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2017年02月の記事

堺〜岸和田で「白タク合法化阻止」宣伝
2017/02/28

堺〜岸和田で「白タク合法化阻止」宣伝 「白タク合法化阻止」宣伝に奮闘する大阪地連のなかま(2月15日、堺東駅で)

命と権利守ろう


 自交総連大阪地連(福井勇委員長)は2月15日、「白タク合法化阻止」宣伝行動に堺東、堺、石津川、和泉府中、岸和田の各駅で取り組み、市民や待機中の乗務員にライドシェアの危険性、運動への理解と協力を訴えました。

 各駅で宣伝のマイクを握った吉田副委員長は、ライドシェアを推進する新経済連盟が「ライドシェアを導入すればタクシーとライドシェアとの間にも競争が生まれる」「その相乗効果によりサービスレベルの飛躍的な向上が期待できる」と主張していることについて、「観光バスは2000年、タクシーは2002年に規制緩和されたが、“事業者同士で切磋琢磨すれば業界が活性化する”というのが当時の売り文句だった。その結果、多くの尊い命が失われた」「現在、国土交通省はライドシェアについて“対応不可”としているが、安倍政権は白タク合法化への圧力を強めている。規制緩和の愚を繰り返してはならない」と強調しました。
 松下書記次長は「ライドシェアは運転者を請負の自営業者として扱う。法律で保障されている労働者の権利を奪い、社会保険料などのコスト負担をせずに都合良く労働力を使い捨てる『働かせ方』を社会に拡大するものだ。安倍政権の『働き方改革』と一体であり絶対に許してはならない」と力を込めました。

大阪地連第74回中央委員会 委員長あいさつ
2017/02/15

大阪地連第74回中央委員会 委員長あいさつ

労働条件改善こそ産業守る道


福井勇委員長

 この17春闘は白タク合法化阻止の闘いとともに、タクシー労働者の雇用と生活をどうやって守るのかが焦点になるのではないかと考えています。
 本来であれば一番に行動を起こさなければならない会社側からは危機感が感じられず、むしろライドシェアの対抗策として東京で1月30日から実施された初乗り距離短縮運賃への関心が強く、それをビジネスチャンスと捉える動きもあります。
 安易な運賃値下げ・割引きで泣かされるのはいつも労働者です。需要は増えず労働者の賃下げにしかならない、これは55遠割で実証済みです。元に戻せと訴えても会社は「我が社だけやめるわけにはいかない」と平行線で、いつの間にか大阪の料金体系を象徴するような形として定着し、市民に理解を求めて改正するのは至難の業となりました。

悪質な搾取いまだに

 そんな中、扶養家族を抱えた乗務員はこの産業に見切りをつけ、求職者からは敬遠され高齢化が進行し、毎年約1千人のペースで乗務員が減少しています。稼働率も年々下がる一方で、年間を通してほとんど動かない車を「財産」として温存しているため減休車が進みません。1台当たりの年間維持費を考えると相当な金額になるはずですが、その経費負担が賃上げの障害になっています。車だけあっても乗る乗務員がいなければまさに安定供給ができず、ライドシェアにつけ込む隙を与えているようなものです。
 ならば、動いていない車を動かすためにも求職者から選ばれる魅力的な職場にすべきなのに、いまだに前近代的な手法で労働者を食い物にする事業者がいます。事故を起こせば全額負担させ、それを貸し付けとして支払いが終わるまで会社を辞めさせない、あるいは高額な社内罰金を科して“払うか、辞めるか”を迫る事業者もいます。さらには有給休暇を付与しない事業者、休めば賃金が大幅に下がる“名ばかり有休制度”など、現場では悲痛な声をよく耳にします。

団結の力で職場守る

 本来はこのような仲間を救い改善させる運動を最優先に取り組むべきなのでしょうが、ライドシェア問題で相当な人と時間を割いています。事業者はこの産業と労働者の暮らしを守る気があるのか、疑問に思います。労働条件改善、向上なくして白タク合法化反対の運動は成就しません。
 ライドシェア推進論に打ち勝つためには、100年以上続き世界に誇る日本のタクシーに確信を持って、さらに安心・安全な地域公共交通を目指すことこそが求められます。いまこそ自交総連が提唱しているタクシー運転免許制度を実現すべき時です。
 私たちも巨大な外敵に対して組織をあげて団結することが大切です。各単組・職場で白タク合法化の危険性を周知徹底し全員で参加し、そして事業者の動きが鈍くても自分たちの職場は自分たちで守ろうではありませんか。それをきっかけに同じ職場で働く仲間や地域で働く仲間にも協力を呼びかけ組織拡大を目指し、ライドシェアを日本に入れさせないために最後まで頑張りましょう。

大阪地連第74回中央委員会ひらく
2017/02/15

大阪地連第74回中央委員会ひらく ガンバロー三唱で中央委員会を締め括る大阪地連のなかま

働く者の権利守る17春闘


 大阪地連は2月7日、第74回中央委員会を国労大阪会館で開き、「白タク合法化ストップ 職場権利の確立 安倍政権・『維新』の暴政打破 2017春闘」と位置付けてたたかうとする春闘方針を満場一致の賛成で決定しました。

 あいさつを行なった福井委員長は、白タク合法化に対する事業者の危機感が薄く、減休車が進まない上に前近代的な搾取が横行している実態を批判。「事業者はこの産業と労働者の暮らしを守る気があるのか」「労働条件の改善なくして白タク合法化反対の運動は成就しない」と強調しました。
 大阪労連・菅事務局長と自交総連本部・石垣副委員長(宮城地連書記長)が来賓あいさつ。菅氏は「安倍政権が“兼業・副業のススメ”を言い出した。ライドシェアもその一環」「雇用契約ではないので労働基準法の適用対象外にされる。利用者にとっての安心・安全だけでなく働く者の安心・安全も担保されない。絶対に許してはならない」と警鐘を鳴らしました。
 石垣氏は、「地方で鉄道やバスが撤退する中で、タクシーで地域住民の足を守ろうという自治体が増えている」「我々がもっと力をつけて大きな組織になれば、やれることはたくさんある。この春闘が地域を良くしていくことに直結する」と力を込めました。

規制緩和から丸15年「2・1怒りの行動」
2017/02/15

規制緩和から丸15年「2・1怒りの行動」 「白タク合法化は絶対許せない」と横断幕でアピールする大阪地連のなかま(2月1日)

安全軽視許さない


 タクシーの規制緩和から丸15年となった2月1日、全国の自交総連組織が宣伝や要請など「統一行動」を展開。大阪地連(福井勇委員長)も近畿運輸局前(中央区)、新大阪駅、大阪駅、南海なんば駅で宣伝を行うとともに、大阪タクシー協会への要請にも取り組みました。

 近畿運輸局前で宣伝のマイクを握った福井委員長は、「京丹後市でウーバーのシステムを利用した自家用有償運送が行われているが、安易にライドシェアで地域住民の足を守るという発想は非常に危険だ。安心・安全を守るための規制が取り払われたら、昨年1月に発生した軽井沢スキーバス転落事故のように、最終的に利用者・国民が多大な犠牲を払うことになる」と強調。
 吉田副委員長は「運輸行政はタクシーや貸切バスの規制緩和の失敗を総括し、安倍政権による『岩盤規制』撤廃・白タク合法化に歯止めをかけてほしい。これは利用者の安心・安全、労働者の生活と権利にも関わってくる問題だ。命を軽んじる安倍政権を決して許すわけにはいかない」と訴えました。

大タ協交渉 共同闘争を強く求める

 同日16時、大阪地連(福井勇委員長)は中央区の大阪タクシー協会(三野文男会長)を訪れ、白タク・ライドシェア合法化やジャスタビ問題に向けた共同闘争と自交労働者の労働環境・労働条件の改善を求め要請行動に取り組みました。
 タクシー業界の崩壊を呼ぶライドシェアやジャスタビ等の問題に対し、迅速に情報を共有して協議できる場を求めた事に対し、足立賢治専務は、「労使懇談会で議論したい」とし「2月中の開催を約束(後日23日に開催の通知)しました。
 また、大タ協の自治体への働きかけの現状を問うと、井田信夫常務は、「平成27年9月から17府市に対して個別訪問し、特定地域協議会への参加を求めるとともに、乗合タクシーなど、タクシーの活用を求めた」と回答するとともに、河南や泉州などはまだ回れていないことを明かしました。
 法令遵守や運転者の労働環境、労働条件の改善に対して、足立専務は「協会としても法令遵守は当然のことだと考えているが、一部で守られていないことも聞き及んでいる、今後とも啓蒙していきたい」と回答。
 大阪地連は、共同闘争について、すぐに行動すべき、タクシー乗務員は日々市民・利用者と接するので白タク・ライドシェアの危険性を伝える「ビラ」や「ティッシュ」を撒くなど、様々な事ができる。費用も労使で出し合うなど協議すれば良いのではないかと問うと、足立専務は「労使懇談会で協議して欲しい」と応じました。

自交総連本部・第39回中央委員会〈討論〉 大阪地連からの発言−ハンドルおおさか・運天武史編集長
2017/02/07

 1月24〜25日に東京都内で開かれた自交総連本部・第39回中央委員会では、13の地方組織から16人が討論に参加しました。この中から大阪地連2氏の発言要旨を掲載します。

ハンドルおおさか・運天武史編集長
(国際タクシー労組副委員長)


人間性が失われる社会
悪循環断ち切る運動を


 大阪の労働組合は維新型政治との対決を避けては通れません。維新はこれまで市民のくらしや福祉の予算をさんざん削っておきながら今度は万博を誘致し、併せてカジノを造ろうとしています。カジノ解禁法を強行成立させた自民と維新は憲法改悪に向けて提携を強めています。
 昨年、沖縄・高江のヘリパッド建設反対運動に対して大阪府警の機動隊員が差別発言を浴びせ、大阪府・松井知事がそれを擁護しましたが、テレビでも雑誌でもヘイトが本当にひどい昨今です。特に、権力に立ち向かい声をあげる弱者に対するバッシングが強まっています。そんな中、安倍政権がテロ防止を大義名分に共謀罪の創設を打ち出してきたのは非常に危険な動きだと思います。これを許してしまえば反戦や脱原発などの市民運動、そして私たちの労働運動にも牙をむいてくるのは確実であり、この問題もその危険な本質を世論に拡げて絶対に阻止しなければなりません。
 大阪市域交通圏の第3回地域協議会が昨年12月2日に開かれたんですが、安部誠治会長(関西大学教授)は開会あいさつの中で次のように述べました。
 「この間タクシー需要は落ち続けているが、供給量がそれに見合って落ちていない。つまり、市場にまかせて需給調整が働けば、当然たくさんのタクシー会社が倒産して市場の力で需給調整できるのが、そうなっていない。(中略)労働コストが500万円から300万円以下まで大きく落ちて、倒産するべきところがしていない。市場原理が働いていないため、結果として担い手であるドライバーの労働条件が悪くなっている。市場にまかせていたのでは望ましいタクシー事業が成立しない」
 累進歩合制賃金や乗務員負担の押しつけなど、労働者を犠牲にして事業者は生き延びてきたわけです。その結果、乗務員は高齢化し、大阪では毎年1千人以上減り続けて業界存続の危機を迎えているわけですから、「今度はあなた方が身を切る改革をやらんかい」と事業者に向けて言いたいです。

タクシー特有の賃金

 労働コストの大幅下落を可能にしたのはタクシー特有の歩合制賃金です。そもそもオール歩合制という賃金体系が公共交通に存在していいのでしょうか。売上だけが正義。賃金が低いのは自己責任。そして乗務員の目的意識は社会貢献よりも稼ぎにしか向きません。みんな必死なんです。
 日頃乗務しておりますと、同業者の強引な割り込みなど自己中心的な営業の仕方に怒りを覚えることがよくあります。一言でいえば意地汚い、要するに飢えているわけです。すごい空腹で、目の前にパッと食べ物が出てきたら人目をはばからず飛びついてしまう、これでは野生動物と同じではないか、いわば人間としての尊厳が失われているのではないかと思うんです。

魅力ある賃金制度を

 賃金というのは、本来は成果に関係なく働いた時間に対して支払われるべきものだろうと私は信じております。タクシーに限らず成果主義賃金、さらにはリース制のように労働者を個人事業主として扱うような賃金制度がまん延するに従って、社会がどんどん悪くなっている、それは労働者が労働者でなくなっているからだと考えています。ライドシェアはその最たるものでしょう。
 組織で団結して賃上げをめざしていたのがバラバラに分断されて“賃金を上げたいなら一人ひとりで努力しろ”とされてしまったわけです。だから労働組合の組織率は低迷する、だから政治も劣化していくし、賃金・労働条件も社会保障も切り下げられ、私たちの人間性がさらに失われていく、まさに悪循環です。
 自交本部の2017年春闘方針案には「若年労働者にとって魅力ある賃金制度の確立をめざし、オール歩合給賃金の改善策では、最低賃金を基礎とした固定給部分の制度的確立を求める」とありますけれども、悪循環を断ち切るための第一歩として重要な要求だと思います。
 一部の事業者からは「乗務員確保のために労働条件を改善しなければ」という声も出始めています。“逆風を追い風に”奮闘する決意を申し上げまして私からの発言といたします。

「白タク阻止」「企業の社会的責任を追求」−自交本部が第39回中央委員会開く
2017/02/07

「白タク阻止」「企業の社会的責任を追求」−自交本部が第39回中央委員会開く 「適正化置きざりは許されない」と強調する自交本部・高城委員長(1月24日)

逆風を追い風に


 自交総連本部(高城政利委員長)は1月24〜25日、東京都内で第39回中央委員会を開き、「『白タク合法化ストップ 賃金底上げ、職場権利の確立 17春闘』と位置付けてたたかう」などとする2017年春闘方針案を全会一致の賛成で採択しました。

業界の体質が問われる


 あいさつに立った高城委員長は、業界がライドシェア対抗策として打ち出した初乗り距離短縮運賃が東京で1月30日から実施されることについて、「(新運賃で)労働条件がさらに下がり事故が増加すれば、かえって白タク合法化への扉を自ら開くことになってしまう」と警鐘を鳴らし、「実態としてタクシーの質が低い国でライドシェアが拡がっている。世界から評価されている日本のタクシーに確信を持って白タク合法化と対峙することが正当な闘い」との考えを示しました。
 さらに高城氏は「逆風に見えるものを追い風と捉えた闘いを構築していく必要がある。白タク阻止の闘いの中で業界の体質が問われる」と強調。「適正化が置きざりにされるようなことは許されない。地域協議会で合意が図られないなど“輸送の安全は後回しでよい”と言っているに等しく、“危険な白タク阻止”と矛盾する。春闘では企業の社会的責任の追求も不可欠」としました。

雇用崩すライドシェア

 全労連・小田川義和議長は来賓あいさつで、「ライドシェアの問題は利用者の安全問題とともに、雇用関係にもその影響が及ぶ」として、厚生労働省の懇談会が“将来は企業との雇用関係ではなく請負関係が主流になる”と予測していることや、経済産業省が“雇用関係によらない働き方”の検討を進めていることを紹介。「安倍政権が進めている『働き方改革』の行き着く先は一部のエリート層の正社員と予備群としての有期雇用労働者」「(有期の)大半は派遣、請負、そしてライドシェアのようなスマホワーク」「ライドシェアは足もとから雇用を掘り崩していく」と指摘し、「全労連としても白タク合法化反対の闘いに固く連帯して支援を強めたい」と表明しました。
 春闘方針の提案を行なった自交本部・菊池和彦書記長は「組織拡大は待ったなしの課題」として、「2万人の自交総連回復をめざし、2018年9月までにその実現が展望できる勢力に接近」「毎年1割以上の実増をめざす」とする「組織強化拡大2か年計画」を提案。「労働者の不満や要求をとりあげ、その解決策を示す宣伝を重視し、持続的な大量宣伝と対話を」と呼びかけました。