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2022年02月の記事

南海なんば駅周辺「歩行者空間拡大」社会実験で再確認
2022/02/25

南海なんば駅周辺「歩行者空間拡大」社会実験で再確認 なんば駅周辺の歩行者空間拡大計画について「現場の声聞かず愚策推進」と批判した本紙1月5日付紙面

安全な降車場が必要


 昨年11月23日〜12月2日に行われた南海なんば駅周辺の「歩行者空間拡大」実証実験について、大阪市などの担当者5人が2月17日に自交会館を訪れ、自交総連大阪地連に結果の報告・説明をしました。大阪地連は庭和田書記長が対応しました。
 市側は、実証実験で運用されたパークス通りタクシー乗場について、「身障者用乗降場の利用は少なく、8割以上が身障者以外の降車として利用された」「周辺駐停車状況や難波西口交差点のタクシー停車状況から、タクシー降場の不足が考えられる」「交通阻害が発生しないようなタクシー降場空間の確保が必要」との検証結果を報告し、対応方針案として「身障者用乗降場を利用して、タクシー降場として利用することを明確化」するとしています。
 庭和田書記長は「身障者は乗降に時間を要する。身障者の利用が少ないからといってバリアフリー化された空間をそのまま一般降車場に流用するなど、安全面の観点からあり得ない」と指摘し、「行政側の責任として、道交法違反にならない場所を選びつつ、あらゆるタクシー利用者の安全・安心が担保できるような新しい降車場を造るべき。付け焼き刃的な対応では何ら問題は解決しない」と強調しました。
 質疑応答では、タクシー利用者へのアンケート調査が行なわれていないことも明らかになりました。

宣言なき“緊急事態” 現実逃避は許されぬ
2022/02/15

繰り返される政府・維新府市政の失策


 大阪タクシー協会が毎月公表している「ハイヤー・タクシー輸送実績」によると、21年12月のタクシー・普通車の平均日車営収は前年同月比7934円増の34986円。12月は大阪府のコロナ新規感染者数もひと桁まで下がり、楽観ムードが漂っていましたが、年が明けてオミクロン株が猛威を振るい、2月9日には大阪府で31人の死亡が確認されています。

 国土交通省がまとめたコロナの「関係業界への影響調査」結果によると、12月のタクシー業界(全タク連を通じて全国266事業者に調査)は、運送収入がコロナ前(19年12月)より30%以上減の事業者が14%、輸送人員は約23%減となり、同省は「改善傾向にあるものの、依然として厳しい状況」と分析。1月以降は約3割の事業者が30%以上の運送収入減を見込んでおり、「引き続き厳しい状況となる見通し」としています。
 昨年のいまごろ、21年2月の平均日車営収は22811円、前年同月比10378円もの減でした。歩合制賃金であるがゆえに「月給が数万円しかない」「生活できない」との悲鳴が上がり、感染の不安と生活の二重苦にタクシーに見切りをつけ離職するなかまも続出。コロナ前から存続が危ぶまれているタクシー業界が崖っぷちに追い込まれているのが現実です。

需給調整が必要

 タクシーには公共交通として果たすべき役割があります。政府の「新型コロナウイルス対策の基本的対処方針」でも「社会の安定の維持の観点から、企業の活動を維持するために不可欠なサービスを提供する関係事業者の最低限の事業継続を要請する」としており、その中にタクシーも含まれています。しかし求められているのはあくまで「最低限の事業継続」であり、平時と変わらない状態で野放図に続けてよいという意味ではないはずです。
 大阪地連は昨年3月の大阪タクシー協会交渉で、〈恒久的な減車など需給調整をはかるための施策を講じ、地域ごとに関係者が適時集まって減車などを協議する場を設けるよう検討すること〉を要請事項に盛り込みましたが、改めて強く要請しなければなりません。
 22春闘の大阪地連「基本的統一要求(案)」(2月1日の第1回執行委員会で確認、同24日の第79回中央委員会に提案)では、「雇用調整助成金やコロナ対策休業支援金制度を最大限活用すること」を1番目に掲げ、「若年労働者の流入を促す固定給を設けるなど最低賃金法違反が生じない賃金体系に改善すること」も盛り込んでいます。

自交総連本部第44回中央委員会 22春闘方針を決定
2022/02/07

自交総連本部第44回中央委員会 22春闘方針を決定 オンラインで意思統一する自交総連中央委員ら(1月27日、自交本部提供)

労働条件改善必ず


 自交総連は1月27日、東京・自交共済会議室で、第44回中央委員会をリモート併用で開催し、「コロナ危機を乗り越え、かちとれ賃金増、さらなる規制緩和阻止 22春闘」をスローガンとする春闘方針を決定しました。12地方から30人が出席しました。
(参照=自交本部『自交労働者情報』1月28日付)


 あいさつに立った高城政利委員長は、「ウィラーのMobiや大阪でのAIデマンド交通など、コロナ禍で弱体化したタクシー業界を狙い撃ちするような策動が後を絶たない。そもそもはクルーやジャスタビのようなライドシェアまがいのものを認めてきたこと、そして忖度政治の影響」と指摘。改善基準告示の見直し議論、運賃改定の動きなども注視しつつ、「たたかう力を養う、その前提として今春闘では労働条件改善を勝ち取らなくてはならない」と強調しました。
 討論では「割増賃金を含めてきっちり法定通り賃金を支払わせる」(北海道)、「高齢者割引などの運転者負担をなくすために今春闘で重点的にとりくむ」(静岡)、「全労連の組織拡大計画をすすめ、組織を強くしていく」(高知)、「団交で最賃法遵守を約束させ、組合員が2人増えた」(鹿児島)、「ダイナミック・プライシング導入反対宣伝にとりくんだ」(東京)などの決意表明・報告がありました。
 また「インターネットを利用した宣伝も必要」(長崎)、「若手の育成が必要」(東京)、「最賃違反問題の根本的な解決のために固定給+歩合給の賃金体系をめざすことが重要」(東北)などの意見もありました。