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2011年03月の記事
大幅減車・運賃適正化 全国へ指導力発揮せよ
2011/03/25
自交本部が全タク連に要請
自交総連本部(飯沼博委員長)は3月9日、全国乗用自動車連合会(全国ハイヤー・タクシー連合会、富田昌孝会長)と意見交換を行い、「適正車両数実現にむけた事業者団体としてのイニシアチブ発揮」などを要請しました。
出席者は自交本部から飯沼委員長、鈴木・園田副委員長、今村書記長ほか4人。全タク連側は富田会長、三浦副会長、金子労務委員長、
冒頭、富田会長は減車の現状について「経営者の立場から見ても満足するまでいっていない。事業者にとって減休車は身を切られる思いだが、乗務員の賃金を改善するために適正台数までもっていきたいと努力している」「景気が上向かず総需要の減少が止まらないので、なかなか効果が見えず行き詰まっている」との見解を示すとともに、「事業者としてやるべきことはやってきた」として行政、地域協議会、労働組合への期待を表明しました。
組合側が「法律を守る会社がつぶれて、守らない会社が生き残るという現状をどうにかすべきだ。運転者の資格制度を考えていかざるを得ないのではないか」と指摘すると富田会長は「特措法でできることはやりきりたい。減車をやりきった後で、運転者の制度などは考えていきたい。正直者がバカを見るような現状は確かにおかしい」と応じましたが、「任意(の減車)では限界がある」としてタクシー事業法の必要性を強調しました。
組合側は「業界全体が最賃をクリアできない地域もある。大阪には法違反を指摘されると法を変えろ≠ニ言う事業者もいる。業界そのものが生き残りを図るために法違反を前提にしつつある」「法違反根絶に向けた視点がなければ、事業者は単に生き残りのためだけにタクシー事業法を作ろうとしているのではないか≠ニいう批判に対して、答えきれない」「減休車に協力しない事業者の法違反が多いのは事実だ。そこにきちっと法律を守らせることが、減休車への大きなちからになる」として、全タク連が全国の業界にむけて指導力を発揮するよう強く要請しました。
フォローアップで足踏みするな
2011/03/25
議論の的絞れ…自治体、警察など発言なし
一昨年10月1日に施行されたタクシー特措法に基づく特定地域合同協議会(大阪市域交通圏他5圏)の第7回会合が3月17日合同庁舎4号館で行われ、昨年合意した「地域計画」の実施状況を報告。議論した結果、地理試験の高度化や定年制など違う角度も検討していくべきではないかと問題提起されました。
会議冒頭、東北関東大震災で亡くなられた人々に対して、関係者一同黙祷を捧げ冥福を祈りました。
長井会長は「現状がどうなっているのか、また大阪の問題点がどう変わってきているのかという点を報告し議論したい」と述べた上で「関係者の努力で若干の進展が見られているが一方で解消されていない、まだまだ悪い状況に歯止めが掛かっていない点がある」と現状を述べあいさつしました。
その後、近畿運輸局の竹内旅客二課長が大阪地区におけるタクシー事業の適正化・活性化の実施状況とした資料に基づき、特定事業計画申請事業者数や減・休車数(別掲)など報告する中で「未実施事業者に対しては特措法の附帯決議に明記されている経営状況についてヒアリングしていく」と言及。またEVタクシー専用乗り場など活性化への取り組みも報告しました。
報告を受け労働者委員は「減休車だけでなく運賃問題、5・5遠割の解消を議論すべき」(全自交・森田委員)、「未申請の事業者数及び経営状況の確認結果を公表するのか」(交通労連・永江委員)、「高齢者の定年問題(70歳)を議論すべき」(私鉄総連・久松委員)など提起しました。
タクシー増やすハイヤーの用途変更
自交総連(庭和田書記長)はおよそ我々(協議会)が考えている適正化が達成されている状況ではないと言及したうえで、新たに現在進行形で行われようとしているハイヤーからタクシーへの用途変更(タクシー増車)問題と、近運局が不適格事業者とした2者が稼働している問題を協議会としてどう考えるのか質しました。
用途変更の事業者 しっかりと指導する
長井会長は「用途変更が増えると多すぎるタクシーを何とかしようとしているのに水を差すことに成りかねない、国交省として一定の歯止めを掛けるべく対策(監査)を打ち出した。局としては事業者にしっかりと指導していく」とし、不適格事業者の件は「現在、局内で対策を検討中で早急に対応したい」としました。
事業者委員の町野委員(ワンコイン)は、「車を減らせば益々賃金が下がる、これはミスリード。車をどんどん増やして運転者の試験を難しくすると賃金は上がる」と持論を展開しました。
大震災の影響甚大 別の手立てを考えろ
安部委員(学識者)は、原油高騰や未曾有の東北関東大震災の影響に言及し、「いきなりドライバーの資格制度が無理であれば、センターの試験を難しくするとか、定年を設けるなど、別の手立てがあり得ないか、半年後を目安に事務局か局で考えてもらいたい」と問題提起しました。
また武富委員(消費者代表)は「安全性をしっかりと考えてもらい必要な価格なら消費者は支払うし、年齢制限もきちっと決めてもらいたい」としました。
庭和田委員は「安部委員は6か月ぐらいかけてと言っておられたが、現場は待っていられない。昨年(繁忙期の)12月が3万1千円、B型賃金なのでこの運収で年収計算しても、310万円ほど、この水準に到達しない」と指摘したうえで「実質今回で2回目のフォローアップなので、今日何だかの方向性を出すべきだ」と迫り、森田委員も2か月に1回の開催を求めました。
長井会長は「地域計画に盛り込んでいることは協議会の総意であって、関係者は実行してもらいたい。いままで当たり前だと思っていた制度も変えなくてはならないかも知れないし、そういうことを乗り越えないと大阪のタクシーが良くならない。委員から色々問題提起された、事務局で預かり開催時期も含め検討したい」としました。
協議会の議論は空中戦。自治体からの発言も一切ありません。事務局の説明も
“冷めたピザ”の具材を改めて教えられているようで「だからどうするか」の視点と対応が示せていません。
東北関東大震災 自交のなかまも犠牲に
2011/03/25
危機的状況続く被災地へ1円でも多くの義援金を
3月11日に東北・関東地方を襲った巨大地震と大津波は甚大な被害をもたらし、22日現在の死者・行方不明は2万人を超えています。自交総連・宮城地連と福島地連からも、なかまや家族の死亡、行方不明、自宅の全半壊、避難の状況が伝えられていますが、まだ全容は判明していません。
自交本部の「震災緊急情報」によると、宮城地連では塩釜東光タクシー労組のKさん(41、東松島市)が逃げ遅れた家族を連れに戻って津波にのまれ死亡、組合員の家屋倒壊が3棟(18日14時現在)。会社の被害は、名取市でH社が社屋と営業車10台中8台を流されたほか、多くの会社で車両が損壊。仙台市内のLPガスは17日に供給があり、各社5〜8割程度の稼働ですが、ガソリンがまったくなく自家用車が使えないことから多くの乗務員が出社できない状況です。
福島地連の福島県自動車交通労組(相馬市)では、組合員のUさんが死亡。家族・肉親は1人が死亡、5人が行方不明。自宅の全・半壊は8棟。組合員8人が避難していて、うち2人は原発事故によるものです(18日16時現在)。
宮城、福島ともに未確認の被害がまだ多くある模様です。
時期検討して物資輸送
大阪地連は、3月16日に緊急常任執行委員会を開いて対策本部の設置を決め、園田委員長を本部長としました。17日には大阪労連・大阪春闘共闘「大阪総行動」の募金活動に参加。大阪地連のなかまは、難波・高島屋前と新大阪駅(西地協)で懸命に募金を呼びかけました。「総行動」で集まった募金は大阪労連を通じて現地救援対策本部などに届けられます。
自交本部・大阪地連は被災地のなかまを支援するために物資輸送を計画。道路・燃料事情や現地の受け入れ態勢を考慮し、適切な時期・方法を考えて実施する、としています。
第2次減車・法令遵守の徹底 全国にイニシアチブ発揮せよ
2011/03/15
全タク連に要請
3月3日の自交総連中央行動では決起集会・デモ終了後、国土交通省・厚生労働省・国会議員(国土交通委員)・全国乗用自動車連合会(全タク連)への要請行動に取り組み、大阪地連の要請団は全タク連に「実効性の上がる第2次減車」「法令遵守の徹底・累進歩合の全廃」を要請しました。
今回、全タク連側は渡辺常務理事、中崎労務課長が応対。大阪地連・園田委員長は、タクシー労働者が普通に働いても最賃割れを起こすなど法律違反が日常化していることについて「法律違反を前提に成り立っている業界というのは果たして社会的に許されるのか」として全タク連がどのようなスタンスで取り組むのかを質すとともに、第2次減車に向けて強い指導力を発揮するよう要請しました。
渡辺常務理事は「私見」と前置きしつつ、減車について「特措法は“業界の自主的努力”という位置付けになっている。強制ができない以上は減車しない事業者がいるのも事実。第1次減車の最低目標が達成できていない中で2次減車が達成できるだろうか」と指摘し、「全タク連としてやれることは、タクシー事業法成立に向け努力するということにならざるをえない」との見解を示しました。
園田委員長は「自分たちで決めた目標さえ達成できないような事業者組織であっては困る。決めた以上は責任感を持っていただきたい。全タク連には全国のタクシー協会に対する指導責任があるのではないか」として、減車しない事業者に対する指導強化を改めて求めました。
法令遵守の問題に話が移ると、渡辺氏が「事業者の気持ちを代弁すれば、当然“法違反なんてしたくない”と思っているはずだし、“やむを得ない”とは思っていないはず」と強調したのに対して、組合側は「大タ協の幹部の中には“最賃を400円にすべき”と公言した人物や“手待ち時間を休憩時間として扱うべき”と労働局に要請した人物がいる。大阪では“守りたい”という話ではない。“監査で処分されるから何とかしなければ”という発想だ」と指摘。渡辺氏は「タクシーは労働集約産業。事業者の方々と話をすると、“企業と労働者は車の両輪”という言葉がよく出てくる。賃金・労働条件を“良くしたい”という思いが根底にある。例外的な事業者の話をされてもお答えしづらい」と困惑気味に話しました。
さらに同氏が「ある事業者の話だと、年金給付を受けながら働く高齢乗務員の中には“賃金は10万でいいからマイペースで働きたい”という人もいるらしい。そういう人にも最賃は払わないといけない。(組合側が指摘した事業者には)被害者意識があるのではないか」との考えを示したのに対し、園田氏は「経営者の資質の問題だ。10万でいい”人こそ例外的だし、それを平気で言う経営者のセンスが理解できない。自分に能力がないことを宣伝しているようなものだ」と反論しました。
適正賃金めざし総決起
2011/03/15
集会の最後に「事業者は減車の約束を守れ!」とシュプレヒコールする大阪地連のなかまと全国のなかま(3月3日、東京・明治公園で)
自交総連3・3中央行動に全国から1000人
自交総連本部は3月3日、決起集会・デモをはじめ、対行政交渉や国会議員要請、全タク連要請を「中央行動」として東京都内で取り組み、1000人が集結。大阪地連からは大型バスをチャーターして前夜に出発、47人が奮闘しました。
明治公園(新宿区)で開かれた「中央総決起集会」では、まず自交本部の飯沼中央闘争委員長が主催者あいさつで「現状では多くの特定地域で、目標の減車率に達していない。地域協議会で合意された減車目標は社会的公約であり、事業者の社会的責任だ」と指摘し、大幅減車による賃金・労働条件の改善、タクシー運転免許の実現に向けた奮闘を訴えました。
続けて交運共闘・熊谷副議長、日本共産党・穀田国対委員長(衆院議員)が連帯あいさつ。穀田氏は、民主党・菅政権について「法人税減税と証券優遇税制延長で大企業や大金持ちに2兆円もばらまく一方で、それらのツケを消費税増税で庶民に押しつけようとしている」「アメリカ言いなりのTPP参加で農業と地域経済、国土と環境、雇用と労働を破壊する道に突き進もうとしている」と指摘。「大企業に社会的責任果たせと要求し、賃上げと中小企業支援、社会保障の充実で家計や内需を暖め、経済危機を打開するする政治に切り替えよう」と呼びかけました。
東北・関東・関西・九州各ブロックの代表が決意表明を行い、関西からは京都地連の石原書記長が「いま大阪では18.8%、京都では7.4%の減車率だが、この程度では公共交通としてあるべき賃金・労働条件には到達しない。減車に意図的に協力しない確信犯的事業者の多くは下限割れ運賃、法令違反を続けている」と語気を強め、実効性ある大幅減車実現、下限割れ運賃の一掃、法令遵守の徹底を行政・事業者に求めていく、と力を込めました。
集会が終わるとなかまはデモ行進に出発、「多すぎるタクシーを減らせ」「運転者を貧困層にするな」などと声を張りあげました。
午後からは、国交省・厚労省交渉、全タク連要請、国会議員要請にとりくみました。
大阪地連が大阪タクシー協会に要請
2011/03/07
大タ協に法令遵守徹底を要請する大阪地連のなかま(こちら向き、2月23日)
累進歩合制なくせ
法令遵守で経営を
大阪地連は2月23日、大阪タクシー協会(大阪市中央区)への要請行動に取り組み、「タクシー事業者の法令遵守を求める要請書」(左上)を同協会に提出。「実効性の上がる第2次減車」「累進歩合制賃金の全廃」など業界の正常化、活性化のためにイニシアチブを発揮するよう求めました。
応対した大タ協・足立専務理事は、要請項目@「実効性の上がる第2次減車」については「休眠車を精査する必要もあるがそれだけでは減車は難しい。二種免許に定年制を設けて人を減らせないか有識者に相談している」、A「法令遵守の徹底」については「最低賃金法自体への意見は組合と異なるが、最賃割れをなくすためには車両数を減らして1人当たりの営収を増やすことが必要」、B「嘱託者への有休付与の義務から免れようと短期雇用を続ける事業者」については「6か月契約でも、更新で雇用が半年以上継続していれば有休は当然発生する。協会として抜け道的な工作はしない」と回答しました。
さらに足立氏は「(減車の効果を検証して)だめだったら次の策を考えないといけない。タクシー事業法案を通さないといけないのかなという気はしている」との考えを示し、「自交総連は事業法をどう考えているのか」と質問。組合側は「まず自助努力を尽くさないと国民の理解は得られない」「いまは事業法推進に与(くみ)する時ではないというのが我々の立場だ」と明言、「規制緩和に悪乗りして儲けてきた事業者が協会内にも現存している。自分たちのやってきたことを棚に上げ、権益を守るために法律を根こそぎ変えようする発想は、規制緩和推進論者と変わらない」と批判しました。