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2010年03月の記事
山頂(適正減車)めざして団結を
2010/03/25
全事業者・労働者が一丸となって
3月16日、「労使が一丸となってタクシー産業の活性化や労働条件の改善、利用者利便の向上に向けた行動を起こすための契機」として大阪タクシー協会が「大阪タクシー事業者・労働者大会」を大阪市中央区内で開き、事業者・労働者・消費者の代表ら350人が参加しました。
主催者あいさつで大タ協の坂本会長は、タクシー活性化法が施行されてから約半年近くになる現時点の評価を「登山に例えると7合目」と表現。この大会の意義については「ベース(活性化法)はできているから今日は立法府の方々に来てもらう必要はないし、パレードする必要もない。我々が心ひとつになるように協調を深めて団結を高めるための大会だ」と強調、「多様化・高度化したニーズに応える創意工夫・アイデアを凝らし、利用者の目線に立って、明るく前向きにやっていくことを誓い合いたい」と呼びかけました。
基調報告を行なった同協会の牛島経営委員長は、「業界外」の人々に向けてタクシー産業の特殊性を解説。「タクシーは“事業者と乗務員の需給関係”、もうひとつは“利用者と乗務員の需給関係”が複合してひとつの市場が形成されている」としたうえで「利用者と乗務員の需給バランスについてもっと経営者は踏み込まないといけない」「これからは価格競争よりも品質の競争が必要」と述べました。
しかし、大会では事業者側から“事業者と利用者の需給関係”に踏み込んだ発言はほとんど聞こえず、大阪地連のある幹部は閉会後に「事業者の大幅減車に対する意欲が感じられなかった。このような現状認識では真の活性化は難しいのではないか」と話していました。
3・4中央行動 対行政交渉
2010/03/15
国交省
協議会とは切り離してコンプライアンス徹底する
3月4日の交運共闘「3・4中央行動」では、集会・デモに続く国土交通省前行動に約1000人が結集、個人請願署名を提出しました。
さらに自交総連は午後から同省および厚生労働省との交渉に取り組みました。
国土交通省
午前の個人請願行動では交運共闘のなかまが「安全を守れ、JR採用差別問題の解決を」などと訴える請願署名を国交省に提出。その数は総計で12202筆(うち自交総連は6386筆、大阪地連は541筆)にのぼりました。
午後からの同省との交渉で組合側は、大幅減車を実現するための「事業者へのインセンティブ(意欲刺激)措置など指導・援助の強化」、「地域協議会に参加せず計画を実行しない安売り運賃℃幕ニ者への精査・(法違反があった場合の)処分」、「最低賃金法違反、社会保険未加入への厳正な対処」などを要請。
さらに組合側は、タクシー活性化法の特定地域指定期間内(3年)に、規制緩和前の実車率・売上が確保できなかった場合の地域計画見直しの可能性や、目標到達の検証について省側の見解を質しました。
省側は「適正台数を達成しても目標水揚げにならないことは理論上ある。マクロ経済まではどうしようもない」「現時点で見直しを前提にした議論はできない」としたうえで「年度末にはきちんと(各運輸局が)フォローアップする」「本省としてのフォローアップも考えている」と回答。
また、事業者の法違反については「協議会と切り離してコンプアイランスは徹底する」との考えを示しました。
厚生労働省
厚労省との交渉で組合側は「最賃法違反の是正、累進歩合制度の是正指導」、「観光バスの乗務距離規制改定に向けた国交省との協議」、「嘱託者の社保未加入問題への対処」などを要請。
省側は社保未加入問題について「自動車運転者の事業者には問題意識をもって国交省と連携を図っている。事業主への指導は重要」と回答しました。
3・4中央行動 2010年春闘勝利めざし交運共闘1300人が奮闘
2010/03/15
むしろ旗やプラスターで「多すぎるタクシー減らせ」「運転者犠牲のバラバラ運賃 ダンピング反対」と訴える自交総連のなかま(3月4日、東京・明治公園で)
安心・安全な交通運輸確立
内部留保還元させ景気と人間性回復
いま国民総決起の時
タクシー・トラック・ダンプ50台でアピール
雇用・生活・中小経営を守れ
自交総連は3月4日早朝、公務・医療からの連帯参加も含め300人が明治公園に結集、決起集会後、渋谷・青山などをまわる車両(タクシー、トラック、ダンプ)デモを行い市民に交通・運輸の実態をアピールしました。その後、交運共闘の仲間とともに3・4中央行動(霞ヶ関行動)として、国交省前個人請願などを展開。自交総連は午後から国交省・厚労省交渉を行いました。
9時半からの明治公園での集会には、ダンプ・トラック・タクシー50台に、公務、医療からの連帯参加も含め300人(大阪地連は三役・専従)が参加しました。
主催者あいさつで熊谷副議長は「社会の仕組み、雇用を壊した旧政権のやり方を国民が変えて欲しいとの思いを託し民主党に勝たせたが、残念ながら踏襲している。私たちの運動で導いていかなければならない」と指摘しました。
連帯あいさつのなかで、医労連の中野さんは、「タクシーも医療と同じで国民生活に密着し、急病人の輸送や福祉タクシーなど国民のくらしと命を守る職業です。それなのに職場環境は医療と同じく劣悪、ともに連帯して変えていきましょう」と力を込めました。
11時半からの国交省前行動には1000人が結集、自交総連は“タクシー減車、運転者の労働条件改善”“安全を守れ、JR採用差別問題の解決を”などの個人請願書を提出しました。
規制緩和と不況のなかで労働条件は年々悪化。交運共闘が共同して行った運転者アンケートでは、交通事故を起こす危険を感じるが、トラック63%、タクシー68%、観光バス69%、居眠り運転の危険を感じるも5割を超えるなど、安全を脅かしている実態が明らかになっています。こうした実態を訴えるため、中央では久しぶりに共同車両デモが実現。自交総連は、ムシロ旗や横断幕を掲げ、「多すぎるタクシーを減らせ」「実効ある減車の実現」を訴えました。 この日霞が関一帯では、官・民の各組合がいっせい行動を展開し、2010年国民春闘勝利への共同と団結をアピールしました。
大阪府タクシー特定地域合同協議会 第4回会合
2010/03/05
開会あいさつする協議会・長井会長(近運局自交部長)。右は大タク協・坂本会長
諸問題の背景♂決し信頼されるパートナーに
2月18日に開かれた「大阪府タクシー特定地域合同協議会」第4回会合で同協議会事務局は「大阪市域交通圏におけるタクシー適正化・活性化地域計画」案を提示。年度末までの合意形成をめざして議論は熱を帯びていきます。
今回はまず、同協議会の「議論を迅速かつ円滑に運営する」ことを目的として幹事会の設置を確認。幹事会は近運局、事業者団体、労働組合の代表で構成することとし、非公開ながら議事内容は協議会に報告する、としています。
適正化へ具体的行動を
地域計画案では、「タクシーサービスの活性化と良質なサービスの選択性の向上」「事業経営の活性化、効率化」「運転者の労働条件の悪化の防止、改善・向上」「安全性の確保」「交通問題・環境問題・都市問題の改善」「供給過剰の是正」「過度な運賃競争への対策」の7項目を目標とし、これらを達成するための「特定事業」「その他事業」が盛り込まれています。その数は「特定事業」だけで62事業にのぼります。「サービス活性化」として「子育てタクシーの運行」、「選択性向上」として「事業者名の表示方法の改善」といった具合です。
これらの実施に関して「供給過剰の是正」「過度な運賃競争への対策」などを「留意すべき事項」とし、前者については「事業者は、積極的に特定事業と相まった減車等の事業再構築についても検討し、タクシーの適正化及び活性化の実現に向け具体的な行動を取ることが強く期待される」と記述しています。
労働時間適正に把握せよ
各委員からは地域計画案について「利用者が求めていたことが初めて具体的な形で示された。実現できれば少子高齢化の中で地域交通として信頼できるパートナーになれる方向性が示される」(毎日放送ラジオ局長・熊和子氏)などと評価する声が相次ぎました。
また、タクシーの諸問題の「背景にあるものを解決すべき」との意見も複数の委員から出されました。
大阪労働局・専門監督官の多田優氏は厚生労働省のデータから、監督を実施したハイタク事業場のうち88・2%で労働関係法令の違反があり、その56・2%が労働時間に関する違反だったことを紹介したうえで「我々が事業場に監督に行くと労働時間を把握していない所が多い。労働時間を適正に把握することが重要だ」と指摘しました。
次回会合は3月25日に予定されています。