HOME < タクシートピックス
タクシートピックス
更新情報・ニュース
月別バックナンバー
2013年02月の記事
執行部まとめ
2013/02/25
雇用だけ守られても意味がない
庭和田書記長
議案書のむすびで書いた「職場だけの闘争では自交労働者を取り巻く劣悪な労働環境の改善はなし得ません」――。この言葉に今春闘は尽きると考えています。同時に春闘スローガンにある「安定雇用」「組織拡大」を実のあるものとして進められるよう執行部は奮闘します。
昨年、安倍政権が誕生しました。安倍自公政権は参議院選挙まで猫を被っているとは思いますが、規制緩和、完全自由化の国策を取った場合、タクシー業界は全然違う振り幅にいく恐れがあります。他方、これまでの経過から「問題がありすぎるタクシーは規制していかなあかん、バスも」という舵取りをするということになれば、ぼんやりとした光であっても何らかの兆しが見えてくるのかもしれません。
いま、いわゆる業界内の規制緩和推進派が運賃や距離規制で裁判を起こし判決が間近に迫っていますが、万が一にも行政が敗訴しても行政は頭が良いのでやり方を変えて対応するでしょうが、構造改革路線の回帰が明確になれば話は別です。どこに行政の本旨があるのか本部とともに我々は監視しながら、たたかわなければなりません。我々の思う方向性、同一地域・同一運賃に繋がる仕組みやタクシー運転免許の法制化が進むよう今春闘でも声を上げて行かねばなりません。
また、現道路運送法が規制緩和を肯定したままの法律で、全然変わっていないという事を押さえておく必要があります。この間、タクシーを何とかしなければということで、自民党から共産党までが「全会一致」で09年に活性化法を施行しました。この意義は非常に大きいことも押さえて運動を展開する必要があります。
6人の方の発言に付随して、さまざまなことを答弁しましたが、「安定雇用」「組織拡大」という意味を皆さんもう一度よく考えてください。「雇用」だけ守られても意味がない、安定的に雇用が守られ生活できる水準、組織の強化拡大に力点をおいて、戦略・戦術を駆使してたたかいたいと考えています。
私たちを取り巻く環境は、業界の問題だけではなくくらしや平和、また原発、TPP問題など多岐に渡ります。反原発は3月10日に様々な労働組合、民主団体が一同に介し2万人行動を中之島で展開します。
また、官民の非正規化や組合攻撃など、ヨコを軸としたたたかいでは3月14日の大阪総行動に呼応し、大阪地連は女神像前の集会とデモを含め最終的には人事院への抗議集会にとりくみます。いま橋下市長を筆頭に官攻撃が激しさを増しています。後に何が起こるのか、指摘するまでもなく民間労働者の権利が奪われ、官に引きずられる形で賃金が下がる負の連鎖、これは歴史的にも証明済みのことです。これらを許さない闘争を進める上でタテ、ヨコの総合的闘争に力いっぱい執行部としてがんばっていきたいと思います。組合員のご協力もお願いして執行部のまとめと致します。
委員長代行あいさつ
2013/02/25
労使で消費税問題の議論を
秋山民夫副委員長
昨年末の総選挙では小選挙区制の弊害によって自民党が圧勝し、大阪では日本維新の会も躍進しました。憲法改悪に向けたオール与党化が進められるとともに、最も危惧する構造改革路線の復活もあるやもしれないというような状況の中に我々はいまおかれています。
思い起こせば02年、タクシーの規制緩和で大阪では3000台以上の増車、50種類にも及ぶような運賃の中で、我々は非常に苦しい状態の中で営業を強いられてきました。09年に運動の成果というべきタクシー活性化法が施行され、我々はその主旨である「労働条件改善」に大きな期待を寄せたわけですが、3年が経過してもいまだに地域協議会で合意された20%減車ですら完全実施されていないのが現状です。
また20%減車が実施されたとしても我々から見れば規制緩和直前の台数に戻るだけで、他産業との賃金格差が縮まるとは思えません。もっと大規模な減車が必要だと考えています。
そうした中で昨年、自公民の談合ともいうべき消費税増税が可決されました。このまま消費税が増税された場合、タクシー料金に増税分をそのまま転嫁できるでしょうか。タクシー労働者のみならず、業界そのものの存立さえ危ぶまれる状況になるのではないかと危惧しています。しかし事業者団体からは具体的な対策の提案がいまだにありません。今春闘では消費税増税問題について労使でしっかり話し合っていただきたいと思います。
低賃金のまま
物価だけ上がれば…
安倍首相は「アベノミクス」でデフレを克服すると言いますが《賃金が上がらない→購買力がない→モノが売れない→賃金が上がらない》という悪循環がデフレを招いたわけで、労働者の賃金、購買力を上げないまま円安・ドル高誘導で輸出産業を活性化し、富裕層に儲けさせたところで、輸出大企業の内部留保や富裕層の貯蓄が増えるだけです。低賃金のまま物価だけが上がれば我々の生活はどうなるのでしょうか。
景気を良くするためには大企業が内部留保をとり崩していますぐ労働者の賃金を上げる、これ以外に方策はないと思います。労働者の賃金は97年から15年間、ほとんど上がっていません。大企業は好景気の時も利益を労働者に分配せず内部留保を積み上げ、その額は260兆円を超えています。
産業そのものが
存続できなくなる!?
いま大阪のタクシー労働者の年齢構成は「60歳以上」が70%に迫り、「21〜49歳」と「70代」がほぼ同数となっています。10年後、団塊の世代が引退した後のタクシー業界はどうなるのでしょうか。一刻も早く供給過剰やバラバラ運賃を是正し、子育て世代の方たちが生活できる職場にしなければ産業そのものが存続できなくなると言うことを肝に銘じてともにたたかいましょう。
大阪地連第70回中央委員会
2013/02/25
春闘方針を決定し団結ガンバロー三唱で気勢をあげる大阪地連のなかま(2月14日)
“安定”雇用守らせる春闘に
賃上げで景気回復
内部留保還元せよ
大阪地連は2月14日、『安定雇用と賃上げ・働く権利の確保、組織の強化拡大を 2013年春闘』をスローガンに第70回中央委員会を国労大阪会館(大阪市北区)で開き、2013年春闘方針など5議案を満場一致で決定しました。
第70回中央委員会は松本(関中自)・内藤(テイサン)両氏を議長団に選出して議事を開始しました。
療養中の園田委員長に代わりあいさつに立った秋山副委員長は「地域協議会で合意された20%減車ですら完全実施されていない。完全実施されたとしても規制緩和直前の台数に戻るというだけで他産業との賃金格差は縮まらない」「もっと大規模な減車が早急に必要」と指摘。安倍政権による構造改革路線の復活、消費税増税、限界を迎えつつある高齢化問題などタクシー業界が危機的状況にあることを強調し、いっそうの運動強化と今春闘での奮闘を呼びかけました。
自交本部の菊池書記次長は来賓あいさつで、景気を良くする方策は賃上げと雇用安定化しかなく、それに必要な資金は企業が内部留保の一部を取り崩せば捻出できる、とした上で「経営者が自分から賃上げとか、非正規労働者を正規化することは絶対にない。そこに圧力をかけるのが労働組合の役割であり、みんなで力を合わせて圧力をかけるのが春闘」と強調。「職場ごとにしっかり討議して必ず要求を提出して交渉する、そして重点要求を1つでも必ず勝ち取る、全国の労組がこのようにたたかえばそれが大きな流れとなって労働者・国民全体の消費購買力も向上し、景気が良くなってタクシーや観光バスの売上げも増えて我々の賃金にはね返ってくる」と力説しました。
さらに菊池氏は組織拡大について本部が「4か年計画」を策定したことを紹介し、「大阪でも地連として、そしてそれぞれの職場で組織拡大の計画を立てて、なかまを増やして私たちの運動を大きく拡げる、その先頭に立っていだきたい」と訴えました。
必ず要求提出を
議案提案を行なった庭和田書記長は「労働契約法、高年齢者雇用安定法の改正が行われて業界にさまざまな動きがある。一つの法律をどう捉えてプラスになるのかマイナスになるのか、資本側は懸命に研究している。地連としては機関会議などで問題提起しているが、それを全単組で共有できているのかということに危機感を持っている」「自交産業ではいま、労働者が無権利状態におかれ、雇用を一方的に切られることになりかねないようなことが進行している」と指摘し、「雇用だけ守られて生活できない状況がもっとひどくなる、それを止めるために“安定した雇用”に重きをおいたたたかいを進めるべきだ」と訴えました。
中央委員会は提案された「2013年春闘方針案」など1〜4号議案を全会一致で採択。秋山副委員長を規約に基づいて執行委員長代行とする5号議案も満場の拍手で採択しました。
秋山闘争委員長代行は「要求を必ず会社に提出してほしい。闘争委員会として皆さんをバックアップし、先頭に立って強力に春闘をたたかう」と決意表明しました。
大阪地連が近畿運輸局に労働条件改善、悪質乗務員放逐を要請
2013/02/15
タクシー活性化はまず適正化から
大阪地連(園田公作委員長)は2月7日、近畿運輸局(大黒伊勢夫局長)への要請行動に取り組み、「供給過剰解消に向けての適正台数見直し」「警察当局と連携してのチャブリ(客引き)行為取締り」「監査体制を強化して事業者に法令遵守を徹底させること」などを要請しました。
局側は自動車交通部・西川孝秀旅客二課長ら8人が応対。組合側は「特定地域指定期間である3年の間に一定の減車が実施されたが乗務員の労働条件改善という点では極めて不十分」と指摘し、適正化・活性化につながる適切な諸施策の迅速な実行を要請しました。
局側は供給過剰の問題について「現段階では適正台数の見直しは考えていない。先に示した適正台数の枠内に収まるように事業者に要請していきたい」、乗場の移転問題については「本来は乗場管理者と入構事業者が話し合ってルール作りなどしていくものと考えているが、乗場移転の情報を得た場合には労組、業界に情報提供していきたい。伊丹空港でも乗降場移転の情報が入っている」、チャブリ問題については「警察当局にも情報提供を行なうなど根絶に向けて働きかけていきたい」と回答しました。。
また局側は自動車運転者の労働時間「改善基準」の抜本改正・法制化については「意見は本省に伝えるが、(事業者が)現行の改善基準を遵守して過労防止を考慮した適切な計画を組むのが大前提だと思っている。監査の中で徹底していきたい」との考えを示しました。
組合側からは「チャブリで運転者を処分しても他社に流れて同じことを繰り返す。各社はそういう運転者を日報とタコグラフで把握しているが利益のために放置している」(関中自労組・金光委員長)と指摘し、事業者への指導・処分強化を要請。局側は「非常にいい意見だと思う。採用時、タクセンにタクシー勤務履歴と累積点数、安全運転センターに運転経歴を必ず照会させるような仕組みづくりを、地域協議会で合意されたら進めていく」と応じました。
組合側は「適正化ができて初めて活性化できる。悪質事業者、悪質乗務員を放逐する仕組みづくりを急いでほしい」と要請しました。
「2・1怒りの行動」続報 大阪地連が大労局に要請
2013/02/15
大阪労働局に不法行為一掃を要請する大阪地連交渉団(2月1日)
嘱託労働者への有休未附与、一方的労働条件切り下げ──
業界体質改める抜本的措置を
大阪地連(園田公作委員長)は2月1日の早朝宣伝につづき、「規制緩和から丸11年・怒りの行動」の一環として大阪労働局への要請行動に取り組み、「大阪でまん延する不法行為を防止し、安心・安全・快適な地域公共交通としてのタクシーの機能回復に向けた適正な措置」を要請しました。
局側は監督課・早川主任監察監督官ほか3人が応対。嘱託労働者に有休が附与されていない実態の改善については「説明会への講師派遣など年次有給休暇の取得について一定の周知を図るよう努力している」と回答。
また、事業者が定年を迎えた乗務員に“継続雇用はしないが1か月後に短時間雇用労働契約書に署名すれば雇用する”などと一方的に通告するような事例への対応について局側は「改正高年齢者雇用安定法の4月施行で65歳まで希望者全員を雇用することが義務付けられる。同法の『実施および運用に関する指針』では『継続雇用される高年齢者の就業実態、生活の安定等を考慮し、適切なものとなるように努めること』という一文がある。局としては事業主に対して『指針』の周知、啓発を進めているところだ」と説明。
さらに休憩時間の取扱いについては「説明会で『時間の自由利用が担保されないと休憩とは認められない』ということを説明している。個別事案での申告、情報提供があれば調査も可能だし、当該労基署に通報する」と回答しました。
組合側は「周知を図るだけでは業界の体質は変わらないのではないか。監査体制の強化を含めて実効性のある措置をとってもらいたい」と要請しました。
2.1怒りの行動
2013/02/05
悪質事業者への指導強化を横断幕で訴える大阪地連のなかま(2月1日、大阪市中央区で)
人並みに生活できる業界に
タクシーの規制緩和から丸11年を迎えた2月1日、大阪地連(園田公作委員長)は中央区の近畿運輸局、大阪労働局前で宣伝を「怒りの行動」として取り組み、「需給バランスとバラバラ運賃を正して、まじめな乗務員が人並みに生活できる業界に」「経営者が負担すべきコストが労働者に押しつけられている」などと市民にアピールしました。
福井・秋山・吉田各副委員長がマイクを握り、「労働条件改善ができていないのに車をダブつかせながら“乗務員不足”とは身勝手な意見だ。今後、乗務員数が減っていくということは減車の必要性がさらに強まっていくということだ」と強調しました。
宣伝終了後には大阪労働局への要請行動に取り組みました。