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2016年02月の記事
特定地域協議会 設置要綱を承認
2016/02/26
適正化・活性化議論始まるが前途多難
第1回大阪市域交通圏タクシー特定地域協議会(安部誠治会長・関西大学社会安全学部教授)は2月12日午後、天王寺区のホテルアウィーナ大阪で開かれ、新たに会長代理に大阪商工会議所の堤成光氏を選任しました。特定地域協議会は準特定地域協議会からの移行となるため設置要綱の改定が必要で、反対派の抵抗がありましたが原案通り賛成多数で承認され、適正化、活性化は各分科会で議論することになりました。
安部会長は「特定地域指定は3年、指定されてから3か月が経過し残り2年9か月。目的は地域の中でどのように適正化、活性化していくのか、特定計画を立てかつ自治体とのタイアップが必要。協議会の中で話し合っていきたい」と方向性を示し、タクシードライバーの環境改善と安全の維持をめざしたいと抱負を述べました。
空席になっていた会長代理には、安部会長が大阪商工会議所の堤成光氏を指名し反対はなく承認されました。また設置要綱の変更が必要なため、この間2回の幹事会で議論した経過を報告し、事務局が作成した原案に対し、ワンコインタクシーやMKタクシーが声高に反対意見を述べました。
自治体構成員の議決権の扱いに疑義を述べていましたが、要綱を読み込めば従前と変わらぬ自治体長の議決に対し、反対派は総じて適正化=減車という捉え方だけなので、自らの営業スタイルを守りたいがためのエゴがそのままストレートに現れていました。
「裁判になると被告」?
議論でワンコインの町野委員が裁判を口にしていましたが、MKタクシーの青木委員は、商工会や利用者団体に対し、「いまでも1台100万円になる財産を減らすことなど事業者以外誰もできない。裁判になると被告になる」などと恫喝まがいの言葉まで発していました。
見識を疑う意見が繰り広げられる中でしたが、投票した結果、設置要綱は原案どおり承認され、適正化・活性化については各分科会を設置し議論することになりました。適正化議論は事業者団体と労働組合が主で非公開、活性化議論は自治体、事業者団体、労働組合、地域住民代表、大阪タクシーセンターが主で公開し、両会とも安部氏が会長を務めます。
委員として参加した庭和田書記長は「業界人の私でさえうんざりする議論。自治体や利用者代表がどう受け止めているのか心配でならない。反対派は要綱を勉強してから参加すべきだ。今後労働条件改善に向け議論が始まるが前途多難」と感想を寄せています。
業界崩壊招く白タク合法化 対策労使会議の設置を急げ
2016/02/26
大タ協に「白タク合法化阻止に向けた共同行動と労働条件改善」を要請する大阪地連のなかま(2月18日、大タ協会議室で)
大阪地連が大阪タクシー協会に要請
利用者への宣伝が必要
自交総連大阪地連(秋山民夫委員長)は2月18日、大阪タクシー協会(三野文男会長、大阪市中央区)への要請行動に取り組み、地連三役ら9人が参加。同協会に「白タク合法化阻止に向けた共同行動と労働条件改善」を要請しました。
協会側は足立堅治専務理事と井田信夫常務理事が応対しました。
組合側からの要請項目は(1)「タクシー業界の崩壊を呼ぶライドシェア等の問題に対し、迅速に情報を共有し対応できるよう、『ライドシェア等対策労使会議』(仮称)を早急に設置していただきたい」、(2)「利用者の『安心・安全・快適』を担保できる労働条件改善を速やかに構築するようイニシアチブを発揮していただきたい」。
交渉で組合側は、京丹後市でウーバーアプリを使ったNPO法人による有償運送事業が3月から始まるのを念頭に「ウーバーが過疎地で既成事実を積み上げ、東京や大阪など大都市でのライドシェア解禁を目論んでいるのは明白」と警鐘を鳴らしましたが、協会側は「過疎地(のみ)ということになっているので、そこ(大都市)まではこない」「大都市については、まだそれほどの動きではない」との見解を示しました。
業界体質の改善が必要
組合側は「白タク合法化で真っ先につぶれるのはタクシー事業者だ。危機感が業界全体のものになっていない」「乗務員負担制度が多くの職場に存在し、悪質事業者による法違反も後を絶たない。特措法改正後も労働条件改善は全く進んでいない。“そんなことで安心・安全を守れるのか”とウーバーなど“外敵”から攻撃された時に言葉を返せない」と指摘。
協会側は「地域計画策定を一歩一歩進めて労働条件改善に寄与したい」との考えを示しました。
労使で具体策の議論を
組合側は「白タク合法化反対を世論化しなければ我々は勝てない。ライドシェアの危険性を利用者・市民に知らせていく必要がある」「いま何をやれば効果的なのか、労使で具体的にできることを話し合い、早急に手をうたなければ後の祭りになる」として「ライドシェア等対策労使会議」の設置を重ねて要請。協会側は「労使懇談会を早急に開催し、その中で議論したい」と応じました。
大阪地連第73回中央委員会 16春闘方針を決定
2016/02/16
あいさつで白タク合法化阻止を訴える秋山委員長(2月9日、国労会館で)
白タク合法化 絶対阻止
運動を現場から
自交総連大阪地連(秋山民夫委員長)は2月9日、「暴走政治を変え、白タク合法化阻止 賃上げ、職場権利の確立 16春闘」をスローガンに第73回中央委員会を国労大阪会館(大阪市北区)で開き、「ライドシェアの問題点、危険性を広く国民に伝えて、その合法化を阻止」「名実ともに『おおさか維新政治』を駆逐する」などとした2016年春闘方針を全会一致の賛成で決定しました。
あいさつを行なった秋山委員長は、国家戦略特区でのライドシェア解禁が今国会で議論される可能性が強まっていること、京丹後市でウーバーアプリを使ったNPO有償運送の実施が決まったことを紹介。「既成事実を積み上げ、東京や大阪など大都市でライドシェア解禁を目論んでいることは明らか」「労働者だけの問題ではなく、利用者の安心安全を守るためにも白タク合法化を阻止し、労働条件改善を強く事業者、行政に求めていかなければならない」と強調しました。
選挙で改憲タッグ駆逐
また同委員長は安倍政権について、「戦争法強行成立、沖縄・辺野古への新基地建設、原発再稼働、労働法制改悪と、暴走政治はとどまるところを知らない」と指摘。7月に行われる参議院選挙について「衆参同時選挙になる可能性もある。戦争法を廃止し立憲主義を取り戻す、明文改憲を許さず民主主義を守るたたかいとして取り組まなければならない」「安倍暴走政治と改憲タッグを組むおおさか維新を名実ともに駆逐しなければならない」と訴えました。
自交総連本部・高城政利委員長、大阪労連・川辺和宏議長が来賓あいさつ。高城委員長は「ライドシェアは安倍政権の悪政と一体」「ライドシェアの危険性をよく学習し、世論に向けて訴えていくことが重要」、川辺議長は「命の安売りである規制緩和を許さず、労働者の雇用と処遇を守り抜く16春闘を共にたたかおう」と述べました。
タクシー存亡の瀬戸際
議案提案を行なった庭和田書記長は、「世界に誇る日本のタクシー産業を潰していいのか。事業者団体はもっと危機感をもって指導性を示すべき」と語気を強めるとともに「白タク合法化阻止に向けた財政措置」として各職場でのカンパ活動を要請。「現場の組合員、自交未加入の乗務員に“私たちの職場を脅かす問題”と呼びかけて運動を強めてほしい」と訴えました。
速報 風雲急 白タク・ライドシェア
2016/02/16
白タク(無許可営業)・ライドシェア問題(特区・有償運送)が大きく動き出すことになります。2月5日に開かれた国家戦略特別区域諮問会議(第19回、議長=安倍晋三首相)で、規制改革事項の追加項目に「過疎地域等での自家用車ライドシェア拡大」が盛り込まれ、安倍首相は所管大臣に実現の方向で指示。今通常国会に提出する国家戦略特区法改正案に盛り込むか否かは首相自らが判断するとの考えを示した、と報じられています。
公共交通の安心・安全やタクシー業界の存在をも根底から破壊するライドシェア・白タク合法化問題が、風雲急を告げています。過疎地での導入をきっかけに都市部への拡大を狙う外資系IT企業(ウーバー、リフトなど)に出資する楽天(リフトに350億円)の三木谷代表を筆頭に、政府に求めていたライドシェアが今国会で議論される可能性が強まっています。
国家戦略特別区域諮問会議で、竹中平蔵教授(慶応)や坂村健教授(東大)ら民間議員5人が連名で意見書を提出し、自家用ライドシェアの議論に言及。保険を介した監視機能を高めることが期待できるなどと無責任な主張を展開したようです。
こうした問題に先んじて1月29日には、京丹後市がウーバーの配車システムを使ったNPO法人による「公共交通空白地有償運送事業」を3月から地域限定(丹後町を発地とし、着地は丹後町を含む京丹後市内)で始めることが報道され、一気に外堀が埋められようとしています。
自交総連本部が第38回中央委員会開く
2016/02/08
危機突破 政策と共同の力で
自交総連本部(高城政利委員長)は1月26〜27日、東京都内で第38回中央委員会を開き、違法な白タク行為である「ライドシェアの問題点、危険性を広く国民に伝えて、その合法化を阻止する」などとした2016年春闘方針を決定しました。
あいさつを行なった自交本部・高城委員長は「安倍政権は『一億総活躍社会』『多様な働き方』の名のもとに若者や女性、外国人を非正規雇用、安上がりな労働力として酷使しようとしている」「新経済連盟はライドシェアによって『働き方革命』が起こり『一億総活躍社会』の実現に貢献するとしており、安倍政権の悪政と一体となっている」「安倍首相は戦争法のみならず、残業代ゼロ法案など労働法制改悪も進めて『蟹工船』のような劣悪な働かせ方をさせるなど、あらゆる面で戦前の日本に戻そうとしている」と指摘し、「労働者・国民のたたかいで政権を替え、国民本位の政治を実現できるかどうか、我々は歴史的岐路に立っている」として7月の参議院選挙に向けた奮闘を呼びかけました。
討論には11地方16人が参加し、大阪地連からは松下書記次長、大阪はとバス労組・山本委員長、国際タクシー労組・運天副委員長が発言しました。
討論のまとめを行なった今村書記長は「白タク合法化阻止は自交総連単独でできる話ではない。業界あげての運動が必要であるとともに圧倒的な世論を勝ち取らないといけない」と指摘。「各地方で多種多様な共同に努力していただきたい。タクシー運転免許構想を利用者・国民に訴えていく、世論を我々の力で創り出していくことが非常に大事」と強調しました。
労働条件改善 白タク合法化阻止 規制強化求め「2・1怒りの行動」
2016/02/08
労働者・利用者の命守れ
タクシーの規制緩和から丸14年となった2月1日、全国の自交総連組織が統一行動を展開。大阪地連(秋山民夫委員長)も中央区の合同庁舎前やターミナル駅5か所で労働条件改善、白タク合法化阻止、規制強化を訴える宣伝行動に取り組みました。
マイクを握った秋山委員長は、「労働条件が劣悪なため大阪のタクシー労働者は毎年1千人以上も減少しており、産業の存続が危ぶまれる。大阪市域交通圏は特定地域に指定はされたが、労働条件改善への道すじが全く見えてこない」と指摘。
そしてライドシェア(白タク)合法化の問題について「昨年10月20日に安倍首相が推進を表明して以降、当初は“違法であり認めるわけにはいかない”と言っていた国交省幹部が“慎重に検討する”と、微妙に変化しており私たちは危惧している」として、問題解決に力を尽くすよう近畿運輸局に向けて訴えました。
さらに1月15日に発生した軽井沢スキーツアーバス事故について「悲惨な重大事故を絶つためには不適格事業者を参入させない入口規制が必要」「運転者の労働条件改善を図るために厚労省が策定した『改善基準告示』は現状では“改善しない告示”だ。実効性ある内容に改正し、法制化すべき」と強調しました。