案を提案した本部の今村書記長は、09春闘をめぐる情勢について「決して生易しいものではありませんが、同時にピンチはチャンスでもあります」と強調、「減車の仕組みに関わる法案が提出されようとしている」「未曾有(みぞう)の経済危機、派遣切りの問題などに対する労働者の怒り、反撃の機運が高まっている。総選挙の年でもあり、自公の悪政を変えるチャンス」「いままで労働組合と無縁だった人々が自交総連に合流してくる可能性を秘めている」ことを“3つのチャンス”として「大きな可能性を秘めた09春闘であるというところに確信を持って、要求前進に全力をあげよう」と呼びかけました。
討論では大阪地連から松下中央委員(地連書記次長)が観光バス問題について、園田中央委員(大阪東洋労組書記長)が悪質事業者の実態、堀川中央委員(地連副委員長)が第一交通闘争など地連が抱えている争議について報告しました。