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2023年02月の記事
−自交総連本部−第45回中央委員会
2023/02/06
食える賃金の確保めざす
23春闘 新型コロナ、物価高騰、増税の三重苦
自交総連本部は1月31日、東京・全労連会館で、第45回中央委員会をリモート併用で開催し、「コロナ危機と物価高騰に立ち向かい、食える賃金を保障しろ 23春闘」をスローガンとする春闘方針を決定しました。12地方から33人が出席しました。
あいさつに立った庭和田委員長は、「岸田政権は長引くコロナ禍と物価高騰で苦しむ国民・労働者に目を向けない。大軍拡を進めるために5年で43兆円も充てるということは、さらなる消費税の増税につながっていく。23春闘をたたかうとともに、暮らしやすい社会に変えていくことも労働組合の任務である。運賃改定にあたっては、スライド賃下げを許さず、手数料などを運転者に転嫁する仕組みを撤廃して、手にする賃金を増やすことが重要である」と力を込め訴えました。
運賃改定前の賃下げ
東京、埼玉で多発か
討論では、各中央委員から「運賃改定でノースライドプラスアルファーをかちとり賃金増を実現したい」と決意。その中で「運賃改定を見込んで賃下げした事業者が存在する」(埼玉)、「運賃改定に向けて学習を重ね、改定趣旨に背く事業者を告発するなど労働条件改善に奮闘している」(東京)、「免許返納者割引など、運転者負担撤廃を重点的にとりくむ」(静岡)、「地域的に割増賃金等が支払われていないので、自交総連のたたかいに期待が高まっている。組織拡大につなげるとともに、政治の転換で運送収入が増える職場環境の構築が必要」(北海道)などと実態を報告し、たたかう姿勢を強調する発言が相次ぎました。
総括発言で松原伸一中央委員(大阪地連副委員長)は、この間の維新とのたたかいと大阪の運賃問題を報告した上で「春闘で成果を上げることができれば、未組織労働者などに対して大きくアピールすることができる。この春は、新型コロナの感染拡大により中止や延期に追い込まれてきたターミナル宣伝、関西地連で取り組む未組織キャラバン宣伝を復活して、タクシー、観光バスの未組織労働者の組織化をすすめ、自交総連が今以上に大きく力をつけることができれば、政策要求の実現でも大きく前進できると確信している」と決意を語りました。
労働者の流出依然続く
2023/02/06
コロナ禍3年で2164人減少する一方、75歳以上は298人増
大阪タクシーセンターの統計によると、管内の22年1月30日現在の運転者証交付数は18463人(内個人=事業者乗務証・2417者)。新型コロナが騒がれ始めた20年1月末日比では、2164人減少しており、その内75歳以上だけ298人増加しましたが、全世代で減少傾向に歯止めがかからず、このまま推移するとタクシー産業が立ち行かない状況に陥るのは明らかです。
現役ドライバーの人数を示す運転者証交付総数を見ると、昨年同月比で960人減少し、一昨年からすると若干鈍化傾向が見て取れます。
「65歳以上70歳未満」の前年同月比を見ると、333人減、「70歳以上75歳未満」は635人の減で、「75歳以上」だけが178人増加しています。いわゆる現役世代(「65歳未満」)と年金世代(「65歳以上75歳未満」)も75歳を境に減少に転じています。
全体に占める現役世代の割合は51・9%(20年49・6%、21年50・2%)と、若干ですが改善傾向が見て取れます。新型コロナの影響もまる3年に及び、当初大幅にタクシー業界から退出した労働者の急増が少し落ち着いてきた感があります。
労働相談に変化
賃金保障→負担問題
この3年で、大阪地連に寄せられた労働相談の中身を総括すると、コロナ当初は「最低賃金を支払ってくれない」「基礎疾患がありコロナが怖いのに休ませて貰えない」「雇用調整助成金の活用やコロナ対策休業支援金に会社が協力しない」などでしたが、直近ではクレジットなどの各種手数料や事故罰科金の運転者負担問題に変わってきています。
ここにきて気がかりは、各事業者の「乗務員不足」発言と「増車意欲」です。
大阪タクシー協会報1月号を見ると大阪市域普通車の実働1日1車当りの日車営収は、3万6137円(22年11月)でした。年間を通して営業収入が一番上昇する12月の速報値は3万9817円。国民の行動変容と年末需要が増加する中、実働率が下がっているため急増しましたが、事業者が主張する労働者を増やせば一人ひとりの日車営収は直ぐに下がります。
はっきりいえるのは次代を担う若い労働者の不足であって、総需要を鑑みながら適正な供給のバランスを保ち、タクシー労働者も普通に暮らせる賃金に上げる政策を継続し、労働者の流入を促進すべきです。
若い労働者が入ってこない労働環境を続けていくと、早晩地域公共交通としてのタクシーの機能が奪われることは確実で、白タク・ライドシェアを呼び込むことに繋がります。事業者の増車意欲の自制を求めなければなりません。